《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第6章 異世界で公爵の伴侶やってます。溺愛とは、何でしょうか。

121.神子様VS医者。友情は不変ですか?場合によっては、家出しませんか?

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「ぼく、医者と馴れ合うのは嫌なんだよ。
医者が、医者の妹を、ぼくの侍女に、と言い出したときから。」
と神子様。

「妹には、私も、散々、手を焼いていまして。」
と医者。

神子様に、妹を勧めた医者が、妹に関して、同情してもらうのは、無理じゃないかなー。

「それに、神子様だって、私と妹を置いてきぼりにされましたよ。」
と医者。

「置いてきぼりって、たまたま会った顔見知りに言われたら、気持ち悪いよ。」
と神子様。

「顔見知り?急にどうされたんですか?クロードの嫁さんの悪影響ですか?」
と医者。

オイ、医者!
神子様は、オレの影響なんて、微塵も受けていないぞ。

「ぼくと医者は、たまたま、同じ空間にいただけだよね。」
と神子様。

「たまたま、いえ、そんなことは。」
と医者は、ごにょごにょ。

神子様以外に、部屋には監視人がいるため、神子様の言うことを人前で否定しにくいのかな。

「クロードの友人と名乗ったらしいよね?

秘密を暴露する、と、軽々しく言う友人は、ぼくにはいらない。」
と神子様。

仲良くなったら脅してくる人は、友人じゃない、とオレは思う。

「クロードの嫁さんのせいで、そうとでも言わないと会えなかったんです。苦肉の策です。」
と医者。

「医者が会っているのは、ぼくだけど?」
と神子様。

「分かってます。クロードはいつ来ますか?」
と医者。

「脅してくる人に、わざわざ会いにくるの?」
と神子様。

「ですが、神子様は、こうして。」
と医者。

「ぼくは、医者に文句をぶちまけたら、医者を捨てにいかせるよ?」
と神子様。

「神子様は、すっかり変わられてしまった。
クロードは、気の良いやつなのに、嫁さんの尻に敷かれて、友達付き合いを止めてしまったんです。」
と医者。

オレは、クロードを尻に敷いていないと思う。

ふと、隣のクロードを見ると、クロードの視線は、オレの尻に注がれていた。

クロードとオレは、結婚式の後に、初夜を予定していたからな。

刺客に狙われながらの初夜は、スリリング過ぎる。
盛り上がったのに、全裸で走って逃げるのは、御免被りたい。
やっつけてから、甘やかしてやるよ。

「ぼくが知っているクロードは、仕事が忙しくて、友達付き合いしている暇なんか、なかったよ。

秘密を暴露する以前に、秘密を知るほどの付き合いをしていた?

あんまり、騒いでいたら、煩いから、道じゃないところに捨てるよ。」
と神子様。

「神子様はご存知ないのでしょうが、私はクロードから、公爵家の屋敷への立ち入りを許されています。」
と医者。

「許されていた?いつ?」
と神子様。

「かれこれ、四年になります。」
と医者。

「四年前は、クロードのご両親も健在で、クロードも家にいたよね。

その状態で、自由に遊びにきていい、と言われたからって、ご両親が亡くなられてからも、ずっと遊びにいっていたの?
クロードが家にいないのに?」
と神子様。

神子様、頼もしい。

「クロードと私の友情をそんな言い方しなくても。」
と医者。

医者の側の友情は、家出したんだなー。

探さないでください、と書き置きしてさ。
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