340 / 520
340.『私はショウタを心配している、です。自分の大事なものを忘れては。』と北白川サナ。俺が別れを惜しむ相手は、ラキちゃんだけではない。
しおりを挟む
北白川サナの話を聞く気が、俺の中から急速になくなっていった。
ラキちゃんに向けた俺の関心は、俺だけが話していい話題だ。
「それだけか?」
俺ではない誰かを待っているラキちゃんが、俺がいることにまで気が回らないという現象が起きた場所が。
正義が勝たないデスゲームの外でだったら。
俺は、何度でも、ラキちゃんの心を奪いにいった。
ここは、正義が勝たないデスゲームの中。
俺とラキちゃんは、これが最後。
会えなくなるラキちゃん。
俺のラキちゃんへの感情は、ラキちゃん以外に伝えた途端に薄まって元の形を分からなくさせる。
ラキちゃんと一緒に行けないなら。
ラキちゃんへの気持ちは、持って出る。
壊れたりなくなったりしないように、一塊にして、柔らかく包み、俺と一緒に、俺が持ち出す。
俺は、ラキちゃんへの感情を正義が勝たないデスゲームに置いていかない。
ラキちゃんがいなくなる正義が勝たないデスゲームには。
俺の大事にするものは、置いていかない。
ラキちゃんへ伝えないラキちゃんへの丸くならない俺の感情は、俺以外の誰にも語らせない。
俺が包んだものを北白川サナが取り出そうとしていることの不快感。
北白川サナに対して、必要以上に言葉を出したくないと俺は思った。
「ラキだけを見ているショウタは、一番大事にしないといけないものが自分の中にあったことを忘れている、です。」
と北白川サナ。
俺が、つっけんどんにしても、北白川サナは堪えた様子を見せなかった。
ショウタは、そういうところがある、と言わんばかりの、分かっているという表情の北白川サナ。
北白川サナは、最初に顔を会わせたときの俺への親切さを今もまだ変わらぬように俺に向けている。
「北白川サナに俺が心配された。」
俺は、北白川サナに驚いている顔を見せる。
「私は、初めて会ったときからショウタを心配していた、です。」
と北白川サナ。
ムッとする北白川サナ。
最初の日の、新人歓迎会をクリアして打ち解けた後の北白川サナは、面倒ではなかったことを思い出す。
「新人歓迎会では世話になった。
北白川サナがいなかったら、俺は、新人歓迎会で終わっている。」
「その通り、です。ショウタは、私にもっと感謝して良かった、です。
今も。」
と北白川サナ。
「今か?自分に大事にしているものを忘れるな、の言葉での叱咤激励か?」
「今は、それよりも大事です。」
と北白川サナ。
「何が大事なのか説明する気はあるか?」
「ショウタがひとりぼっちで寂しい思いをしないように、私はショウタといた、です。」
と北白川サナ。
想定していなかった台詞を聞いた。
「北白川サナが、よく俺の近くにいたのは?」
「ショウタを寂しがらせないため、です。」
と北白川サナ。
俺は、そういえば、と思い直した。
ラキちゃんとの別れに感情が全て持っていかれていたが、最後になるのは、ラキちゃんだけじゃない。
正義が勝たないデスゲームに参加して、生き方を変えないで、サバイバルゲームをクリアするのは。
タケハヤプロジェクトのメグたんとツカサだけ。
「俺は、今から、北白川サナとも別れを惜しむか。」
北白川サナの緩んでいた頬が、急に固くなる。
「ショウタ、今のはどういう意味です?
私と別れを惜しむという意味は、何です?」
と北白川サナ。
「言葉通りだ。
北白川サナとキノとカガネは、サバイバルゲームをクリアしない。」
「まだ言う、です?」
と北白川サナ。
俺は、メグたんとツカサ、ガガネにチラッと視線を流す。
カガネは、すっと、予備動作なしでキノを捕まえた。
メグたんは、無言で横たわるラキちゃんの横へ。
ツカサは、何も言わずに俺と北白川サナの方へ一直線に向かってくる。
「なぜ、です!」
と北白川サナ。
俺は、走って逃げようとする北白川サナを掴もうとして、空振った。
ツカサが如才なく、北白川サナを捕まえる。
「サバイバルゲームをクリアするのは、俺、ツカサ、メグたん、ラキ。」
「ショウタは、私を見捨てようというのです?」
と北白川サナの顔面は、蒼白になっている。
「俺は、俺のやりたいことをやり通すために、サバイバルゲームをクリアして、正義が勝たないデスゲームを脱出する。」
「私だって、正義が勝たないデスゲームを脱出してやりたいことがある!」
とキノは、カガネに捕まりながら騒ぐ。
「ここにきて、ショウタは、私を殺そうと言うのです?」
と北白川サナ。
真っ青になりながら、ツカサの腕から抜け出そうでもがく北白川サナは、顔だけを俺に固定していた。
「俺が正義が勝たないデスゲームを脱出するには、まず、サバイバルゲームをクリアする必要がある。
カガネ、キノ、北白川サナが生きていると、サバイバルゲームをクリアできない。
俺の正義が勝たないデスゲームの脱出のために、死ね。」
「身勝手すぎる!
私が殺される理由が、ショウタが生きるためなど認めない!」
とキノ。
「ショウタは、私のことを殺してもいいと思う、ですか。」
と北白川サナ。
ラキちゃんに向けた俺の関心は、俺だけが話していい話題だ。
「それだけか?」
俺ではない誰かを待っているラキちゃんが、俺がいることにまで気が回らないという現象が起きた場所が。
正義が勝たないデスゲームの外でだったら。
俺は、何度でも、ラキちゃんの心を奪いにいった。
ここは、正義が勝たないデスゲームの中。
俺とラキちゃんは、これが最後。
会えなくなるラキちゃん。
俺のラキちゃんへの感情は、ラキちゃん以外に伝えた途端に薄まって元の形を分からなくさせる。
ラキちゃんと一緒に行けないなら。
ラキちゃんへの気持ちは、持って出る。
壊れたりなくなったりしないように、一塊にして、柔らかく包み、俺と一緒に、俺が持ち出す。
俺は、ラキちゃんへの感情を正義が勝たないデスゲームに置いていかない。
ラキちゃんがいなくなる正義が勝たないデスゲームには。
俺の大事にするものは、置いていかない。
ラキちゃんへ伝えないラキちゃんへの丸くならない俺の感情は、俺以外の誰にも語らせない。
俺が包んだものを北白川サナが取り出そうとしていることの不快感。
北白川サナに対して、必要以上に言葉を出したくないと俺は思った。
「ラキだけを見ているショウタは、一番大事にしないといけないものが自分の中にあったことを忘れている、です。」
と北白川サナ。
俺が、つっけんどんにしても、北白川サナは堪えた様子を見せなかった。
ショウタは、そういうところがある、と言わんばかりの、分かっているという表情の北白川サナ。
北白川サナは、最初に顔を会わせたときの俺への親切さを今もまだ変わらぬように俺に向けている。
「北白川サナに俺が心配された。」
俺は、北白川サナに驚いている顔を見せる。
「私は、初めて会ったときからショウタを心配していた、です。」
と北白川サナ。
ムッとする北白川サナ。
最初の日の、新人歓迎会をクリアして打ち解けた後の北白川サナは、面倒ではなかったことを思い出す。
「新人歓迎会では世話になった。
北白川サナがいなかったら、俺は、新人歓迎会で終わっている。」
「その通り、です。ショウタは、私にもっと感謝して良かった、です。
今も。」
と北白川サナ。
「今か?自分に大事にしているものを忘れるな、の言葉での叱咤激励か?」
「今は、それよりも大事です。」
と北白川サナ。
「何が大事なのか説明する気はあるか?」
「ショウタがひとりぼっちで寂しい思いをしないように、私はショウタといた、です。」
と北白川サナ。
想定していなかった台詞を聞いた。
「北白川サナが、よく俺の近くにいたのは?」
「ショウタを寂しがらせないため、です。」
と北白川サナ。
俺は、そういえば、と思い直した。
ラキちゃんとの別れに感情が全て持っていかれていたが、最後になるのは、ラキちゃんだけじゃない。
正義が勝たないデスゲームに参加して、生き方を変えないで、サバイバルゲームをクリアするのは。
タケハヤプロジェクトのメグたんとツカサだけ。
「俺は、今から、北白川サナとも別れを惜しむか。」
北白川サナの緩んでいた頬が、急に固くなる。
「ショウタ、今のはどういう意味です?
私と別れを惜しむという意味は、何です?」
と北白川サナ。
「言葉通りだ。
北白川サナとキノとカガネは、サバイバルゲームをクリアしない。」
「まだ言う、です?」
と北白川サナ。
俺は、メグたんとツカサ、ガガネにチラッと視線を流す。
カガネは、すっと、予備動作なしでキノを捕まえた。
メグたんは、無言で横たわるラキちゃんの横へ。
ツカサは、何も言わずに俺と北白川サナの方へ一直線に向かってくる。
「なぜ、です!」
と北白川サナ。
俺は、走って逃げようとする北白川サナを掴もうとして、空振った。
ツカサが如才なく、北白川サナを捕まえる。
「サバイバルゲームをクリアするのは、俺、ツカサ、メグたん、ラキ。」
「ショウタは、私を見捨てようというのです?」
と北白川サナの顔面は、蒼白になっている。
「俺は、俺のやりたいことをやり通すために、サバイバルゲームをクリアして、正義が勝たないデスゲームを脱出する。」
「私だって、正義が勝たないデスゲームを脱出してやりたいことがある!」
とキノは、カガネに捕まりながら騒ぐ。
「ここにきて、ショウタは、私を殺そうと言うのです?」
と北白川サナ。
真っ青になりながら、ツカサの腕から抜け出そうでもがく北白川サナは、顔だけを俺に固定していた。
「俺が正義が勝たないデスゲームを脱出するには、まず、サバイバルゲームをクリアする必要がある。
カガネ、キノ、北白川サナが生きていると、サバイバルゲームをクリアできない。
俺の正義が勝たないデスゲームの脱出のために、死ね。」
「身勝手すぎる!
私が殺される理由が、ショウタが生きるためなど認めない!」
とキノ。
「ショウタは、私のことを殺してもいいと思う、ですか。」
と北白川サナ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる