《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

文字の大きさ
44 / 673
第4章 夫が真実の愛を捧げる相手はどこにいるのでしょうか?名乗り出てください。

44.近衛騎士団長の甥は、自分自身の人生を真剣に考える時期だとオレは思います。

近衛騎士団長の執務室と宰相の執務室は、そんなに離れていなかった。

上役同士、話す機会が多いのか?
機密保持のためのセキュリティー重視か?
重要人物の安全確保のためか?

到着まで、5分も歩いていない。

待たされはしたけれど。

俺は、近衛騎士団長の執務室にご案内されて、向かいあっている。

近衛騎士団長と。

なんでだよ?

オレを呼び出した当人は、どこ行った?

なんで呼び出した部屋にいない?

オレは、担任の先生じゃないぞ?
保護者と面談するいわれはない。

「オレは、近衛騎士団長の甥と会う約束をした。
近衛騎士団長と会う約束はしていない。
近衛騎士団長の執務室を指定されたんだけど、あんたの甥はどこにいる?」

「甥は、後で来るよ。慌てなくてもいいじゃないか。」
と近衛騎士団長。

「いないなら、帰る。
甥に伝えておけ。

人を待たせると分かった時点で、呼んだ側は、やっておくことがある。

それをしないで平気なやつとは、感覚が合わないから付き合いたくない。

今後、オレとの付き合いは、考えるな。」

オレは、席を立った。

その瞬間。

近衛騎士団長の執務室の廊下に面していない側の扉が開いた。

近衛騎士団長の甥が、ゆうゆうと、扉を開けてもらって出てくる。

「せっかく来たんだから、話をしよう。」
と近衛騎士団長の甥。

茶番か?

やっすい茶番だな。

茶番に付き合う義理は、オレにはない。

「遅かったな。時間切れだ。あんたに使う時間はもうない。」

オレは、席を立って、廊下側の扉に向かう。

「近衛騎士団長の執務室から、出ていけると思っているのか!」
と近衛騎士団長の甥。

「オレに何をする気だ?
オレは、公爵の伴侶だが?」

近衛騎士団長の甥自身には、何の肩書きもないことをオレは知っている。

「オレが、わざわざ出向いてやった結果が、やっすい茶番か?」

オレは、近衛騎士団長の甥に向き直り、低い声を出した。

「これは、公爵がナメられているのか?
公爵の伴侶のオレがナメられているのか?
両方か?
答えろ。」

近衛騎士団長の甥は、言葉に詰まった。

「なかなかの御仁だ。うちの甥では、勝負にならなかったな。」
と近衛騎士団長。

「伯父さん!」
近衛騎士団長の甥が、伯父にすがっている。

職場で、『伯父さん』呼びはありなのか?

オレの常識とは違う。

「茶番を仕組んで、見破られたやつらが偉そうに。」

「なるほど、公爵の伴侶たりえる人物だ。」
と近衛騎士団長。

近衛騎士団長が、上から、人を評価してくるのは、何なんだ?

公爵の両親が、息子の伴侶を認めるなら、まだしも。

ん?

「近衛騎士団長は、公爵の両親と親しかったのか?」

「察しが良いところも、申し分ない。」
と近衛騎士団長。

「近衛騎士団長のそれは、親目線だろ?
甥に対してじゃない。
公爵に対して、だ。」

「え?伯父さん?」
近衛騎士団長の甥が驚いている。

近衛騎士団長の甥は、伯父を慕っている様子。

「甥から公爵に近づいたのか?
近衛騎士団長が、公爵に甥を近づけたのか?」

「先代公爵夫妻とは長い付き合いでね。公爵も、子どものころから見てきたから、他人とは思えない。」
と近衛騎士団長。

「やり過ぎだ。甥の人生を台無しにすることを、甥も了承しているのか?」

「そんなことになるかな?」
と近衛騎士団長。

「公爵の伴侶は、オレで確定した。
甥に、公爵の伴侶以外の道を示して、教育をやり直さないと、甥は、行き場をなくすぞ。
利用した自覚があるなら、育て直してやれ。」

「全く、肝がすわっているな。」
と近衛騎士団長。

近衛騎士団長の甥は、目を白黒させた。

「話しは、まだ!」
という近衛騎士団長の甥。

「今日は、なしだ。
理由を理解するまでは、呼ぶな。胸糞悪い思いは、一度で十分だからな。」

オレは、誰にも邪魔されることなく、近衛騎士団長の執務室を出て帰った。

近衛騎士団長の甥が、執務室を出ようとしたオレの進路に立ちはだかろうとしたが。

『オレは、公爵の伴侶だ。オレの前に立てるのか。』
と言って、甥を退かした。

近衛騎士団長の甥にはどれほどの価値があるか。
甥自身で、一度、確認させないと分からないだろうな。
感想 84

あなたにおすすめの小説

異世界転移してΩになった俺(アラフォーリーマン)、庇護欲高めα騎士に身も心も溶かされる

ヨドミ
BL
もし生まれ変わったら、俺は思う存分甘やかされたい――。 アラフォーリーマン(社畜)である福沢裕介は、通勤途中、事故により異世界へ転移してしまう。 異世界ローリア王国皇太子の花嫁として召喚されたが、転移して早々、【災厄のΩ】と告げられ殺されそうになる。 【災厄のΩ】、それは複数のαを番にすることができるΩのことだった――。 αがハーレムを築くのが常識とされる異世界では、【災厄のΩ】は忌むべき存在。 負の烙印を押された裕介は、間一髪、銀髪のα騎士ジェイドに助けられ、彼の庇護のもと、騎士団施設で居候することに。 「αがΩを守るのは当然だ」とジェイドは裕介の世話を焼くようになって――。 庇護欲高め騎士(α)と甘やかされたいけどプライドが邪魔をして素直になれない中年リーマン(Ω)のすれ違いラブファンタジー。 ※Rシーンには♡マークをつけます。

氷の騎士団長様の悪妻とかイヤなので離婚しようと思います

黄金 
BL
目が覚めたら、ここは読んでたBL漫画の世界。冷静冷淡な氷の騎士団長様の妻になっていた。しかもその役は名前も出ない悪妻! だったら離婚したい! ユンネの野望は離婚、漫画の主人公を見たい、という二つの事。 お供に老侍従ソマルデを伴って、主人公がいる王宮に向かうのだった。 本編61話まで 番外編 なんか長くなってます。お付き合い下されば幸いです。 ※細目キャラが好きなので書いてます。    多くの方に読んでいただき嬉しいです。  コメント、お気に入り、しおり、イイねを沢山有難うございます。    

みなしご白虎が獣人異世界でしあわせになるまで

キザキ ケイ
BL
親を亡くしたアルビノの小さなトラは、異世界へ渡った────…… 気がつくと知らない場所にいた真っ白な子トラのタビトは、子ライオンのレグルスと出会い、彼が「獣人」であることを知る。 獣人はケモノとヒト両方の姿を持っていて、でも獣人は恐ろしい人間とは違うらしい。 故郷に帰りたいけれど、方法が分からず途方に暮れるタビトは、レグルスとふれあい、傷ついた心を癒やされながら共に成長していく。 しかし、珍しい見た目のタビトを狙うものが現れて────?

異世界転移された傾国顔が、アラ還宰相の幼妻になって溺愛されるまでの話

ふき
BL
異世界に転移したカナトは、成り行きでアラ還の宰相ヴァルターと結婚することになる。 戸惑いながら迎えた初夜。衝動のキス、触れあう体温――そして翌朝から距離が遠ざかった。 「じゃあ、なんでキスなんてしたんだよ」 これは、若さを理由に逃げようとするアラ還宰相を、青年が逃がさない話。 ヴァルター×カナト ※サブCPで一部、近親関係を想起させる描写があります。

【本編完結】異世界で政略結婚したオレ?!

カヨワイさつき
BL
美少女の中身は32歳の元オトコ。 魔法と剣、そして魔物がいる世界で 年の差12歳の政略結婚?! ある日突然目を覚ましたら前世の記憶が……。 冷酷非道と噂される王子との婚約、そして結婚。 人形のような美少女?になったオレの物語。 オレは何のために生まれたのだろうか? もう一人のとある人物は……。 2022年3月9日の夕方、本編完結 番外編追加完結。

ひ弱な竜人 ~周りより弱い身体に転生して、たまに面倒くさい事にも出会うけど家族・仲間・植物に囲まれて二度目の人生を楽しんでます~

白黒 キリン
ファンタジー
前世で重度の病人だった少年が、普人と変わらないくらい貧弱な身体に生まれた竜人族の少年ヤーウェルトとして転生する。ひたすらにマイペースに前世で諦めていたささやかな幸せを噛み締め、面倒くさい奴に絡まれたら鋼の精神力と図太い神経と植物の力を借りて圧倒し、面倒事に巻き込まれたら頼れる家族や仲間と植物の力を借りて撃破して、時に周囲を振り回しながら生きていく。 タイトルロゴは美風慶伍 様作で副題無し版です。 小説家になろうでも公開しています。 https://ncode.syosetu.com/n5715cb/ カクヨムでも公開してします。 https://kakuyomu.jp/works/1177354054887026500 ●現状あれこれ ・2021/02/21 完結 ・2020/12/16 累計1000000ポイント達成 ・2020/12/15 300話達成 ・2020/10/05 お気に入り700達成 ・2020/09/02 累計ポイント900000達成 ・2020/04/26 累計ポイント800000達成 ・2019/11/16 累計ポイント700000達成 ・2019/10/12 200話達成 ・2019/08/25 お気に入り登録者数600達成 ・2019/06/08 累計ポイント600000達成 ・2019/04/20 累計ポイント550000達成 ・2019/02/14 累計ポイント500000達成 ・2019/02/04 ブックマーク500達成

天使のような子の怪我の手当てをしたら氷の王子に懐かれました

藤吉めぐみ
BL
12/23後日談追加しました。 ================= 高校の養護教諭の世凪は、放課後の見回り中にプールに落ちてしまう。カナヅチの世凪は、そのまま溺れたと思ったが、気づくと全く知らない場所にある小さな池に座り込んでいた。 ここがどこなのか、何がどうなったのか分からない世凪に、「かあさま」と呼んで近づく小さな男の子。彼の怪我の手当てをしたら、世凪は不審者として捕まってしまう。 そんな世凪を助けてくれたのは、「氷の王子」と呼ばれるこの国の第二王子アドウェル。 冷淡で表情も変わらない人だと周りに言われたが、世凪に対するアドウェルは、穏やかで優しくて、理想の王子様でドキドキしてしまう世凪。でも王子は世凪に母親を重ねているようで…… 優しい年下王子様×異世界転移してきた前向き養護教諭の互いを知って認めていくあたたかな恋の話です。

【完結】異世界転移で落ちて来たイケメンからいきなり嫁認定された件

りゆき
BL
俺の部屋の天井から降って来た超絶美形の男。 そいつはいきなり俺の唇を奪った。 その男いわく俺は『運命の相手』なのだと。 いや、意味分からんわ!! どうやら異世界からやって来たイケメン。 元の世界に戻るには運命の相手と結ばれないといけないらしい。 そんなこと俺には関係ねー!!と、思っていたのに… 平凡サラリーマンだった俺の人生、異世界人への嫁入りに!? そんなことある!?俺は男ですが!? イケメンたちとのわちゃわちゃに巻き込まれ、愛やら嫉妬やら友情やら…平凡生活からの一転!? スパダリ超絶美形×平凡サラリーマンとの嫁入りラブコメ!! メインの二人以外に、 ・腹黒×俺様 ・ワンコ×ツンデレインテリ眼鏡 が登場予定。 ※R18シーンに印は入れていないのでお気をつけください。 ※前半は日本舞台、後半は異世界が舞台になります。 ※こちらの作品はムーンライトノベルズにも掲載中。 ※完結保証。 ※ムーンさん用に一話あたりの文字数が多いため分割して掲載。 初日のみ4話、毎日6話更新します。 本編56話×分割2話+おまけの1話、合計113話。