《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

525.クロードは、サーバル王国の国王陛下にまるめこまれせん。サーバル王国の国王陛下は、何を決めたのでしょうか?

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サーバル王国の国王陛下夫妻が頭を下げていた相手は、女神様なので、クロードが頭を上げるように言うのは、『お前じゃない』に該当するんだけど、女神様は、頭を上げていい、などとは言わないからなー。

クロードが言わなければ、サーバル王国の国王陛下夫妻は、頭を上げられなかったと思う。

サーバル王国の国王陛下夫妻も、薄々気づいていたようで。

クロードに言われたタイミングで、二人共頭を上げた。

「先代ケレメイン公爵は、ケレメイン大公の成長をさぞ喜ばれただろう。」
とサーバル王国の国王陛下は、クロードに話しかける。

サーバル王国の国王陛下は、クロードのご両親の話をとっかかりにしようとしたのかな?

「今の私には、ヒサツグがいる。」
とクロード。

クロードは、ヒサツグが褒めてくれるから、両親の思い出話で誤魔化されたりしない、と言っている。

おう、オレのクロードには褒めるところがありすぎて、追いつかないくらいだからな。

毎日、一つは、クロードのいいな、思うところを見つけられるんだよなー。

惚れているからかな?

好きな人に好かれている状態ってさ。

幸せだよなー。

オレがクロードを好きだと自覚したのは、オレの恋敵だったカズラくんからの指摘だった。

カズラくんには、頭が下がる。

腹が立っていただろうに、気づかせてくれてありがとう。

カズラくんとドリアン王国の国王陛下との話し合いは、どうなったかなー?

カズラくん、こちらは、順調だぞ。

クロードが、七面六臂の活躍を見せてくれている。

「マウンテン王国の女王陛下の客死事件に関する取引があったとしても、マウンテン王国とサーバル王国の間で取り交わしたもの。」
とクロードは、にべもない。

ケレメイン大公国は、マウンテン王国ケレメイン公爵領ではないので、過去のマウンテン王国とサーバル王国の取り決めには縛られない、とサーバル王国側へ告げた。

「ケレメイン大公は、公爵の経験があり、国政に関わりを持たれてきた。

しかし。

一公爵でいることと、国を統治することの差は小さくない。

相談する相手がいると安心できるのではないか?

幸い、私は、一国の王であり、ケレメイン大公のご両親である先代ケレメイン公爵夫妻とは、旧知の仲だ。

ケレメイン大公の良き相談相手になろう。」
とサーバル王国の国王陛下。

「サーバル王国の国王陛下が、先代ケレメイン公爵と旧知の仲となったのは、マウンテン王国の先代国王陛下と、女王陛下の件で、マウンテン王国とサーバル王国が取引した結果に付随するものだ。

ケレメイン大公国とサーバル王国の全ての問題を清算した上で、私の相談相手に、という申し出なら、検討しよう。」
とクロード。

クロードの『検討しよう』は、サーバル王国の国王陛下が、ケレメイン大公国への侵略をうやむやにして、ケレメイン大公の相談相手におさまり、ケレメイン大公国の内政に関わろうというサーバル王国の国王陛下考えを、拒否。

「ケレメイン大公国は、女神様が来たいときに来て、住みたいときに住む場所を用意する。

ケレメイン大公国で女神様が気に入ったものを見つけたとき、女神様の気に入ったものは、女神様の目の前に、女神様の手の届く場所にある。

ケレメイン大公国は、女神様の恩恵がなくとも、女神様と友好的な関係を築いていく。

加えて。

現在、ドリアン王国の国王陛下の身柄は、ケレメイン大公国の手中にある。

マウンテン王国の女王陛下がサーバル王国を訪問したときとは違い、ケレメイン大公国は、不法侵入者として、ドリアン王国の国王陛下の身柄をおさえている状況だ。

ドリアン王国からの支配をはねつけられていなかったサーバル王国に対し、ケレメイン大公国が下手に出る利点を思いつかれたなら、今この場で、話されるといい。」
とクロード。

クロードは、サーバル王国側に、ケレメイン大公国の優位性をつたえることで、間接的にマウンテン王国側への牽制もしている。

こういった立ち回りや牽制は、ケレメイン公爵を経験して大公になったクロードがするからこそ、サマになっていて、耳を貸す人がいる。

オレが同じことをしても、なんか言ってる、と、流されて終わる。

政治の駆け引きが絡む場では、誰が言っているか、が鍵になる。

オレには、政治的な駆け引きをするだけの信用が、まだない。

今のオレは、政治的な約束を果たせるかどうか、未知数。

クロードが発言するようになってから、会議に緊張感が保たれている。

クロードは、サーバル王国側に畳み掛けるようにして、決断を促した。

「私の次は、王太子が即位するが、王太子の後はシガラキノが即位する。」
とサーバル王国の国王陛下。

「サーバル王国の数年後の近未来の話をしていると考えても?」
とクロード。

「今、王たる教育を受けていないシガラキノを王位につけることは、誰のためにもならない。」
とサーバル王国の国王陛下。

その通りだなー。

「サーバル王国は、今まで、女神様のお心にかなうものを作り出せなかった。

女神様の恩恵が国にあるときにできなかったことが、恩恵がなくなることで、できるようになるとは考えにくい。

サーバル王国は、現状維持を貫くか、さらなるリスクを承知で発展を目指すかの選択のときを迎えたことになる。

現状維持してきた結果。

サーバル王国は、ドリアン王国にずるずると支配を許してしまった。

今は、サーバル王国に必要なのは、現状維持ではなく、革新。

女神様と友誼を結んだシガラキノには、サーバル王国の革新の時代を任せる。

マウンテン王国のケレメイン公爵領に注ぎ込んだのは、サーバル王国の国費ではなく、王女シガラキノの私財。

シガラキノが、サーバル王国の女王としてたったときに、女王シガラキノ自身からケレメイン大公と話をさせたい。」
とサーバル王国の国王陛下。

サーバル王国の国王陛下は、食わせ者だなー。

王女シガラキノ様に棚上げした方が、ケレメイン大公国からむしり取られないと踏んでいるぞ?

「サーバル王国は、どこかの手先になっていようといまいと、二度とケレメイン大公国へ侵略しないこと、と、サーバル王国からのマウンテン王国ケレメイン公爵領への援助と大公妃予算の横領を相殺する件が済むまで、サーバル王国の王侯貴族がケレメイン大公領へ立ち入ることを拒否する。

この二つの条件を了承したなら、女王シガラキノの即位まで、この問題を先送りしよう。」
とクロード。
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