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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
269.ミーレ長官の奥様は言いました。『前国王陛下の即位後の前王妃陛下にお会いしましたら、私のことを羨ましい、とおっしゃったのです。』
妻が生きているのに、後妻の話を持ちかけてくる夫?
都合が悪い妻は、消す予定なんだ、と暗に言っているよな。
そんな夫の後妻に指名されても、嬉しくないよなー?
「私は、前王妃陛下がお亡くなりになる前に、お会いしました。
前王妃陛下は、私を『羨ましい』とおっしゃっていました。」
とミーレ長官の奥様。
「羨ましい、だと。」
ミーレ長官は、歯ぎしりしそうになっている。
「『女王陛下に代替わりしてから、夫が突然、宙を見て話しだすようになったの。
毎回、心配して、何度も、お止めしたり、気をそらすようにしたわ。
その都度。
夫は、不機嫌になって、妻子を追い払い、宙に向かって話を続けるのよ。
何度も、お止めしているうちに、私は夫に疎まれてしまったわ。
夫は、私が近くにいると、あからさまに、機嫌が悪くなるのよ。
結婚してもずっと仲良く過ごしてきたのに。
夫が、病を得たのかと、相談しても、誰も私に答えをくれないのよ。
私が夫の相談すると、全員、何も問題は、ございません、と答えるの。
問題が起きているから、妻が案じているのに、誰も親身になって、相談にのろうとしなかったわ。
女王陛下の弟で、国主じゃないから、適当にあしらわれているのだと、思った私は、女王陛下にもお願いに言ったのよ。
それでも、何も変わらない。
夫は、私を避けるようになっていた。
国王陛下に即位する頃。
私の見える場所で、夫が、宙を見て話を始めたから、国主のおかしな姿を人目にさらしては、と、人を遠ざけるように命じたわ。
誰も従わない。
夫は、延々、宙を見て、話をしている。
私は、疎まれているのは承知の上で、夫を止めにいったの。
そのとき。
女神様との逢瀬を邪魔するな、と一喝されて、夫の話し相手が女神様だったと初めて知った。
一喝後、夫は、二度と私を見なくなったわ。
もっと早くに知らせて欲しかったわ。
私の、今までの心労はなんだったのか。
私は、あなたが羨ましい。
夫が、国主にならないあなたは、私みたいに苦しむこともなく、夫婦仲を悪くすることもない。』
とおっしゃっていました。
私は、前王妃陛下のお気持ちが分かります。」
とミーレ長官の奥様。
「前王妃陛下は、覚悟のないままに、王妃陛下になられたのだ。」
というミーレ長官。
ミーレ長官の奥様は、ミーレ長官を優しく見つめた。
「私は、王家の外から嫁いできた身。
女神様について、詳しく聞いたのは、このときが、初めてでした。
王家で代々伝えられていても、王家の血を引いていない妃には伝えられない情報なのかと考えましたが。
それですと、前国王陛下が私を指名された理由に当てはまりません。
おそらく、前国王陛下の把握していた情報では、王太子妃教育に盛り込まれていたのではないか、と推測しました。」
とミーレ長官の奥様。
「ミーレ長官の奥様には、その教育が省かれた?」
「そうなります。そして、王太子妃教育の内容を変更出来る方は、お一人だけです。」
とミーレ長官の奥様。
「女王陛下だな?」
「何のためにだ!」
というミーレ長官の叫びが、オレの声に被った。
「女王陛下が即位されたときから、前国王陛下は、女神様と会っていて、前国王陛下は、女神様と会っている事実を女王陛下にも、妻にも話していなかった。
前王妃陛下が相談した先は、国王陛下の話し相手が女神様ということを知っていて、前王妃陛下に教えなかった。
前王妃陛下と女王陛下は、仲が良かった?」
「険悪では、ありませんでした。
良く話をされていた、と思います。
女王陛下は、リーダーシップをとるタイプで、前王妃陛下は、支えたいタイプでした。」
とミーレ長官の奥様。
「前王妃陛下から、女王陛下に、女神様について伝わらないようにするため、かん口令をしいたのかな。
前国王陛下は、女王陛下が女神様と会っていないと、身をもって知っているけれど、自身と女神様との逢瀬は報告しない。
女神様に会っていない女王陛下は、女神様の在り方について、懐疑的になっていっていないかな?
王太子妃教育から、女神様についての話を省いた理由としては、十分、考えられるけれど。
女王陛下が、どんなに呼びかけても、困っていても、女神様は応えない。
女神様の有難みを眉唾ものと考えるようになっても、おかしくはないよな。」
オレと、ミーレ長官の奥様は、うーんと考えている。
「女神様の恩恵を眉唾もののように!」
ミーレ長官は、目をむいている。
黙っていたクロードが、口を開いた。
「前国王陛下が即位されそうな状況で、女王陛下が即位された理由は、何か?」
都合が悪い妻は、消す予定なんだ、と暗に言っているよな。
そんな夫の後妻に指名されても、嬉しくないよなー?
「私は、前王妃陛下がお亡くなりになる前に、お会いしました。
前王妃陛下は、私を『羨ましい』とおっしゃっていました。」
とミーレ長官の奥様。
「羨ましい、だと。」
ミーレ長官は、歯ぎしりしそうになっている。
「『女王陛下に代替わりしてから、夫が突然、宙を見て話しだすようになったの。
毎回、心配して、何度も、お止めしたり、気をそらすようにしたわ。
その都度。
夫は、不機嫌になって、妻子を追い払い、宙に向かって話を続けるのよ。
何度も、お止めしているうちに、私は夫に疎まれてしまったわ。
夫は、私が近くにいると、あからさまに、機嫌が悪くなるのよ。
結婚してもずっと仲良く過ごしてきたのに。
夫が、病を得たのかと、相談しても、誰も私に答えをくれないのよ。
私が夫の相談すると、全員、何も問題は、ございません、と答えるの。
問題が起きているから、妻が案じているのに、誰も親身になって、相談にのろうとしなかったわ。
女王陛下の弟で、国主じゃないから、適当にあしらわれているのだと、思った私は、女王陛下にもお願いに言ったのよ。
それでも、何も変わらない。
夫は、私を避けるようになっていた。
国王陛下に即位する頃。
私の見える場所で、夫が、宙を見て話を始めたから、国主のおかしな姿を人目にさらしては、と、人を遠ざけるように命じたわ。
誰も従わない。
夫は、延々、宙を見て、話をしている。
私は、疎まれているのは承知の上で、夫を止めにいったの。
そのとき。
女神様との逢瀬を邪魔するな、と一喝されて、夫の話し相手が女神様だったと初めて知った。
一喝後、夫は、二度と私を見なくなったわ。
もっと早くに知らせて欲しかったわ。
私の、今までの心労はなんだったのか。
私は、あなたが羨ましい。
夫が、国主にならないあなたは、私みたいに苦しむこともなく、夫婦仲を悪くすることもない。』
とおっしゃっていました。
私は、前王妃陛下のお気持ちが分かります。」
とミーレ長官の奥様。
「前王妃陛下は、覚悟のないままに、王妃陛下になられたのだ。」
というミーレ長官。
ミーレ長官の奥様は、ミーレ長官を優しく見つめた。
「私は、王家の外から嫁いできた身。
女神様について、詳しく聞いたのは、このときが、初めてでした。
王家で代々伝えられていても、王家の血を引いていない妃には伝えられない情報なのかと考えましたが。
それですと、前国王陛下が私を指名された理由に当てはまりません。
おそらく、前国王陛下の把握していた情報では、王太子妃教育に盛り込まれていたのではないか、と推測しました。」
とミーレ長官の奥様。
「ミーレ長官の奥様には、その教育が省かれた?」
「そうなります。そして、王太子妃教育の内容を変更出来る方は、お一人だけです。」
とミーレ長官の奥様。
「女王陛下だな?」
「何のためにだ!」
というミーレ長官の叫びが、オレの声に被った。
「女王陛下が即位されたときから、前国王陛下は、女神様と会っていて、前国王陛下は、女神様と会っている事実を女王陛下にも、妻にも話していなかった。
前王妃陛下が相談した先は、国王陛下の話し相手が女神様ということを知っていて、前王妃陛下に教えなかった。
前王妃陛下と女王陛下は、仲が良かった?」
「険悪では、ありませんでした。
良く話をされていた、と思います。
女王陛下は、リーダーシップをとるタイプで、前王妃陛下は、支えたいタイプでした。」
とミーレ長官の奥様。
「前王妃陛下から、女王陛下に、女神様について伝わらないようにするため、かん口令をしいたのかな。
前国王陛下は、女王陛下が女神様と会っていないと、身をもって知っているけれど、自身と女神様との逢瀬は報告しない。
女神様に会っていない女王陛下は、女神様の在り方について、懐疑的になっていっていないかな?
王太子妃教育から、女神様についての話を省いた理由としては、十分、考えられるけれど。
女王陛下が、どんなに呼びかけても、困っていても、女神様は応えない。
女神様の有難みを眉唾ものと考えるようになっても、おかしくはないよな。」
オレと、ミーレ長官の奥様は、うーんと考えている。
「女神様の恩恵を眉唾もののように!」
ミーレ長官は、目をむいている。
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