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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
353.パレオは、十八禁の世界から、オレを救い出してくれるはずです。
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クロードは、オレを抱きしめて、オレのつむじに鼻を寄せている。
「家族のタペストリーを作ることは、外せない。」
とクロード。
「家族なら、営み中じゃなくても、だなー。」
「タペストリーは、私とヒサツグの愛が真実だと証明するために必要なもの。」
とクロード。
クロードが、オレのつむじをくんかくんかしているということは。
クロードは、不安なのかなー。
夫婦の営みのタペストリーは、不安に押し潰されそうなクロードの考えた案なんだろうけど、実現させないようにするには、どうしたものかなー。
クロード個人に仕えて忠誠を捧げてきた、クロードの秘書。
クロードがケレメイン公爵としてマウンテン王国の王都に滞在している期間、マウンテン王国の王都邸に勤務していた人。
王都邸にいなくても、ケレメイン公爵になってからクロードの疲弊を知っている人。
こういう人は、クロードとオレの仲について、否定的なことは、一言も言わない。
それぞれ思うところがあったとしても、クロードにも、オレにも、漏らさない、悟らせない。
プロ中のプロ。
クロードのご両親が消失してから、クロードが一人で奮闘してきた姿を側で歯がゆい思いをしながら見て、支えてきたような人は、クロードとオレを引き離しては、クロードのためにならないことを経験している。
クロードとオレが、二人で寄り添うようにしながら支えあって、互いを頼りに前に進んできた時間があるから、今、ケレメイン大公国があり、ケレメイン大公クロードが存在するということを正確に認識している。
クロードの中でのオレの比重を知っているから、オレとの仲をさくことは、クロードを追い詰め、ケレメイン大公国を傾かせる、どんな愚策にも負けず劣らずの悪手だと理解している。
だから、クロードとオレが別れるのがいい、という内容のことは決して言わない。
だけど、悲しいことに。
クロードの内面に踏み込んで理解している人は、ケレメイン大公家では、少数派なんだよなー。
いないわけじゃないけれど少数派。
多くの人は、クロードに、オレと別れて、本物の幸せを手に入れるべきだ、と進言している。
サーバル王国の王女様をクロードのお嫁さんにしよう運動が、クロードとオレを置いてきぼりにして、盛り上がって、広がった背景。
ケレメイン公爵家が慕われて、クロードを大事に思う人の数も少なくなかったのに、クロードの外側の幸せを追求して、クロードの内面の幸せを見ようとしなかった人の数が多すぎた。
クロードは、別れろ、と言われすぎて、思い詰めた結果、営みのタペストリーを作ろうという考えにたどり着いたに違いない、きっと。
クロードの幸せを形にして見せるから、理解して、もう別れろなんて、言わないで、というクロードの心の叫びなんじゃないかな。
そういうことをおもんぱかっても、営みをタペストリーにするのはなー。
オレには、抵抗がある。
せめて、日本市場に出回るくらいの濃度に薄めたい。
アイドルのポスターや、カレンダーくらいの濃度に。
水着、水着は?
全裸じゃなくて水着。
「クロード、タペストリーに、水着を着る二人、というのはどうかなー?」
「着衣プレイの一つとしてヒサツグの提案を取り入れる。ヒサツグが積極的で嬉しい。」
とクロード。
いや?
いやいやいや。
着衣プレイで、水着って、卑わいさ、マシマシならないかなー。
隠しているの、ポロリはあるの?みたいな、期待を煽るタペストリーは、いらないぞ。
「オレは、オレのモノを人目にさらすのは、ちょっと遠慮したいなー。恥ずかしいからさ。」
「私の手で隠す。」
とクロード。
営むのは、確定なのかな?
営まない案は通らないのかな?
オレのモノ手で隠すっていうのはさ。
モノを握るじゃないよなー。
まさかなー。
手で覆うということかな?
モザイクや白抜きの代わりに、クロードの手。
見ちゃダメ感が加速していくのは、気の所為かな?
十八禁の世界から遠ざかりたいぞ、オレは。
水着を着て、十八禁を薄めるには、どうしたいいかなー。
オレは、閃いた。
「パレオ!パレオを巻こう!パレオで解決!」
「家族のタペストリーを作ることは、外せない。」
とクロード。
「家族なら、営み中じゃなくても、だなー。」
「タペストリーは、私とヒサツグの愛が真実だと証明するために必要なもの。」
とクロード。
クロードが、オレのつむじをくんかくんかしているということは。
クロードは、不安なのかなー。
夫婦の営みのタペストリーは、不安に押し潰されそうなクロードの考えた案なんだろうけど、実現させないようにするには、どうしたものかなー。
クロード個人に仕えて忠誠を捧げてきた、クロードの秘書。
クロードがケレメイン公爵としてマウンテン王国の王都に滞在している期間、マウンテン王国の王都邸に勤務していた人。
王都邸にいなくても、ケレメイン公爵になってからクロードの疲弊を知っている人。
こういう人は、クロードとオレの仲について、否定的なことは、一言も言わない。
それぞれ思うところがあったとしても、クロードにも、オレにも、漏らさない、悟らせない。
プロ中のプロ。
クロードのご両親が消失してから、クロードが一人で奮闘してきた姿を側で歯がゆい思いをしながら見て、支えてきたような人は、クロードとオレを引き離しては、クロードのためにならないことを経験している。
クロードとオレが、二人で寄り添うようにしながら支えあって、互いを頼りに前に進んできた時間があるから、今、ケレメイン大公国があり、ケレメイン大公クロードが存在するということを正確に認識している。
クロードの中でのオレの比重を知っているから、オレとの仲をさくことは、クロードを追い詰め、ケレメイン大公国を傾かせる、どんな愚策にも負けず劣らずの悪手だと理解している。
だから、クロードとオレが別れるのがいい、という内容のことは決して言わない。
だけど、悲しいことに。
クロードの内面に踏み込んで理解している人は、ケレメイン大公家では、少数派なんだよなー。
いないわけじゃないけれど少数派。
多くの人は、クロードに、オレと別れて、本物の幸せを手に入れるべきだ、と進言している。
サーバル王国の王女様をクロードのお嫁さんにしよう運動が、クロードとオレを置いてきぼりにして、盛り上がって、広がった背景。
ケレメイン公爵家が慕われて、クロードを大事に思う人の数も少なくなかったのに、クロードの外側の幸せを追求して、クロードの内面の幸せを見ようとしなかった人の数が多すぎた。
クロードは、別れろ、と言われすぎて、思い詰めた結果、営みのタペストリーを作ろうという考えにたどり着いたに違いない、きっと。
クロードの幸せを形にして見せるから、理解して、もう別れろなんて、言わないで、というクロードの心の叫びなんじゃないかな。
そういうことをおもんぱかっても、営みをタペストリーにするのはなー。
オレには、抵抗がある。
せめて、日本市場に出回るくらいの濃度に薄めたい。
アイドルのポスターや、カレンダーくらいの濃度に。
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「クロード、タペストリーに、水着を着る二人、というのはどうかなー?」
「着衣プレイの一つとしてヒサツグの提案を取り入れる。ヒサツグが積極的で嬉しい。」
とクロード。
いや?
いやいやいや。
着衣プレイで、水着って、卑わいさ、マシマシならないかなー。
隠しているの、ポロリはあるの?みたいな、期待を煽るタペストリーは、いらないぞ。
「オレは、オレのモノを人目にさらすのは、ちょっと遠慮したいなー。恥ずかしいからさ。」
「私の手で隠す。」
とクロード。
営むのは、確定なのかな?
営まない案は通らないのかな?
オレのモノ手で隠すっていうのはさ。
モノを握るじゃないよなー。
まさかなー。
手で覆うということかな?
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見ちゃダメ感が加速していくのは、気の所為かな?
十八禁の世界から遠ざかりたいぞ、オレは。
水着を着て、十八禁を薄めるには、どうしたいいかなー。
オレは、閃いた。
「パレオ!パレオを巻こう!パレオで解決!」
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