《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

文字の大きさ
67 / 673
第5章 いつになったら、日本に帰れますか?

67.神子様が押しかけてきました。『神子様に逆らうな、神子様の機嫌を損ねるな。』それは、決まりなんですか?誰が、公爵に、そう言ったのですか?

在宅勤務を勝ち取った翌日の清々しい朝。

今日は、朝、公爵家の屋敷で仕事をしてから、出勤を予定していた公爵とオレ。

午後からは、昨日、オレの下に配属が決定した部下との顔合わせを予定している。

予定が詰め込まれていないので、公爵もオレもゆったりしていた。


突然、屋敷内が騒がしくなった。

「何だ?」
と公爵。

誰か、怪我でもした?

「神子様がおいでです。」
とヤグルマさん。

「先触れは?」
一応確認する。

「ございません。」
とヤグルマさん。

朝、ゆったりしているとはいえ。

まだ、八時半。

小学生や中学生、高校生は、登校して、学校に着いている時間かもしれない。

大学生は、どうかな?
登校中?


在宅勤務の公爵とオレは、九時から就業予定だったから、だらーん、としていた。

神子様、神子様、朝の八時半は、アポなしで、他所のお家に来る時間かなー?

ふう。

オレは、ヤグルマさんに、神子様を応接室に案内するように頼んだ。

「とりあえず、話は、聞くけどなー。

神子様の用件の見当がつかないまま、つっけんどんな返しは、よくない。

公爵、自分の口から、神子様に、言えるか?

『英雄公爵は、神子様より下ではない。』
って。

神子様と公爵は、対等か、それ以上。

神子様には、公爵に対して、今日から、公私ともに、礼儀正しく振る舞うように要請する。

手始めに、
『アポなしで、早朝に押しかけて、ごめんなさい。』
を神子様に言わせたいぞ、オレは。」

びっくりしている公爵をオレは諭す。

「公爵が、今まで通りの神子様の態度を許していたら、さ。

公爵は、今までと何にも変わっていないから、対応を変えなくても平気だと考えた王城の連中が、公爵の扱いを今まで以上に軽んじてくる。

今日は、一日、毅然とした姿を見せて、きっぱりと対応する日だ。

さもないと。

昨日の努力は、すぐに元の木阿弥になるぞ?」

神子様が、公爵と仲良くなろうとする過程で、再び、公爵が精神的に追い詰められていったら、元も子もない。

公爵が、神子様に真実の愛を捧げる日は遠のくばかり。

オレが、日本に帰る日もなー。


公爵は、ためらいながらも、オレに告白してくれた。

「私は、神子様に、何を言ってよいか、言ってはダメなのかが、分からない。

神子様の言うことは基本的に肯定するか、否定しない。」
と公爵。

なーんーじゃーそーりゃー。

神子様に会う前に、公爵と認識のすり合わせだ!

「神子様のことは、肯定して、否定するな、と言われたのか?」

「神子様に逆らうな、神子様の機嫌を損なうな、だ。」
と公爵。

「誰が、公爵にそう言ったか覚えているか?
誰が言い出したか知っているか?
誰が決めた決まりか分かるか?」

「国王陛下だ。
私にだけではなく、私の友人を集めた場で、神子様の紹介と共に、そのように下知された。

誰が決めた決まりというのは、国王陛下が決めたということになるか?」
と公爵。

オレの知りたい答えじゃないな。

「国王陛下が、話をした内容が、この世界のルールかどうか、が知りたい。

国王陛下が話をする前に、神子様の扱いは決まってなかったのか?」

「私が、神子様について知っていることは、三つある。

魔王が現れる予兆は、どの国にもなかった。

神子様が現れるタイミングも、毎回同じではない。

神子様は、現れた国で一生を終えている。」
と公爵。

「神子様がいないと魔王討伐は、成功しないくらい、神子様は、重要か?

魔王討伐後、神子様は、元の世界に帰らないのか、帰れないのか、分かるか?」

神子様が、帰らないか、帰れないか。

神子様の選択肢も、神子様の転移先の国の選択肢も増えるよなー。

「魔王討伐のために、異世界転移してきた神子様は、女神様の力を使える。

神子様は、この国の国民ではないから、魔王の消失対象ではない。

神子様は、魔王討伐に必須の力をお持ちだが、魔王に遭遇しないため、魔王討伐は出来ない。

魔王討伐が可能なのは、魔王の消失対象のみ。

女神様の力を持つ神子様と魔王が出現した国の民が力を合わせて、魔王を討伐する。

この国の民が、神子様が持つ女神様の力を使って、魔王を討伐する。

魔王を倒した国の民は、英雄になる。」
と公爵。

「英雄だから、公爵は、英雄公爵なのか。

国を救った英雄のわりに、公爵の待遇、悪くないか?
神子様と比べてさ。」

「神子様は、異世界から女神様のお力をお持ちになって、この国におりてこられた。」
と公爵。

「神子様は、女神様の関係者扱いになる?
神子様が持つ女神様の力は、魔王討伐後も減らないのか?」

「女神様のお力については、神子様でないと分からない。
魔王討伐後の国が、復興する前に滅ばなかったのは、魔王が現れた国に神子様が残られたから、とされている。」

神子様は、異世界転移者で、国王陛下と並ぶ地位。

神子様は、国賓というか、女神様の力を使える、この世界の最終兵器なのか。

神子様のVIP待遇の理由は、分かった。

でも、神子様が、人格者じゃなかったら、国政を左右しそうな魔王が誕生するぞ?
感想 84

あなたにおすすめの小説

異世界転移してΩになった俺(アラフォーリーマン)、庇護欲高めα騎士に身も心も溶かされる

ヨドミ
BL
もし生まれ変わったら、俺は思う存分甘やかされたい――。 アラフォーリーマン(社畜)である福沢裕介は、通勤途中、事故により異世界へ転移してしまう。 異世界ローリア王国皇太子の花嫁として召喚されたが、転移して早々、【災厄のΩ】と告げられ殺されそうになる。 【災厄のΩ】、それは複数のαを番にすることができるΩのことだった――。 αがハーレムを築くのが常識とされる異世界では、【災厄のΩ】は忌むべき存在。 負の烙印を押された裕介は、間一髪、銀髪のα騎士ジェイドに助けられ、彼の庇護のもと、騎士団施設で居候することに。 「αがΩを守るのは当然だ」とジェイドは裕介の世話を焼くようになって――。 庇護欲高め騎士(α)と甘やかされたいけどプライドが邪魔をして素直になれない中年リーマン(Ω)のすれ違いラブファンタジー。 ※Rシーンには♡マークをつけます。

氷の騎士団長様の悪妻とかイヤなので離婚しようと思います

黄金 
BL
目が覚めたら、ここは読んでたBL漫画の世界。冷静冷淡な氷の騎士団長様の妻になっていた。しかもその役は名前も出ない悪妻! だったら離婚したい! ユンネの野望は離婚、漫画の主人公を見たい、という二つの事。 お供に老侍従ソマルデを伴って、主人公がいる王宮に向かうのだった。 本編61話まで 番外編 なんか長くなってます。お付き合い下されば幸いです。 ※細目キャラが好きなので書いてます。    多くの方に読んでいただき嬉しいです。  コメント、お気に入り、しおり、イイねを沢山有難うございます。    

みなしご白虎が獣人異世界でしあわせになるまで

キザキ ケイ
BL
親を亡くしたアルビノの小さなトラは、異世界へ渡った────…… 気がつくと知らない場所にいた真っ白な子トラのタビトは、子ライオンのレグルスと出会い、彼が「獣人」であることを知る。 獣人はケモノとヒト両方の姿を持っていて、でも獣人は恐ろしい人間とは違うらしい。 故郷に帰りたいけれど、方法が分からず途方に暮れるタビトは、レグルスとふれあい、傷ついた心を癒やされながら共に成長していく。 しかし、珍しい見た目のタビトを狙うものが現れて────?

異世界転移された傾国顔が、アラ還宰相の幼妻になって溺愛されるまでの話

ふき
BL
異世界に転移したカナトは、成り行きでアラ還の宰相ヴァルターと結婚することになる。 戸惑いながら迎えた初夜。衝動のキス、触れあう体温――そして翌朝から距離が遠ざかった。 「じゃあ、なんでキスなんてしたんだよ」 これは、若さを理由に逃げようとするアラ還宰相を、青年が逃がさない話。 ヴァルター×カナト ※サブCPで一部、近親関係を想起させる描写があります。

【本編完結】異世界で政略結婚したオレ?!

カヨワイさつき
BL
美少女の中身は32歳の元オトコ。 魔法と剣、そして魔物がいる世界で 年の差12歳の政略結婚?! ある日突然目を覚ましたら前世の記憶が……。 冷酷非道と噂される王子との婚約、そして結婚。 人形のような美少女?になったオレの物語。 オレは何のために生まれたのだろうか? もう一人のとある人物は……。 2022年3月9日の夕方、本編完結 番外編追加完結。

ひ弱な竜人 ~周りより弱い身体に転生して、たまに面倒くさい事にも出会うけど家族・仲間・植物に囲まれて二度目の人生を楽しんでます~

白黒 キリン
ファンタジー
前世で重度の病人だった少年が、普人と変わらないくらい貧弱な身体に生まれた竜人族の少年ヤーウェルトとして転生する。ひたすらにマイペースに前世で諦めていたささやかな幸せを噛み締め、面倒くさい奴に絡まれたら鋼の精神力と図太い神経と植物の力を借りて圧倒し、面倒事に巻き込まれたら頼れる家族や仲間と植物の力を借りて撃破して、時に周囲を振り回しながら生きていく。 タイトルロゴは美風慶伍 様作で副題無し版です。 小説家になろうでも公開しています。 https://ncode.syosetu.com/n5715cb/ カクヨムでも公開してします。 https://kakuyomu.jp/works/1177354054887026500 ●現状あれこれ ・2021/02/21 完結 ・2020/12/16 累計1000000ポイント達成 ・2020/12/15 300話達成 ・2020/10/05 お気に入り700達成 ・2020/09/02 累計ポイント900000達成 ・2020/04/26 累計ポイント800000達成 ・2019/11/16 累計ポイント700000達成 ・2019/10/12 200話達成 ・2019/08/25 お気に入り登録者数600達成 ・2019/06/08 累計ポイント600000達成 ・2019/04/20 累計ポイント550000達成 ・2019/02/14 累計ポイント500000達成 ・2019/02/04 ブックマーク500達成

天使のような子の怪我の手当てをしたら氷の王子に懐かれました

藤吉めぐみ
BL
12/23後日談追加しました。 ================= 高校の養護教諭の世凪は、放課後の見回り中にプールに落ちてしまう。カナヅチの世凪は、そのまま溺れたと思ったが、気づくと全く知らない場所にある小さな池に座り込んでいた。 ここがどこなのか、何がどうなったのか分からない世凪に、「かあさま」と呼んで近づく小さな男の子。彼の怪我の手当てをしたら、世凪は不審者として捕まってしまう。 そんな世凪を助けてくれたのは、「氷の王子」と呼ばれるこの国の第二王子アドウェル。 冷淡で表情も変わらない人だと周りに言われたが、世凪に対するアドウェルは、穏やかで優しくて、理想の王子様でドキドキしてしまう世凪。でも王子は世凪に母親を重ねているようで…… 優しい年下王子様×異世界転移してきた前向き養護教諭の互いを知って認めていくあたたかな恋の話です。

【完結】異世界転移で落ちて来たイケメンからいきなり嫁認定された件

りゆき
BL
俺の部屋の天井から降って来た超絶美形の男。 そいつはいきなり俺の唇を奪った。 その男いわく俺は『運命の相手』なのだと。 いや、意味分からんわ!! どうやら異世界からやって来たイケメン。 元の世界に戻るには運命の相手と結ばれないといけないらしい。 そんなこと俺には関係ねー!!と、思っていたのに… 平凡サラリーマンだった俺の人生、異世界人への嫁入りに!? そんなことある!?俺は男ですが!? イケメンたちとのわちゃわちゃに巻き込まれ、愛やら嫉妬やら友情やら…平凡生活からの一転!? スパダリ超絶美形×平凡サラリーマンとの嫁入りラブコメ!! メインの二人以外に、 ・腹黒×俺様 ・ワンコ×ツンデレインテリ眼鏡 が登場予定。 ※R18シーンに印は入れていないのでお気をつけください。 ※前半は日本舞台、後半は異世界が舞台になります。 ※こちらの作品はムーンライトノベルズにも掲載中。 ※完結保証。 ※ムーンさん用に一話あたりの文字数が多いため分割して掲載。 初日のみ4話、毎日6話更新します。 本編56話×分割2話+おまけの1話、合計113話。