さくやこの

松丹子

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第一章 こちふかば

プロローグ

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【梅の花が咲き始めました】
 会社の先輩から、メッセージと共に送られて来たのは、枝についた小さな花の写真だった。

 君に会った季節が、また巡って来る。
 桜の精のような君の名は、咲也、といった。

 ーーあきちゃん、どうせ桜見る度に俺のこと思い出すんでしょ。

 笑って言ったあのときの彼に、言い返してやりたい。

 馬鹿言うな。
 思い出すどころか、忘れてる時の方が少ないっての。

 私は口元に微笑を浮かべて、返信を送る。

【来月の最終週には帰国します!】

 そうだ、帰るのだ。
 帰ったらーーまず先に、
 君と出会ったあの場所へ行こう。
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