《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第4章 夫が真実の愛を捧げる相手はどこにいるのでしょうか?名乗り出てください。

45.司祭の従兄弟は、恋を楽しみたい。公爵に恋い焦がれた気持ちは嘘じゃない。でも、振り向いてくれない人に期待して追いかけるのは、苦しかった。

今日は、司祭の従兄弟と会う日。

家ではなく、個室のお食事処で会う。

オレは、異世界に来て、初めての外食。
楽しみにしている。

お食事処へは、徒歩。

徒歩で行く店だそうだ。

お忍びで行く場所?

護衛も入店できるので、オレは、初日の扉を守っていた護衛と一緒。

店に着いたら、なるほど納得。

イメージは、京都の一見さんお断りのお店。

一日、一組の貸し切り営業。

今日は、司祭の従兄弟とオレのみ。

密談するには、丁度よい広さ。

司祭の従兄弟は、先に座っていた。

「待たせた。」
とオレが言うと。

「別に。」
と司祭の従兄弟。

司祭の従兄弟は、オレと一番年が離れているけれど、常識の感覚が、オレに一番近いかもしれない。

今日は、食事以外も、楽しめそうだ。

「隠れ家みたいで、素敵な店だな。食事にも期待している。」

司祭の従兄弟は、オレが店に満足しているのを見て、顔をほころばせた。

「この店なら、話したいことを話せる。」
と司祭の従兄弟。

「制約が多いんだな?じゃあ、話したいことをサクサク話していこうか。」

オレの約半分の年齢なのに大変だよな。

定食みたいに、大きなお盆に乗ったご飯が運ばれてきて、オレ達の目の前に置かれる。
女将は、ごゆっくり、とだけ言うと、部屋から出ていった。

「公爵は、高嶺の花だから、誰にも手が届かないと思っていた。
だから、望みが薄くても、公爵の近くに行けるチャンスは失いたくないと思っていた。」
と司祭の従兄弟。

「公爵が結婚したと従兄弟に聞いて、公爵の伴侶のお茶会に行ったら、あなたがいた。
公爵もあなたも、俺達なんて、眼中にないのが分かった。
俺は、公爵から、結婚したと報告されたかった。
公爵から報告してくれたら、俺は、自分が結婚できなくても、おめでとう、と祝福したのに。」

「それは、悔しいな。」

オレは、司祭の従兄弟が、しっかりと考えていることに感心していた。

「俺は、お茶会の後、周りの同年代を見て、羨ましくなった。
公爵を追いかけていたけれど、公爵は振り向いてくれない。
叶わないとは承知の上。
でも、ひょっとしたら、とずっと期待するのを止めることが出来なくて、苦しかった。

俺の同年代は、背伸びしない恋愛を楽しんでいて、毎日、ツヤツヤしている。

俺、公爵を追いかけてきたけれど、苦しい気持ちばかりになっていた。

今は、俺が一方的に追いかけない恋人がほしい。」
と司祭の従兄弟。

「まともだ。自分自身や、周りを見て、よく考えられていると思う。」

オレ、10代で、どんな恋愛をしようとか、なかったなー。

好きか、好きじゃないか、くらいしか、考えていなかった。

「あなたは、そう言ってくれる。」
と司祭の従兄弟は苦笑した。

「ダメなところ、あったか?」

「家族は、俺と公爵との繋がりが断たれるのを望まないんだ。公爵の友人は、従兄弟で、俺は、友人になれなかった。」
と司祭の従兄弟。

いいことを聞いた。

「それなら、公爵の伴侶の友人に立候補するしかないな!」

「何て?」
目を丸くする司祭の従兄弟。

「公爵を間に挟まなければ、気楽に話せているだろう?オレ達。」

「本当だ!」
司祭の従兄弟は、嬉しそうに笑った。

「公爵の伴侶じゃなく、公爵の伴侶の友人に立候補した、で、しばらく引っ張ってみたらいい。
友人になりました、と言ったら、嘘くさいしな。」

「そうする。」
と司祭の従兄弟。

「美味しいご飯は、一段と美味しくなった。友人と食べているからだな?」

オレと司祭の従兄弟は、楽しく美味しい食事をして別れた。

「またな!」

「次は、惚気ける!」
と気合い十分な司祭の従兄弟。
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