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1章
6:スキル【魔纏】を覚えよう!
しおりを挟む魔術が使えるようになって1ヶ月、以前からやっていた修行に加えて身体強化を中心に適正属性の簡単なボール系統とバレット系統、切ることを考えたブレード系統を練習した。精霊魔法はカリナさん、元素魔法は師匠に教わった。龍魔法だけは使い方がわからなかったのでまだ使えていない
精霊魔法はこの世界の至る所に存在する精霊に魔力を渡し、精霊が力を行使するものだ。その威力は渡す魔力の量や個別に契約した精霊によって変わる
元素魔法は師匠に教えてもらったブツリにカガクといった学問の知識を活用して行使する魔法だ
このブツリとカガクは師匠の元の世界の学問なんだそうだ。元の世界、つまり、師匠は別の世界から来た異世界人というものらしい。師匠は「もうお前は身内みたいなもんだから俺の秘密を話す」そう言って異世界人だという事を話してくれた。もちろん秘密にしろと念を押されたが
そして、今日は身体強化に慣れてきたという事で新しい事を教えてくれるらしい、何なのかは知らないが
朝食を食べ終えて師匠とソウマと共に地下室へと向かう
「父さん、今日は何を教えてくれるんだ?」
「ん?今日はな俺の戦闘スタイルである魔闘士に必須のスキルを身につけてもらう」
「スキルですか?」
「ああ、【魔纏】だ」
「どんなスキルなんだ?」
「それは地下行ってからな」
地下室に着いて中央に向かう
今の師匠の装備は籠手を嵌めて、脚には膝までを覆うグリーヴで、刃が付いている
「よし、じゃあ始めんぞ。まず【魔纏】だが、その説明は魔を纏うというものだ。全身に火を纏う、拳に火を纏う、脚に風を纏う、拳に魔力を纏うとか色々なことが出来る。そして、纏ったものでその効果が変わる。この【魔纏】を使い戦うのが魔闘士だ。似たような奴に剣に魔法を付与したりして戦う魔剣士だが、これは纏うのとは少し違うし、剣でなくとも槍でも弓でも槌でも出来ることだ。後は近距離戦闘を行いながら魔法を併用する魔法戦士とかがいる。これらの魔闘士、魔剣士、魔法戦士は器用貧乏になりがちになってしまうが、極めることが出来ればとても強力だ。お前達がこれから先の人生でどのような戦い方を取ることになるのかはわからんが【魔纏】は覚えておいて損は無いはずだ。今からやるがよく見ておけ」
「はい!」「おう!」
師匠が息を吐いて吸い、左手と左足を前に出して半身になる
そして、師匠が動き出す
その様はまさに演舞と言えるような洗練され磨かれてきたものが伺えるものだった、演武と言った方のがいいのかもしれない
漆黒の魔力を纏う、火を水を風をと様々な属性を纏っていき、拳や脚を繰り出す。時には全身に、時には1箇所に収束し、と纏ったもの、箇所が変わっていく。拳に纏った火を収束させて拳を振り、炎を飛ばす。脚に纏った風を収束させて蹴りを放ち、風の刃を飛ばす
そんな様子を見て、俺は師匠の動きに釘付けになっていた。それと同時に俺は無限の可能性を感じた。師匠が言っていたようにこの技術は覚えて損は無いだろう。いや、むしろ良いことしか無いような気がした
そして、師匠は演武を止めて、こちらを向く
「今見せたのが【魔纏】を使った魔闘士の戦い方だ。ついでだから有用な他のスキルも教えておく。まずは【縮地】」
そう言った師匠が一瞬消えたかと思う程に素早く動き離れたところで止まった。かろうじてめで追えたが凄まじい速さだ
「今のが【縮地】だ。足裏に魔力を集め、その魔力が爆発するようなイメージをもってして、行う、高速の移動方だ。さらに」
師匠がまたとてつも無い速さで移動する。さっきの違うのは、1回で終わるのでは無く連続で【縮地】を行っているようだ。残像を作り出す程の速さだ
「この様に連続して行うことことも出来る。次は【空歩】だな」
そう言って師匠は足を上げたと思ったら何もない空中に足を置いて、階段を上る様にして、空調を移動し始めた。最初はゆっくりと歩いて行きだんだんとスピードを上げていって最終的には空中で先程の【縮地】を使った
「これが【空歩】だ。魔力によって空中に足場を作り出して、移動が可能になるんだよ。クウガは変化系のスキルで翼出せるように出来るだろうがこっちの方が使い勝手はいいと思うから覚えとけ」
「あ、そういえば師匠。俺、変化とか転身とか、未だに使ったこと無いんですけど」
「あー、そう言えばそうか・・・!いや、大丈夫だ近いうちに機会を作ってやる。漫画とかのあれやってみたかったんだよな~」
なんか師匠が悪巧みしてる気がする
「師匠、変なこと考えてません?」
「父さん悪い顔してるぞ」
「いんや、なんでもねぇぞ~」
ものすっごいイイ笑顔だ。絶対になにかあるよ~
「ま、そんな事よりもスキル取るために修行だ修行~。まずは【魔纏】からだ!」
「「はーい」」
「じゃあ、先ずは拳大の魔力を掌に浮かべろ」
俺とソウマは言われた通りにしていく
「浮かべたな。そんじゃそれを拳を握って、そこに纏わらせるようにイメージしていけ、さっき俺が見せた感じでだ」
む、魔術を初めて使った時のようには上手くいかない。
「それを出来るまで繰り返せ」
俺とソウマは繰り返す。
「しゃ!できた!こうだろ父さん!」
「おう、出来てんな。じゃあ、次は体全体にやってみろ」
「わかった!」
ソウマがこっちを見て笑う
く、悔し~!あの笑顔イライラする!
その後も繰り返していく。なんか纏わりつくっていうイメージが想像しづらいな~。渦巻いてるような感じにしてみよ
「あ!できた!これでいいですか、師匠!」
「お、上出来上出来。お前も次は全身だ」
「はい!」
そこから、お昼までは属性を纏うまで出来、【空歩】に【縮地】も練習した。2つともそんなに難しいというわけではなかった。使いこなすのが難しそうだ。
シャワーを浴びて、お昼を食べる。最近はカリルも少し大きくなって、ハイハイからよちよちとした歩きになって、母乳から離乳食を食べているので今は一緒に食べている。カリルの見た目はエルフで髪は師匠と同じ黒色だ。
お昼を食べ終えてまた地下室に来たら、師匠から俺とソウマにそれぞれ同じくらいの大きさの何かが入ったものを投げる。危なげなくキャチして中をみると、短剣に籠手と胸当て、師匠の使っているような刃付きのグリーヴが入っていた
「師匠?」
俺がそう言いながら顔を上げると
わっる~い笑顔の師匠がいてちょっと引いた
「今からお前ら魔境に送るから1週間サバイバルやってこい。スキルも魔物相手に練習できるだろう?」
「え?送る?て、いやいやちょっと待っ」
「はい、じゃあ、いってら~」
そう言うと俺達の下に魔法陣が現れ、光を発し始めた。眩しくて目を瞑る。
そして、目を開けるとそこはまさに
大森林だった
「父さんの
バカーーーーー!」」
「師匠の
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