55 / 673
第4章 夫が真実の愛を捧げる相手はどこにいるのでしょうか?名乗り出てください。
55.公爵とオレは、一緒に遠出した先で、公爵領のお仕事をしています。公爵は、オレに一緒にしようと誘われたのが嬉しいようです。仕事も遊びも。
しおりを挟む
公爵とオレ、プラス使用人で別邸にいる。
公爵の両親は、公爵領の中の視察中に、別邸を使用することが多かったそうだ。
公爵と公爵の伴侶が来ると聞いた領地の文官は、公爵のお仕事を携えて挨拶に来た。
「お仕事が、溜まっております。」
公爵は、この遠出で、仕事をする考えはなかったらしい。
オレは、丁度よい機会だから、公爵に一緒に仕事をしようと誘った。
「金は、貯めても、仕事は溜めない方が、公爵と公爵領のためになる。」
うーん、と悩む公爵に。
「毎日の仕事の分量をだいたい決めて、一日の仕事を片付けたら、公爵領の中で遊ぶぞ。」
と仕切ったら、乗ってきた。
オレは、公爵の伴侶になって、半年経つが、公爵と同じ部屋で、対等に話をしたのは、今日が初めてだ。
別邸の執務室で、公爵とオレと文官は、和やかに会話しながら、仕事をさばいている。
公爵が屋敷に帰らない間、オレは、公爵の伴侶として、公爵領の仕事を引き受けた。
公爵の伴侶のオレに、領民は感謝してくれた。
今、改めて、公爵が領地に来たことを歓迎している領民を見ると。
公爵領の人は、公爵を愛しているんだなーと思った。
公爵が、公爵として、公爵領の人に愛されている。
公爵の伴侶のオレが、最初から、信用されて、歓迎されたのは、公爵への信用ありきだったんだなー。
公爵領の人と仲良くなったつもりでいたオレは、寂しいし、悔しい。
公爵が、公爵領民に愛されているのは、喜ばしいけどさ。
公爵が、領民に愛されている自覚を持ったら、公爵領の仕事を溜め込まなくなるかな?
公爵家は、公爵領にいくつか別邸を持っている。
オレは、公爵の伴侶のお仕事を始めてから知った。
公爵家の別邸は、オレの仮住まいとして、一度は、下見にいこうと思っていたんだ。
公爵が、真実の愛を捧げる人見つけて、その場で真実の愛を捧げるなら、オレは、待たずに日本に帰れると考えている。
ただ、真実の愛を捧げるというのが、何を意味するか分からない。
もしも、求婚だったら。
手順を踏むと思うんだよ。
そうなると、さ。
公爵が求婚して、オレが日本に帰るまでの間。
公爵、公爵の伴侶のオレ、公爵の愛人の三角関係が出来上がる。
オレの精神衛生上、良くない。
オレが日本に帰るために必要な条件だけどさ。
結婚しているくせに、堂々と他人との愛に生きやがって!と、
公爵を見るたびに、ストレスがたまりそう。
オレは、夫と夫の愛人と仲良くするのは無理。
結婚していなくても、二股は嫌だ。
略奪愛とか、略奪される側で体験したくない。
だからさ。
公爵に、真実の愛を捧げる人が見つかったら、今住んでいる屋敷を出て、別邸に移ろうと考えていた。
公爵家の屋敷の使用人とお別れするのは、寂しい気持ちになるだろうけど。
オレが、公爵の伴侶の地位をおわれて、日本へのカウントダウンが始まったら、公爵家の使用人は、オレから離しておかないと。
公爵家の使用人の主であり雇用者は、公爵の伴侶でなくなるオレじゃなく、公爵と次の伴侶になるから。
公爵家の使用人とのお別れを思うと、今から切なくなる。
公爵とのお別れ?
公爵の悩みは、神子様が何とかするのかな、とオレは思っている。
神子様は、公爵の真実の愛を捧げる相手だと、神子様自身が話していた。
公爵の家族を喪った喪失感は、神子様が癒やしてくれるのかなー?
その後に、公爵が、真実の愛を捧げる流れ?
たださー。
先の長い話になりそうなんだよなー。
公爵の様子を見ていると。
今の公爵に、恋人との交際を楽しむ余裕はなさそう。
手を繋いでデートとか。
恋人同士の甘いひととき、とか。
公爵が求めているのは、唯一無二の家族、半身との切れない繋がり、なんじゃないかなー。
今回の道中は、家族旅行のノリだった。
新婚旅行ではなく。
公爵に新婚旅行のノリを持ち出されても、オレは、叩き落とすけどな。
公爵の両親は、公爵領の中の視察中に、別邸を使用することが多かったそうだ。
公爵と公爵の伴侶が来ると聞いた領地の文官は、公爵のお仕事を携えて挨拶に来た。
「お仕事が、溜まっております。」
公爵は、この遠出で、仕事をする考えはなかったらしい。
オレは、丁度よい機会だから、公爵に一緒に仕事をしようと誘った。
「金は、貯めても、仕事は溜めない方が、公爵と公爵領のためになる。」
うーん、と悩む公爵に。
「毎日の仕事の分量をだいたい決めて、一日の仕事を片付けたら、公爵領の中で遊ぶぞ。」
と仕切ったら、乗ってきた。
オレは、公爵の伴侶になって、半年経つが、公爵と同じ部屋で、対等に話をしたのは、今日が初めてだ。
別邸の執務室で、公爵とオレと文官は、和やかに会話しながら、仕事をさばいている。
公爵が屋敷に帰らない間、オレは、公爵の伴侶として、公爵領の仕事を引き受けた。
公爵の伴侶のオレに、領民は感謝してくれた。
今、改めて、公爵が領地に来たことを歓迎している領民を見ると。
公爵領の人は、公爵を愛しているんだなーと思った。
公爵が、公爵として、公爵領の人に愛されている。
公爵の伴侶のオレが、最初から、信用されて、歓迎されたのは、公爵への信用ありきだったんだなー。
公爵領の人と仲良くなったつもりでいたオレは、寂しいし、悔しい。
公爵が、公爵領民に愛されているのは、喜ばしいけどさ。
公爵が、領民に愛されている自覚を持ったら、公爵領の仕事を溜め込まなくなるかな?
公爵家は、公爵領にいくつか別邸を持っている。
オレは、公爵の伴侶のお仕事を始めてから知った。
公爵家の別邸は、オレの仮住まいとして、一度は、下見にいこうと思っていたんだ。
公爵が、真実の愛を捧げる人見つけて、その場で真実の愛を捧げるなら、オレは、待たずに日本に帰れると考えている。
ただ、真実の愛を捧げるというのが、何を意味するか分からない。
もしも、求婚だったら。
手順を踏むと思うんだよ。
そうなると、さ。
公爵が求婚して、オレが日本に帰るまでの間。
公爵、公爵の伴侶のオレ、公爵の愛人の三角関係が出来上がる。
オレの精神衛生上、良くない。
オレが日本に帰るために必要な条件だけどさ。
結婚しているくせに、堂々と他人との愛に生きやがって!と、
公爵を見るたびに、ストレスがたまりそう。
オレは、夫と夫の愛人と仲良くするのは無理。
結婚していなくても、二股は嫌だ。
略奪愛とか、略奪される側で体験したくない。
だからさ。
公爵に、真実の愛を捧げる人が見つかったら、今住んでいる屋敷を出て、別邸に移ろうと考えていた。
公爵家の屋敷の使用人とお別れするのは、寂しい気持ちになるだろうけど。
オレが、公爵の伴侶の地位をおわれて、日本へのカウントダウンが始まったら、公爵家の使用人は、オレから離しておかないと。
公爵家の使用人の主であり雇用者は、公爵の伴侶でなくなるオレじゃなく、公爵と次の伴侶になるから。
公爵家の使用人とのお別れを思うと、今から切なくなる。
公爵とのお別れ?
公爵の悩みは、神子様が何とかするのかな、とオレは思っている。
神子様は、公爵の真実の愛を捧げる相手だと、神子様自身が話していた。
公爵の家族を喪った喪失感は、神子様が癒やしてくれるのかなー?
その後に、公爵が、真実の愛を捧げる流れ?
たださー。
先の長い話になりそうなんだよなー。
公爵の様子を見ていると。
今の公爵に、恋人との交際を楽しむ余裕はなさそう。
手を繋いでデートとか。
恋人同士の甘いひととき、とか。
公爵が求めているのは、唯一無二の家族、半身との切れない繋がり、なんじゃないかなー。
今回の道中は、家族旅行のノリだった。
新婚旅行ではなく。
公爵に新婚旅行のノリを持ち出されても、オレは、叩き落とすけどな。
175
あなたにおすすめの小説
異世界転移してΩになった俺(アラフォーリーマン)、庇護欲高めα騎士に身も心も溶かされる
ヨドミ
BL
もし生まれ変わったら、俺は思う存分甘やかされたい――。
アラフォーリーマン(社畜)である福沢裕介は、通勤途中、事故により異世界へ転移してしまう。
異世界ローリア王国皇太子の花嫁として召喚されたが、転移して早々、【災厄のΩ】と告げられ殺されそうになる。
【災厄のΩ】、それは複数のαを番にすることができるΩのことだった――。
αがハーレムを築くのが常識とされる異世界では、【災厄のΩ】は忌むべき存在。
負の烙印を押された裕介は、間一髪、銀髪のα騎士ジェイドに助けられ、彼の庇護のもと、騎士団施設で居候することに。
「αがΩを守るのは当然だ」とジェイドは裕介の世話を焼くようになって――。
庇護欲高め騎士(α)と甘やかされたいけどプライドが邪魔をして素直になれない中年リーマン(Ω)のすれ違いラブファンタジー。
※Rシーンには♡マークをつけます。
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
転生したらスパダリに囲われていました……え、違う?
米山のら
BL
王子悠里。苗字のせいで“王子さま”と呼ばれ、距離を置かれてきた、ぼっち新社会人。
ストーカーに追われ、車に轢かれ――気づけば豪奢なベッドで目を覚ましていた。
隣にいたのは、氷の騎士団長であり第二王子でもある、美しきスパダリ。
「愛してるよ、私のユリタン」
そう言って差し出されたのは、彼色の婚約指輪。
“最難関ルート”と恐れられる、甘さと狂気の狭間に立つ騎士団長。
成功すれば溺愛一直線、けれど一歩誤れば廃人コース。
怖いほどの執着と、甘すぎる愛の狭間で――悠里の新しい人生は、いったいどこへ向かうのか?
……え、違う?
【完結済】虚な森の主と、世界から逃げた僕〜転生したら甘すぎる独占欲に囚われました〜
キノア9g
BL
「貴族の僕が異世界で出会ったのは、愛が重すぎる“森の主”でした。」
平凡なサラリーマンだった蓮は、気づけばひ弱で美しい貴族の青年として異世界に転生していた。しかし、待ち受けていたのは窮屈な貴族社会と、政略結婚という重すぎる現実。
そんな日常から逃げ出すように迷い込んだ「禁忌の森」で、蓮が出会ったのは──全てが虚ろで無感情な“森の主”ゼルフィードだった。
彼の周囲は生命を吸い尽くし、あらゆるものを枯らすという。だけど、蓮だけはなぜかゼルフィードの影響を受けない、唯一の存在。
「お前だけが、俺の世界に色をくれた」
蓮の存在が、ゼルフィードにとってかけがえのない「特異点」だと気づいた瞬間、無感情だった主の瞳に、激しいまでの独占欲と溺愛が宿る。
甘く、そしてどこまでも深い溺愛に包まれる、異世界ファンタジー
【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件
白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。
最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。
いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。
黒とオメガの騎士の子育て〜この子確かに俺とお前にそっくりだけど、産んだ覚えないんですけど!?〜
せるせ
BL
王都の騎士団に所属するオメガのセルジュは、ある日なぜか北の若き辺境伯クロードの城で目が覚めた。
しかも隣で泣いているのは、クロードと同じ目を持つ自分にそっくりな赤ん坊で……?
「お前が産んだ、俺の子供だ」
いや、そんなこと言われても、産んだ記憶もあんなことやこんなことをした記憶も無いんですけど!?
クロードとは元々険悪な仲だったはずなのに、一体どうしてこんなことに?
一途な黒髪アルファの年下辺境伯×金髪オメガの年上騎士
※一応オメガバース設定をお借りしています
精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる
風見鶏ーKazamidoriー
BL
秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。
ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。
※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。
異世界に転移したら運命の人の膝の上でした!
鳴海
BL
ある日、異世界に転移した天音(あまね)は、そこでハインツという名のカイネルシア帝国の皇帝に出会った。
この世界では異世界転移者は”界渡り人”と呼ばれる神からの預かり子で、界渡り人の幸せがこの国の繁栄に大きく関与すると言われている。
界渡り人に幸せになってもらいたいハインツのおかげで離宮に住むことになった天音は、日本にいた頃の何倍も贅沢な暮らしをさせてもらえることになった。
そんな天音がやっと異世界での生活に慣れた頃、なぜか危険な目に遭い始めて……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる