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第7章 オレは、英雄公爵と並んで歩いています。始まりは、一人と一人でしたね。道なき道を切り拓きます。
188.女神様に異世界転移されてきたのが、オレじゃなかったら、オレじゃない誰かのことを、オレと同じ様に愛しましたか?それがオレじゃなくても。
オレは、神子様に提案を打ち明けた。
オレと神子様は、熱心に意見を交わした。
オレは、やっと胸のつかえがとれた。
神子様にも、オレの心の奥底は明かしていない。
オレが神子様に話す内容じゃないから。
というより、誰にも話せない。
こちらの住人には。
オレは、クロードがオレを選んだことは、周りを見回して、オレしかいなかったから、と理解している。
女神様が、オレを選んで、異世界転移させたことに関しては、未だに納得できない。
誰でも良かったのなら、オレでなくても良かったよな?
オレじゃなかったなら。
最初から喜んで、来てくれる人もいたと思う。
神子様は、オレが異世界に来たくなかった、と言うと、異世界に行きたくないと考える人がいるなんて信じられないと言っていたから、需要はあったはず。
オレじゃなかったら、オレとクロードは出会わなかったが、オレはこちらで苦労することはなかった。
今も日本にいて、異世界なんて知らないまま、楽しく暮らしていたはず。
クロードと出会えて良かったとは思うけれど、結果論だ。
結果論で、全てを水に流せるほど、オレは呑気でも、寛大でもない。
クロードと出会ってしまったオレは、クロードを知らない人生には戻れない。
でも、クロードとこちらで生きるだけじゃなく、いつかは帰るという選択肢が無くなっていなかったら?
オレは、クロードとこちらにいる決心をしたかな?
突き詰めていくと。
なんで、女神様は、オレを異世界転移させたんだ。
頼んでいないのに。
勝手に異世界転移させたなら、勝手に帰ってもいいよな?
オレは、来たくて来たわけじゃないんだから。
という思いが胸に渦巻く。
それに。
最初に戻ってしまうけれど。
こちらに来たのが、オレじゃなくても、オレと同じ条件が揃っている人だったら?
オレじゃなくて、さ。
クロードは、その人を好きになって、オレと同じように家に連れて帰るんだろうか?
オレと同じように、その人を愛するんだろうか?
オレ以上に愛するかもしれない。
オレと条件が変わらないなら、クロードは、オレでなくても、良かったんじゃないかな。
オレは、その疑問と不安を解消することができないでいた。
体を繋げた日からずっと。
クロードといると幸せだと思う一方で、不安になる。
この幸せは、いつまで続く?
こちらに、クロード以外に頼れる人がいないオレには、シビアな問題だ。
こちらにいるオレは、クロードの伴侶であるオレしかない。
日本にいたときは、息子のオレ、従兄弟のオレ、部下のオレ、先輩のオレ、友達のオレ、隣人のオレ、色んな顔を持っていた。
その時々で、場面に応じて、楽しく使い分けながら、色んな集団に属することが出来た。
こちらでのオレは、クロードの伴侶であるだけ。
クロードが、もし、オレと仲違いしたり、オレ以外に気になる人が出来たら?
オレは?
オレは、どうなる?
オレは、どうしたら?
オレに行くところは、あるのか?
帰るところはないのに?
オレは、大海原に彷徨う小舟みたいに、来るかどうかも分からない大嵐を恐れている。
滑稽かもしれない。
でも。
寄る辺をなくすことが怖い。
神子様のように、新天地を求めて、見ず知らずの土地に飛び込むのも辞さない度胸が、オレにはない。
オレは、日常で冒険をしたいとは思わない。
日常に不満があっても、別の場所で発散して、日常に戻る。
オレの29年の人生は、ずっと、それで、問題なく回ってきた。
こちらに来たせいで、日本で築き上げてきた安定が、足元から無くなった。
オレには、クロードしかいない。
オレは、いつか、クロードにすがりつくようにならないだろうか?
クロードが惚れたオレではいられなくなる日が、いつか来るんじゃないだろうか?
今のオレは、クロードにとって、頼りになる年上の男性だ。
でも、それは、今だから。
クロードが24歳で、オレが29歳だから。
オレの方が、年齢の分、人生経験を積んできた。
それだけ。
クロードの年齢が上がるごとに、クロードの経験値も上がる。
オレは、いつまで、クロードを頼らせて、手を引いて歩ける?
今年はいい。
来年もまだ、大丈夫だろう。
でも。
その先は?
オレは、クロードを幻滅させずにいられるだろうか?
オレと神子様は、熱心に意見を交わした。
オレは、やっと胸のつかえがとれた。
神子様にも、オレの心の奥底は明かしていない。
オレが神子様に話す内容じゃないから。
というより、誰にも話せない。
こちらの住人には。
オレは、クロードがオレを選んだことは、周りを見回して、オレしかいなかったから、と理解している。
女神様が、オレを選んで、異世界転移させたことに関しては、未だに納得できない。
誰でも良かったのなら、オレでなくても良かったよな?
オレじゃなかったなら。
最初から喜んで、来てくれる人もいたと思う。
神子様は、オレが異世界に来たくなかった、と言うと、異世界に行きたくないと考える人がいるなんて信じられないと言っていたから、需要はあったはず。
オレじゃなかったら、オレとクロードは出会わなかったが、オレはこちらで苦労することはなかった。
今も日本にいて、異世界なんて知らないまま、楽しく暮らしていたはず。
クロードと出会えて良かったとは思うけれど、結果論だ。
結果論で、全てを水に流せるほど、オレは呑気でも、寛大でもない。
クロードと出会ってしまったオレは、クロードを知らない人生には戻れない。
でも、クロードとこちらで生きるだけじゃなく、いつかは帰るという選択肢が無くなっていなかったら?
オレは、クロードとこちらにいる決心をしたかな?
突き詰めていくと。
なんで、女神様は、オレを異世界転移させたんだ。
頼んでいないのに。
勝手に異世界転移させたなら、勝手に帰ってもいいよな?
オレは、来たくて来たわけじゃないんだから。
という思いが胸に渦巻く。
それに。
最初に戻ってしまうけれど。
こちらに来たのが、オレじゃなくても、オレと同じ条件が揃っている人だったら?
オレじゃなくて、さ。
クロードは、その人を好きになって、オレと同じように家に連れて帰るんだろうか?
オレと同じように、その人を愛するんだろうか?
オレ以上に愛するかもしれない。
オレと条件が変わらないなら、クロードは、オレでなくても、良かったんじゃないかな。
オレは、その疑問と不安を解消することができないでいた。
体を繋げた日からずっと。
クロードといると幸せだと思う一方で、不安になる。
この幸せは、いつまで続く?
こちらに、クロード以外に頼れる人がいないオレには、シビアな問題だ。
こちらにいるオレは、クロードの伴侶であるオレしかない。
日本にいたときは、息子のオレ、従兄弟のオレ、部下のオレ、先輩のオレ、友達のオレ、隣人のオレ、色んな顔を持っていた。
その時々で、場面に応じて、楽しく使い分けながら、色んな集団に属することが出来た。
こちらでのオレは、クロードの伴侶であるだけ。
クロードが、もし、オレと仲違いしたり、オレ以外に気になる人が出来たら?
オレは?
オレは、どうなる?
オレは、どうしたら?
オレに行くところは、あるのか?
帰るところはないのに?
オレは、大海原に彷徨う小舟みたいに、来るかどうかも分からない大嵐を恐れている。
滑稽かもしれない。
でも。
寄る辺をなくすことが怖い。
神子様のように、新天地を求めて、見ず知らずの土地に飛び込むのも辞さない度胸が、オレにはない。
オレは、日常で冒険をしたいとは思わない。
日常に不満があっても、別の場所で発散して、日常に戻る。
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こちらに来たせいで、日本で築き上げてきた安定が、足元から無くなった。
オレには、クロードしかいない。
オレは、いつか、クロードにすがりつくようにならないだろうか?
クロードが惚れたオレではいられなくなる日が、いつか来るんじゃないだろうか?
今のオレは、クロードにとって、頼りになる年上の男性だ。
でも、それは、今だから。
クロードが24歳で、オレが29歳だから。
オレの方が、年齢の分、人生経験を積んできた。
それだけ。
クロードの年齢が上がるごとに、クロードの経験値も上がる。
オレは、いつまで、クロードを頼らせて、手を引いて歩ける?
今年はいい。
来年もまだ、大丈夫だろう。
でも。
その先は?
オレは、クロードを幻滅させずにいられるだろうか?
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