Dear Blood

篝火

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第一章

大量失血死事件

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キーンコーンカーンコーン・・・

終業のチャイムが鳴り、廊下に生徒がなだれ込む。

その中にうちのクラスの担任も紛れ込んでいて暫く目で追ったが、気力が失せたのでやめた。

六時間授業、そして合間にはさまれる休み時間。

それらのおかげで凝り固まった肩と腰が悲鳴を上げかけている。

人並みはずれた冷え性の性で教室から出ようとせず、そもそも椅子から立たない。

おかげさまで少し動いただけでも全身(特に肩&腰)がばきばき音を立てる始末だ。

・・・痛い。

うう、と肩をさすりつつ、私も帰ろうとバックを持ち上げようとした、そのときだった。

影がかかる。

くそ、あいつらか。

「篠崎 奏サァン?あのねぇ、私たち今日とぉーーっても忙しいの。・・・言いたいこと、わかるわよね?」

噎せ返るような花(?)の香水のにおいを感じる。

私は香水のにおいが嫌いなのだが、何とかこらえた。

凄いぞ私、やればできるじゃないか!!

なんて頭の中で一人自画自賛していると、目の前にずいっとほうきが差し出された。

「うん、わかった。やっとくよ」

「ほんと?ありがとぉー!やぁっぱり篠崎さんってば優しいのね!」

お前らが有無を言わせないせいでな!!

思わず青筋が額に浮かびそうになるが、貼り付けた笑みで隠す。

怒ってんの気付け、馬鹿!!

「じゃあ帰ろっかぁ」

リーダー格の奴が声を上げると、付いていくように二人の女の子が追っていった。

ドアがぴしゃりと閉められる。

そして廊下から足音が聞こえなくなったころ、大きくため息をついて机に突っ伏した。

「あ”ぁ・・・私も帰りたい・・・」

断れるなら断りたい。

だが断ると次の日から私は思いっきりいじめのターゲット。

なんてったって彼女はスクールカーストの頂点近くに鎮座している人物なのだから。

ああ恐ろしやカーストライフ。

「そんなこんなで現実逃避スタート、と」

スマホを取り出しニュースアプリを立ち上げる。

今日のニュースの一面を飾っているのは、もっぱら{連続大量失血殺人事件}_____通称、吸血鬼事件____だ。

内容はこうだ。

昼夜問わず、様々な年齢・性別の人が何者かに襲われ、失血死している。ちなみに、被害者に関連性はなく、未だにわかっていないことが多い。そして殺害方法が奇妙で、針で刺したような箇所から大量に血を抜き取って殺している。このことから吸血鬼事件と呼ばれている。この事件は二ヶ月ほど前からおこっていて、いまだに犯人は捕まっていない。一部の専門家からは本物の吸血鬼だとか、なにか血を得て得をする職業の者が犯人じゃないかだとかが囁かれている。

「こんなに人を大量に失血死させてなにが楽しーんだか。」

一気に興ざめした気分になった。

こうなるなら見なければ良かったと、今更ながらに後悔した。

「さぁそうじだっ、早く済ませて帰るぞ!!」

置かれたほうきを手に取り、立ち上がった。
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