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第6章 異世界で公爵の伴侶やってます。溺愛とは、何でしょうか。
122.愛しい人。その二本の腕で、あなたは、何人守れるのでしょうか?わたしのことは、何番目に守ってくれますか?
クロードは、医者の話を聞いている。
自分の不在中の屋敷に、医者が自由に出入りしていたことを知らなかった可能性はあるなー。
クロードは、帰っていなかったんだから。
クロード不在中の屋敷で、家探しをしたか、噂話を集めたのかな、医者は。
国王陛下の秘密、というのも、似たようにして、集めた可能性はあるな。
医者がうろついた程度で集められる情報だから、情報としての価値はない。
国王陛下の秘密を握ったと考えている医者を使って、国王陛下が何をしようとしたか、が、オレは知りたい。
オレは、国王陛下の思考をよんで、先回り出来るまでに至っていない。
「私は、色々、限界でして。
妹と神子様のせいで。」
と医者。
「国王陛下は、妹と私が神子様に置いていかれたことを嘆かれました。
神子様は、公爵領にいるというから、わざわざ来ましたよ。
神子様、早く帰ってください。
神子様のいていい場所は、ここじゃないです。」
と医者。
「他所の家に入り浸る医者が言うんだ?」
と神子様。
ガタンガタン、と椅子や机がぶつかる音がした。
クロードが、風より早く動いた。
「魔法。」
と呟いて。
オレより先に部屋から飛び出したクロードは、神子様と医者のいる部屋の扉を開けた。
「クロード。やっと来た。聞いたぞー。
クロードと神子様は、本当は仲良しだったんだってなー。
好き合っていたのに、くっつかないなんて、変だ、変だ、と皆が話をしていたぞー。」
と医者は、直立不動で、ケタケタ笑っている。
神子様が、倒れている!
監視員も。
二人とも、うつ伏せで、ぴくりとも、動かない。
「神子様。」
クロードは、大股で、部屋の中に入っていく。
クロードが神子様の体に触れているのを見て。
オレも続いて、部屋の中に入った。
オレは、倒れている神子様に、急いで駆け寄った。
オレは、クロードの邪魔にならないように、神子様の近くに屈んで、神子様の首の脈をとろうと手を伸ばした。
衝撃が起こる前。
オレの視界の端に靴が見えたのを覚えている。
ボロボロに履き潰された靴。
誰の?
この部屋で、ボロボロの靴を履いていそうな人は一人しかいない。
医者が、近くにいる?
オレは、顔を上げた。
医者は、両手をぶらんとおろした状態で立っていた。
医者は、微動だにしない神子様を見て、オレを見ると、ぶらんとしていた腕を振り上げた。
え?
急に、何?
オレは、腕の動きに合わせて、目線をあげていった。
医者の袖から、キラッと光るものが見えた。
あっ。
オレは、腕が振り下ろされてくる瞬間。
動かない神子様と、神子様に何かをしているクロードを見てしまった。
オレは、逃げないといけないと分かっていた。
逃げないと、全て台無しになる。
分かっているのに、オレは動けなかった。
自分で動きたくなかった。
助けて。
オレを見て。
クロード、オレのクロード。
声にならない声で、オレは愛する人の名を呼んだ。
こんなときに、オレを選んでほしいと願うなんて、オレはどれだけ醜いんだろう。
それでも、クロードに、オレを見てほしかった。
こんな時だから。
オレだけを見てほしかった。
だって、クロードは。
クロードの腕は。
その腕で抱えているのは。
クロードの唇は。
その唇が名前を呼んで、近近付いていくのは。
「ヒサツグ!」
クロードの慌てる声がした。
自分の不在中の屋敷に、医者が自由に出入りしていたことを知らなかった可能性はあるなー。
クロードは、帰っていなかったんだから。
クロード不在中の屋敷で、家探しをしたか、噂話を集めたのかな、医者は。
国王陛下の秘密、というのも、似たようにして、集めた可能性はあるな。
医者がうろついた程度で集められる情報だから、情報としての価値はない。
国王陛下の秘密を握ったと考えている医者を使って、国王陛下が何をしようとしたか、が、オレは知りたい。
オレは、国王陛下の思考をよんで、先回り出来るまでに至っていない。
「私は、色々、限界でして。
妹と神子様のせいで。」
と医者。
「国王陛下は、妹と私が神子様に置いていかれたことを嘆かれました。
神子様は、公爵領にいるというから、わざわざ来ましたよ。
神子様、早く帰ってください。
神子様のいていい場所は、ここじゃないです。」
と医者。
「他所の家に入り浸る医者が言うんだ?」
と神子様。
ガタンガタン、と椅子や机がぶつかる音がした。
クロードが、風より早く動いた。
「魔法。」
と呟いて。
オレより先に部屋から飛び出したクロードは、神子様と医者のいる部屋の扉を開けた。
「クロード。やっと来た。聞いたぞー。
クロードと神子様は、本当は仲良しだったんだってなー。
好き合っていたのに、くっつかないなんて、変だ、変だ、と皆が話をしていたぞー。」
と医者は、直立不動で、ケタケタ笑っている。
神子様が、倒れている!
監視員も。
二人とも、うつ伏せで、ぴくりとも、動かない。
「神子様。」
クロードは、大股で、部屋の中に入っていく。
クロードが神子様の体に触れているのを見て。
オレも続いて、部屋の中に入った。
オレは、倒れている神子様に、急いで駆け寄った。
オレは、クロードの邪魔にならないように、神子様の近くに屈んで、神子様の首の脈をとろうと手を伸ばした。
衝撃が起こる前。
オレの視界の端に靴が見えたのを覚えている。
ボロボロに履き潰された靴。
誰の?
この部屋で、ボロボロの靴を履いていそうな人は一人しかいない。
医者が、近くにいる?
オレは、顔を上げた。
医者は、両手をぶらんとおろした状態で立っていた。
医者は、微動だにしない神子様を見て、オレを見ると、ぶらんとしていた腕を振り上げた。
え?
急に、何?
オレは、腕の動きに合わせて、目線をあげていった。
医者の袖から、キラッと光るものが見えた。
あっ。
オレは、腕が振り下ろされてくる瞬間。
動かない神子様と、神子様に何かをしているクロードを見てしまった。
オレは、逃げないといけないと分かっていた。
逃げないと、全て台無しになる。
分かっているのに、オレは動けなかった。
自分で動きたくなかった。
助けて。
オレを見て。
クロード、オレのクロード。
声にならない声で、オレは愛する人の名を呼んだ。
こんなときに、オレを選んでほしいと願うなんて、オレはどれだけ醜いんだろう。
それでも、クロードに、オレを見てほしかった。
こんな時だから。
オレだけを見てほしかった。
だって、クロードは。
クロードの腕は。
その腕で抱えているのは。
クロードの唇は。
その唇が名前を呼んで、近近付いていくのは。
「ヒサツグ!」
クロードの慌てる声がした。
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