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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
266.ミーレ長官の母親、マウンテン王国の先々代の女王陛下は、いつからいつまで、女神様の力を使える状態でしたか?もしかして、最初から?
「女王陛下は、命の危険にさらされたときには、既に、女神様の力を使えなくなっていた?
女王ではなく、只人になっていた、というのか?
前国王陛下は、女王陛下が亡くなってから、即位した、わけではなかったのか?
前国王陛下が、即位したのは、女王陛下が存命中、女王陛下が命を落とす前だったとすれば。
そのとき、私は、王太子として、マウンテン王国内にいたはずだ。
いつだ?
私に気づかせずに、どうやって。」
とミーレ長官。
ミーレ長官は、愕然としている。
ミーレ長官の言葉遣いは、オレに話しかけるときの丁寧なものではなくなっていた。
動揺のあまり、元々の口調に戻ったんだと思う。
ミーレ長官の奥様も、ミーレ長官の発言に衝撃を受けている。
ミーレ長官のように、取り乱さないのは、ミーレ長官を支えているのは、伴侶の自分、という気概が、奥様の芯にあるからかな。
女神様の力を使えば、女王陛下が客死する事態は免れたはず。
女王陛下は、客死するに至る場面で、女神様の力を使えなかったのでは?
というオレの指摘は、女王陛下が、何らかの瑕疵により、女神様から力を取り上げられた、という方向に想像をふくらませてしまいそうになる。
でも。
オレは、別の可能性を指摘したい。
「ミーレ長官だけじゃなく、女王陛下自身も、その可能性に、気づいていなかったかもしれない。
女王陛下が、女神様とお会いしたことは、実際のところ、あったのかな?」
「女王陛下が、女神様とお会いしたことがない?
それは、ありません。
即位するときに、女神様とお会いしています。」
とミーレ長官。
ミーレ長官の口調が、戻った。
「女王陛下は、ミーレ長官に言葉を濁していたようだけど。
女神様が、女王陛下の呼びかけに、一度も応じなかった可能性は?」
ミーレ長官の顔には、楽しくない質問だ、と書いてある。
「分かりません。なぜですか?女王陛下は、正統な王位継承者でした。」
とミーレ長官。
そこは、人と女神様の違い、なんだよ、ミーレ長官。
「ミーレ長官。
人は、後継者を決めるとき、正統性を判断の基準にする。
残念ながら、女神様は、正統性を重視していないと思う。」
女神様は、英雄による下剋上を認めているからなー。
神子に選ばれた英雄が、いくら由緒正しい血筋でも、王家の血筋じゃないなら、王位継承権は、ない。
王位継承権がない英雄が、王を弑して、王位についても、女神様は、英雄国王として認めている。
女神様の価値観は、人と同じじゃないんだよ、ミーレ長官。
「何を言っているんですか?この世界を司る女神様に。」
とミーレ長官。
ミーレ長官の奥様は、ミーレ長官を心配そうに見ている。
オレとクロードがいる手前、奥様は、ミーレ長官を慰めるのを控えている。
ミーレ長官自身で、落ち着きを取り戻すのを、辛抱強く待っている。
ミーレ長官は、ショックのあまり、感情がポロポロ溢れている。
「ミーレ長官。
女王陛下が、即位するために女神様と会っていたならさ、確認したいんだけど。
その場に、前国王陛下は?」
「前国王陛下が、どうしました?」
と怪訝そうにするミーレ長官。
「女王陛下が、女神様と会うタイミングは、前国王陛下が必ず同席していた、ということはないかな?」
ミーレ長官は、逡巡して、声を荒げた。
「女神様が、マウンテン王国の王に相応しいと選んだのは、前国王陛下で、女王陛下ではない、と言っているのですか?
女神様が、女王陛下の呼びかけに応えなかったのも。
女王陛下が女神様の力を授からなかったのも。
女王陛下がマウンテン王国の王に相応しくない、という女神様の意思だと!」
クロードが、ムッとしている。
ミーレ長官の台詞は、オレに対する非難に聞こえるからなー。
おさえろ、クロード。
オレは、クロードの手の甲を撫でる。
ミーレ長官には、溜め込んできたものを吐き出してもらわないと。
ミーレ長官には、すっきりと頭を切り替えて、オレとクロードを支えてもらう予定を組んでいるんだ、オレは。
「ミーレ長官が、統治者の資質に女神様が関心を持っていると思い込んでいるのは、女神様に呼びかけても応えてもらえなかった女王陛下の口惜しさを慮っているからかな?」
女王ではなく、只人になっていた、というのか?
前国王陛下は、女王陛下が亡くなってから、即位した、わけではなかったのか?
前国王陛下が、即位したのは、女王陛下が存命中、女王陛下が命を落とす前だったとすれば。
そのとき、私は、王太子として、マウンテン王国内にいたはずだ。
いつだ?
私に気づかせずに、どうやって。」
とミーレ長官。
ミーレ長官は、愕然としている。
ミーレ長官の言葉遣いは、オレに話しかけるときの丁寧なものではなくなっていた。
動揺のあまり、元々の口調に戻ったんだと思う。
ミーレ長官の奥様も、ミーレ長官の発言に衝撃を受けている。
ミーレ長官のように、取り乱さないのは、ミーレ長官を支えているのは、伴侶の自分、という気概が、奥様の芯にあるからかな。
女神様の力を使えば、女王陛下が客死する事態は免れたはず。
女王陛下は、客死するに至る場面で、女神様の力を使えなかったのでは?
というオレの指摘は、女王陛下が、何らかの瑕疵により、女神様から力を取り上げられた、という方向に想像をふくらませてしまいそうになる。
でも。
オレは、別の可能性を指摘したい。
「ミーレ長官だけじゃなく、女王陛下自身も、その可能性に、気づいていなかったかもしれない。
女王陛下が、女神様とお会いしたことは、実際のところ、あったのかな?」
「女王陛下が、女神様とお会いしたことがない?
それは、ありません。
即位するときに、女神様とお会いしています。」
とミーレ長官。
ミーレ長官の口調が、戻った。
「女王陛下は、ミーレ長官に言葉を濁していたようだけど。
女神様が、女王陛下の呼びかけに、一度も応じなかった可能性は?」
ミーレ長官の顔には、楽しくない質問だ、と書いてある。
「分かりません。なぜですか?女王陛下は、正統な王位継承者でした。」
とミーレ長官。
そこは、人と女神様の違い、なんだよ、ミーレ長官。
「ミーレ長官。
人は、後継者を決めるとき、正統性を判断の基準にする。
残念ながら、女神様は、正統性を重視していないと思う。」
女神様は、英雄による下剋上を認めているからなー。
神子に選ばれた英雄が、いくら由緒正しい血筋でも、王家の血筋じゃないなら、王位継承権は、ない。
王位継承権がない英雄が、王を弑して、王位についても、女神様は、英雄国王として認めている。
女神様の価値観は、人と同じじゃないんだよ、ミーレ長官。
「何を言っているんですか?この世界を司る女神様に。」
とミーレ長官。
ミーレ長官の奥様は、ミーレ長官を心配そうに見ている。
オレとクロードがいる手前、奥様は、ミーレ長官を慰めるのを控えている。
ミーレ長官自身で、落ち着きを取り戻すのを、辛抱強く待っている。
ミーレ長官は、ショックのあまり、感情がポロポロ溢れている。
「ミーレ長官。
女王陛下が、即位するために女神様と会っていたならさ、確認したいんだけど。
その場に、前国王陛下は?」
「前国王陛下が、どうしました?」
と怪訝そうにするミーレ長官。
「女王陛下が、女神様と会うタイミングは、前国王陛下が必ず同席していた、ということはないかな?」
ミーレ長官は、逡巡して、声を荒げた。
「女神様が、マウンテン王国の王に相応しいと選んだのは、前国王陛下で、女王陛下ではない、と言っているのですか?
女神様が、女王陛下の呼びかけに応えなかったのも。
女王陛下が女神様の力を授からなかったのも。
女王陛下がマウンテン王国の王に相応しくない、という女神様の意思だと!」
クロードが、ムッとしている。
ミーレ長官の台詞は、オレに対する非難に聞こえるからなー。
おさえろ、クロード。
オレは、クロードの手の甲を撫でる。
ミーレ長官には、溜め込んできたものを吐き出してもらわないと。
ミーレ長官には、すっきりと頭を切り替えて、オレとクロードを支えてもらう予定を組んでいるんだ、オレは。
「ミーレ長官が、統治者の資質に女神様が関心を持っていると思い込んでいるのは、女神様に呼びかけても応えてもらえなかった女王陛下の口惜しさを慮っているからかな?」
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