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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
543.カズラくんの出番です。カズラくんのハリセンからは、火花が出ていましたが、やがて?
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ドリアン王国の国王陛下が何かを言う前に。
カズラくんのハリセンが、うなって、火花が散った。
紙でできているハリセンから、火花が出ている!
ハリセン、燃えたりしないよな?
火事にならないよな?
カズラくんに、ハリセンから飛び散る火花で、火事にならないかを確認したい。
でも、今、カズラくんに流れが来ている。
カズラくんの話を止めるのはよくないよなー?
ハリセンの火花が出火原因にならないように、気にしておこうかな。
火花から引火しそうになったら、ジャケットを脱いで、叩いて消火活動、といきたいところだけど、ボタンが多くてすぐには脱げないよなー。
椅子をひっくり返して、椅子の座面を被せて、引火した火が空気に触れないようにできるかな?
オレが、ハリセンの火花を見守っていると。
「ぼくの出番だよ。」
とカズラくん。
カズラくんは、ドリアン王国の国王陛下のお目付け役じゃなく、国際会議の主役の一人だったんだなー。
「まずさあ。」
とカズラくんは、椅子に座ったままハリセンを振った。
カズラくんは、目の前に座っているドリアン王国の国王陛下の後頭部から目をそらさない。
ドリアン王国の国王陛下はカズラくんの声を聞いて、ドリアンの実になっている体が震えている。
ドリアン王国の国王陛下とカズラくんとの話し合いは、ドリアン王国の国王陛下が戦々恐々するものだったのかなー?
カズラくんの手にあるハリセンが揺れると、ハリセンから、四方八方へ火花が飛び散る。
飛び散った火花で引火したらすぐ動けるように、椅子には浅めにかけるようにしておこうかな。
火が広がる前の消火活動は、大事だからな。
「ぼくは、この世界で、誰にも利用されずに生きると決めて、戻ってきた。
神子として過ごした経験から、ぼくは、自分の人生の決定権を誰かに握らせないことにした。」
とカズラくん。
カズラくんのハリセンの揺れるスピードは、早くなったり、ゆっくりになったり。
「ぼく、ドリアン王国の国王陛下に嘘の名前を聞かされていたんだよ。
嘘の名前は、スペンサー・ブル。
ドリアン王国の貴族だと打ち明けたよね?
結婚するために、ドリアン王国に来て親に会ってほしい、と言ったよね?
プロポーズは、ドリアン王国に来たら、幸せにする、だったよね?」
とカズラくん。
ドリアン王国の国王陛下は、カズラくんに、スペンサー・ブルと名乗っていた。
元は、ドリアン王国の第二王子だった国王陛下の苗字が、ブルのはずがない。
王子、王女は、王国名が苗字になる。
偽名で結婚を持ちかける行為から、真心や誠意を感じとれるかな?
結婚詐欺だと思うよな。
カズラくんのハリセンからは、火花が飛び散り続けている。
「ぼくが、ケレメイン大公国で幸せになろうとしていることを、スペンサーは、知っていた。
だから。
ドリアン王国に行くという誘いは、純粋に挨拶に行くということだとぼくは思っていたよ。
スペンサーの親に挨拶したら、ケレメイン大公国に帰ってきて暮らすんだと思っていたよ。」
とカズラくん。
冷たいものが飛んできた。
カズラくんのハリセンからは、火花ではなく、小さな氷が飛び散っている。
いつの間に?
「スペンサーがいつ国王になったのか、ぼくは知らない。
でも。
国王になった時点で、ぼくと結婚する資格はない。
国王が、国のためにならない結婚なんてするわけがないことくらい、ぼくは知っている。」
とカズラくん。
オレは、思い出した。
カズラくんは、マウンテン王国に神子様として日本からやってきた。
英雄という恋人選びで、カズラくんは、ケレメイン公爵だったクロードを選んでいる。
カズラくんが選んだのは、クロードだったけれど、マウンテン王国の国王陛下は、英雄兼恋人に立候補して、カズラくんに選ばれようとしていた。
マウンテン王国の国の中枢を見てきたカズラくんは、国王の結婚に重視されるものが恋愛感情ではない、と知っていた。
カズラくんが、彼氏からドリアン王国の貴族だと聞いても、動じなかったのは。
貴族の一人が国を捨てて愛に生きてもなんとかなる、という前例を見てきたから。
ケレメイン公爵だったクロードとオレのように。
第二王子としての身分を捨てて、カズラくんとケレメイン大公国で過ごすことを選ぶなら、カズラくんは、第二王子という身分を偽ったことについて、怒らなかった。
ドリアン王国の第二王子は、第二王子の身分をカズラくんに隠したまま、ドリアン王国の国王として即位した。
一国の王が、外国で結婚して、結婚生活維持のために、二度と国に戻らない、などということは。
国王自らが亡命していない限り、実現しない。
カズラくんのハリセンから飛び散る氷は、元々が水。
オレは、カズラくんのハリセンから飛び散るのが、火花から氷に変わったことに合点がいった。
火花は、カズラくんの怒りのあらわれ。
氷は、カズラくんの悲しみのあらわれ。
カズラくんが胸の内で流している涙が固まって、氷となり、ハリセンから飛び散っているのかもしれない。
カズラくんは、この世界に戻ってから一生懸命、居場所を作ろうとしていた。
泣きたいときに、泣ける場所は、あったかな?
オレの知るカズラくんは、いつも自信満々だったけど。
胸の内では、泣いていたのかもしれない。
不安や切なさを外に出さずに。
一人で。
カズラくんのハリセンが、うなって、火花が散った。
紙でできているハリセンから、火花が出ている!
ハリセン、燃えたりしないよな?
火事にならないよな?
カズラくんに、ハリセンから飛び散る火花で、火事にならないかを確認したい。
でも、今、カズラくんに流れが来ている。
カズラくんの話を止めるのはよくないよなー?
ハリセンの火花が出火原因にならないように、気にしておこうかな。
火花から引火しそうになったら、ジャケットを脱いで、叩いて消火活動、といきたいところだけど、ボタンが多くてすぐには脱げないよなー。
椅子をひっくり返して、椅子の座面を被せて、引火した火が空気に触れないようにできるかな?
オレが、ハリセンの火花を見守っていると。
「ぼくの出番だよ。」
とカズラくん。
カズラくんは、ドリアン王国の国王陛下のお目付け役じゃなく、国際会議の主役の一人だったんだなー。
「まずさあ。」
とカズラくんは、椅子に座ったままハリセンを振った。
カズラくんは、目の前に座っているドリアン王国の国王陛下の後頭部から目をそらさない。
ドリアン王国の国王陛下はカズラくんの声を聞いて、ドリアンの実になっている体が震えている。
ドリアン王国の国王陛下とカズラくんとの話し合いは、ドリアン王国の国王陛下が戦々恐々するものだったのかなー?
カズラくんの手にあるハリセンが揺れると、ハリセンから、四方八方へ火花が飛び散る。
飛び散った火花で引火したらすぐ動けるように、椅子には浅めにかけるようにしておこうかな。
火が広がる前の消火活動は、大事だからな。
「ぼくは、この世界で、誰にも利用されずに生きると決めて、戻ってきた。
神子として過ごした経験から、ぼくは、自分の人生の決定権を誰かに握らせないことにした。」
とカズラくん。
カズラくんのハリセンの揺れるスピードは、早くなったり、ゆっくりになったり。
「ぼく、ドリアン王国の国王陛下に嘘の名前を聞かされていたんだよ。
嘘の名前は、スペンサー・ブル。
ドリアン王国の貴族だと打ち明けたよね?
結婚するために、ドリアン王国に来て親に会ってほしい、と言ったよね?
プロポーズは、ドリアン王国に来たら、幸せにする、だったよね?」
とカズラくん。
ドリアン王国の国王陛下は、カズラくんに、スペンサー・ブルと名乗っていた。
元は、ドリアン王国の第二王子だった国王陛下の苗字が、ブルのはずがない。
王子、王女は、王国名が苗字になる。
偽名で結婚を持ちかける行為から、真心や誠意を感じとれるかな?
結婚詐欺だと思うよな。
カズラくんのハリセンからは、火花が飛び散り続けている。
「ぼくが、ケレメイン大公国で幸せになろうとしていることを、スペンサーは、知っていた。
だから。
ドリアン王国に行くという誘いは、純粋に挨拶に行くということだとぼくは思っていたよ。
スペンサーの親に挨拶したら、ケレメイン大公国に帰ってきて暮らすんだと思っていたよ。」
とカズラくん。
冷たいものが飛んできた。
カズラくんのハリセンからは、火花ではなく、小さな氷が飛び散っている。
いつの間に?
「スペンサーがいつ国王になったのか、ぼくは知らない。
でも。
国王になった時点で、ぼくと結婚する資格はない。
国王が、国のためにならない結婚なんてするわけがないことくらい、ぼくは知っている。」
とカズラくん。
オレは、思い出した。
カズラくんは、マウンテン王国に神子様として日本からやってきた。
英雄という恋人選びで、カズラくんは、ケレメイン公爵だったクロードを選んでいる。
カズラくんが選んだのは、クロードだったけれど、マウンテン王国の国王陛下は、英雄兼恋人に立候補して、カズラくんに選ばれようとしていた。
マウンテン王国の国の中枢を見てきたカズラくんは、国王の結婚に重視されるものが恋愛感情ではない、と知っていた。
カズラくんが、彼氏からドリアン王国の貴族だと聞いても、動じなかったのは。
貴族の一人が国を捨てて愛に生きてもなんとかなる、という前例を見てきたから。
ケレメイン公爵だったクロードとオレのように。
第二王子としての身分を捨てて、カズラくんとケレメイン大公国で過ごすことを選ぶなら、カズラくんは、第二王子という身分を偽ったことについて、怒らなかった。
ドリアン王国の第二王子は、第二王子の身分をカズラくんに隠したまま、ドリアン王国の国王として即位した。
一国の王が、外国で結婚して、結婚生活維持のために、二度と国に戻らない、などということは。
国王自らが亡命していない限り、実現しない。
カズラくんのハリセンから飛び散る氷は、元々が水。
オレは、カズラくんのハリセンから飛び散るのが、火花から氷に変わったことに合点がいった。
火花は、カズラくんの怒りのあらわれ。
氷は、カズラくんの悲しみのあらわれ。
カズラくんが胸の内で流している涙が固まって、氷となり、ハリセンから飛び散っているのかもしれない。
カズラくんは、この世界に戻ってから一生懸命、居場所を作ろうとしていた。
泣きたいときに、泣ける場所は、あったかな?
オレの知るカズラくんは、いつも自信満々だったけど。
胸の内では、泣いていたのかもしれない。
不安や切なさを外に出さずに。
一人で。
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