《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

文字の大きさ
269 / 673
第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

269.ミーレ長官の奥様は言いました。『前国王陛下の即位後の前王妃陛下にお会いしましたら、私のことを羨ましい、とおっしゃったのです。』

妻が生きているのに、後妻の話を持ちかけてくる夫?

都合が悪い妻は、消す予定なんだ、と暗に言っているよな。

そんな夫の後妻に指名されても、嬉しくないよなー?

「私は、前王妃陛下がお亡くなりになる前に、お会いしました。
前王妃陛下は、私を『羨ましい』とおっしゃっていました。」
とミーレ長官の奥様。

「羨ましい、だと。」
ミーレ長官は、歯ぎしりしそうになっている。

「『女王陛下に代替わりしてから、夫が突然、宙を見て話しだすようになったの。

毎回、心配して、何度も、お止めしたり、気をそらすようにしたわ。

その都度。
夫は、不機嫌になって、妻子を追い払い、宙に向かって話を続けるのよ。

何度も、お止めしているうちに、私は夫に疎まれてしまったわ。

夫は、私が近くにいると、あからさまに、機嫌が悪くなるのよ。

結婚してもずっと仲良く過ごしてきたのに。

夫が、病を得たのかと、相談しても、誰も私に答えをくれないのよ。

私が夫の相談すると、全員、何も問題は、ございません、と答えるの。

問題が起きているから、妻が案じているのに、誰も親身になって、相談にのろうとしなかったわ。

女王陛下の弟で、国主じゃないから、適当にあしらわれているのだと、思った私は、女王陛下にもお願いに言ったのよ。

それでも、何も変わらない。
夫は、私を避けるようになっていた。

国王陛下に即位する頃。
私の見える場所で、夫が、宙を見て話を始めたから、国主のおかしな姿を人目にさらしては、と、人を遠ざけるように命じたわ。

誰も従わない。

夫は、延々、宙を見て、話をしている。

私は、疎まれているのは承知の上で、夫を止めにいったの。

そのとき。

女神様との逢瀬を邪魔するな、と一喝されて、夫の話し相手が女神様だったと初めて知った。

一喝後、夫は、二度と私を見なくなったわ。

もっと早くに知らせて欲しかったわ。

私の、今までの心労はなんだったのか。

私は、あなたが羨ましい。

夫が、国主にならないあなたは、私みたいに苦しむこともなく、夫婦仲を悪くすることもない。』
とおっしゃっていました。

私は、前王妃陛下のお気持ちが分かります。」
とミーレ長官の奥様。

「前王妃陛下は、覚悟のないままに、王妃陛下になられたのだ。」
というミーレ長官。

ミーレ長官の奥様は、ミーレ長官を優しく見つめた。

「私は、王家の外から嫁いできた身。

女神様について、詳しく聞いたのは、このときが、初めてでした。

王家で代々伝えられていても、王家の血を引いていない妃には伝えられない情報なのかと考えましたが。

それですと、前国王陛下が私を指名された理由に当てはまりません。

おそらく、前国王陛下の把握していた情報では、王太子妃教育に盛り込まれていたのではないか、と推測しました。」
とミーレ長官の奥様。

「ミーレ長官の奥様には、その教育が省かれた?」

「そうなります。そして、王太子妃教育の内容を変更出来る方は、お一人だけです。」
とミーレ長官の奥様。

「女王陛下だな?」

「何のためにだ!」
というミーレ長官の叫びが、オレの声に被った。

「女王陛下が即位されたときから、前国王陛下は、女神様と会っていて、前国王陛下は、女神様と会っている事実を女王陛下にも、妻にも話していなかった。

前王妃陛下が相談した先は、国王陛下の話し相手が女神様ということを知っていて、前王妃陛下に教えなかった。

前王妃陛下と女王陛下は、仲が良かった?」

「険悪では、ありませんでした。
良く話をされていた、と思います。
女王陛下は、リーダーシップをとるタイプで、前王妃陛下は、支えたいタイプでした。」
とミーレ長官の奥様。

「前王妃陛下から、女王陛下に、女神様について伝わらないようにするため、かん口令をしいたのかな。

前国王陛下は、女王陛下が女神様と会っていないと、身をもって知っているけれど、自身と女神様との逢瀬は報告しない。

女神様に会っていない女王陛下は、女神様の在り方について、懐疑的になっていっていないかな?

王太子妃教育から、女神様についての話を省いた理由としては、十分、考えられるけれど。

女王陛下が、どんなに呼びかけても、困っていても、女神様は応えない。
女神様の有難みを眉唾ものと考えるようになっても、おかしくはないよな。」

オレと、ミーレ長官の奥様は、うーんと考えている。

「女神様の恩恵を眉唾もののように!」
ミーレ長官は、目をむいている。

黙っていたクロードが、口を開いた。
「前国王陛下が即位されそうな状況で、女王陛下が即位された理由は、何か?」
感想 84

あなたにおすすめの小説

異世界転移してΩになった俺(アラフォーリーマン)、庇護欲高めα騎士に身も心も溶かされる

ヨドミ
BL
もし生まれ変わったら、俺は思う存分甘やかされたい――。 アラフォーリーマン(社畜)である福沢裕介は、通勤途中、事故により異世界へ転移してしまう。 異世界ローリア王国皇太子の花嫁として召喚されたが、転移して早々、【災厄のΩ】と告げられ殺されそうになる。 【災厄のΩ】、それは複数のαを番にすることができるΩのことだった――。 αがハーレムを築くのが常識とされる異世界では、【災厄のΩ】は忌むべき存在。 負の烙印を押された裕介は、間一髪、銀髪のα騎士ジェイドに助けられ、彼の庇護のもと、騎士団施設で居候することに。 「αがΩを守るのは当然だ」とジェイドは裕介の世話を焼くようになって――。 庇護欲高め騎士(α)と甘やかされたいけどプライドが邪魔をして素直になれない中年リーマン(Ω)のすれ違いラブファンタジー。 ※Rシーンには♡マークをつけます。

氷の騎士団長様の悪妻とかイヤなので離婚しようと思います

黄金 
BL
目が覚めたら、ここは読んでたBL漫画の世界。冷静冷淡な氷の騎士団長様の妻になっていた。しかもその役は名前も出ない悪妻! だったら離婚したい! ユンネの野望は離婚、漫画の主人公を見たい、という二つの事。 お供に老侍従ソマルデを伴って、主人公がいる王宮に向かうのだった。 本編61話まで 番外編 なんか長くなってます。お付き合い下されば幸いです。 ※細目キャラが好きなので書いてます。    多くの方に読んでいただき嬉しいです。  コメント、お気に入り、しおり、イイねを沢山有難うございます。    

みなしご白虎が獣人異世界でしあわせになるまで

キザキ ケイ
BL
親を亡くしたアルビノの小さなトラは、異世界へ渡った────…… 気がつくと知らない場所にいた真っ白な子トラのタビトは、子ライオンのレグルスと出会い、彼が「獣人」であることを知る。 獣人はケモノとヒト両方の姿を持っていて、でも獣人は恐ろしい人間とは違うらしい。 故郷に帰りたいけれど、方法が分からず途方に暮れるタビトは、レグルスとふれあい、傷ついた心を癒やされながら共に成長していく。 しかし、珍しい見た目のタビトを狙うものが現れて────?

異世界転移された傾国顔が、アラ還宰相の幼妻になって溺愛されるまでの話

ふき
BL
異世界に転移したカナトは、成り行きでアラ還の宰相ヴァルターと結婚することになる。 戸惑いながら迎えた初夜。衝動のキス、触れあう体温――そして翌朝から距離が遠ざかった。 「じゃあ、なんでキスなんてしたんだよ」 これは、若さを理由に逃げようとするアラ還宰相を、青年が逃がさない話。 ヴァルター×カナト ※サブCPで一部、近親関係を想起させる描写があります。

【本編完結】異世界で政略結婚したオレ?!

カヨワイさつき
BL
美少女の中身は32歳の元オトコ。 魔法と剣、そして魔物がいる世界で 年の差12歳の政略結婚?! ある日突然目を覚ましたら前世の記憶が……。 冷酷非道と噂される王子との婚約、そして結婚。 人形のような美少女?になったオレの物語。 オレは何のために生まれたのだろうか? もう一人のとある人物は……。 2022年3月9日の夕方、本編完結 番外編追加完結。

ひ弱な竜人 ~周りより弱い身体に転生して、たまに面倒くさい事にも出会うけど家族・仲間・植物に囲まれて二度目の人生を楽しんでます~

白黒 キリン
ファンタジー
前世で重度の病人だった少年が、普人と変わらないくらい貧弱な身体に生まれた竜人族の少年ヤーウェルトとして転生する。ひたすらにマイペースに前世で諦めていたささやかな幸せを噛み締め、面倒くさい奴に絡まれたら鋼の精神力と図太い神経と植物の力を借りて圧倒し、面倒事に巻き込まれたら頼れる家族や仲間と植物の力を借りて撃破して、時に周囲を振り回しながら生きていく。 タイトルロゴは美風慶伍 様作で副題無し版です。 小説家になろうでも公開しています。 https://ncode.syosetu.com/n5715cb/ カクヨムでも公開してします。 https://kakuyomu.jp/works/1177354054887026500 ●現状あれこれ ・2021/02/21 完結 ・2020/12/16 累計1000000ポイント達成 ・2020/12/15 300話達成 ・2020/10/05 お気に入り700達成 ・2020/09/02 累計ポイント900000達成 ・2020/04/26 累計ポイント800000達成 ・2019/11/16 累計ポイント700000達成 ・2019/10/12 200話達成 ・2019/08/25 お気に入り登録者数600達成 ・2019/06/08 累計ポイント600000達成 ・2019/04/20 累計ポイント550000達成 ・2019/02/14 累計ポイント500000達成 ・2019/02/04 ブックマーク500達成

【完結】異世界転移で落ちて来たイケメンからいきなり嫁認定された件

りゆき
BL
俺の部屋の天井から降って来た超絶美形の男。 そいつはいきなり俺の唇を奪った。 その男いわく俺は『運命の相手』なのだと。 いや、意味分からんわ!! どうやら異世界からやって来たイケメン。 元の世界に戻るには運命の相手と結ばれないといけないらしい。 そんなこと俺には関係ねー!!と、思っていたのに… 平凡サラリーマンだった俺の人生、異世界人への嫁入りに!? そんなことある!?俺は男ですが!? イケメンたちとのわちゃわちゃに巻き込まれ、愛やら嫉妬やら友情やら…平凡生活からの一転!? スパダリ超絶美形×平凡サラリーマンとの嫁入りラブコメ!! メインの二人以外に、 ・腹黒×俺様 ・ワンコ×ツンデレインテリ眼鏡 が登場予定。 ※R18シーンに印は入れていないのでお気をつけください。 ※前半は日本舞台、後半は異世界が舞台になります。 ※こちらの作品はムーンライトノベルズにも掲載中。 ※完結保証。 ※ムーンさん用に一話あたりの文字数が多いため分割して掲載。 初日のみ4話、毎日6話更新します。 本編56話×分割2話+おまけの1話、合計113話。

令嬢に転生したと思ったけどちょっと違った

しそみょうが
BL
前世男子大学生だったが今世では公爵令嬢に転生したアシュリー8歳は、王城の廊下で4歳年下の第2王子イーライに一目惚れされて婚約者になる。なんやかんやで両想いだった2人だが、イーライの留学中にアシュリーに成長期が訪れ立派な青年に成長してしまう。アシュリーが転生したのは女性ではなくカントボーイだったのだ。泣く泣く婚約者を辞するアシュリーは名前を変えて王城の近衛騎士となる。婚約者にフラれて隣国でグレたと噂の殿下が5年ぶりに帰国してーー? という、婚約者大好き年下王子☓元令嬢のカントボーイ騎士のお話です。前半3話目までは子ども時代で、成長した後半にR18がちょこっとあります♡  短編コメディです