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第二章 ふくらむつぼみ
63 ふたつめのカミングアウト
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「紅茶いれよう、紅茶」
帰宅すると、お湯を沸かしはじめる咲也の横で、私はポットとカップを準備し始めた。
「先に手を洗ってくださーい」
「はーい。咲也先生」
すっかり忘れていた私は、手を挙げて蛇口を捻る。咲也は笑った。
「無事、遠足はおしまいです」
「はい、お疲れさまでした」
二人で言い合って笑うと、咲也はパンを机に出し、私はポットに茶葉を入れ始めた。
咲也のマグカップは白地に黒で猫のシルエットが描いてある。私のマグカップはどこかのオマケでもらったらしい、熊のキャラクターの絵が描いてあるものだ。もちろん自分で準備した訳ではなく、咲也の家にたまたまあったものを使っている。
並んだ二つのマグカップを見たら、コーヒーをいれていた神崎さんを思い出した。この話題ならきっと咲也も喜ぶだろうと、若干の打算と共に口を開く。
「神崎さんってコーヒーいれるの好きなんだって」
突然の話題に、咲也は私の方を見た。
「珍しいね。あきちゃんが自分から政人さんの話するの」
言われてちょっと戸惑った。低迷していた気分から自分を二度も救った人。それに感じた悔しさが、一瞬だけ顔を覗かせる。
が、そんなことは咲也の知る由もない。まあねと適当にごまかしながら続ける。
「昨日、会社でコーヒーいれて、ヨーコさんに進呈してたの」
「え、社内バリスタ?」
咲也は言ってから、咄嗟に口元を押さえた。
「や、ヤバい。想像しちゃった」
その顔が真っ赤である。私は半眼になりながらその様子を見つつ、湧いたお湯をポットに注ぐ。
「どんな」
ちょっとやぶ蛇な気がしながらも、興味本位で聞いてみると、
「え、いや……バリスタっぽい黒いベスト着て、エプロン巻いて、コーヒー差し出してる政人さん」
咲也は照れ臭そうに言って、照れ臭そうに首の後ろを掻いた。でも、嬉しそうである。
とりあえず喜ばせてあげられたことを満足することにして、私はやかんをコンロの上に置いた。
「うわぁ。そんなバリスタいたら日参するわ」
「それコーヒー目的じゃないでしょ」
「そりゃ」
咲也は私の顔を見て、我に返ったらしく目を反らした。
「その話はもうやめとこう」
「そうだね、そうしよう」
多分互いに違う理由で賛同して頷き合うと、向かい合って椅子に腰掛けた。
「これ、咲也。これ私」
「えー。どれもおいしそうじゃん。一口ちょうだいよ」
「えー。いいけど」
結局合計六つ買ってしまったパンは、これで夕飯になりそうである。咲也もお腹すいたら後でカップラーメンでも食べようと言っていたのでそのつもりだろう。薄いビニール袋からパンを取出し、いただきまーすと言いながら食べ始める。
私が紅茶をいれた二つのカップから、白い湯気が立ち上っている。私はパンを食べながら立ち上る湯気を見ていた。
「どんな印象だった?」
不意に、咲也が言った。私は目を上げてその顔を見やる。
「咲也ママのこと?」
「うん」
頷く咲也は、どこか緊張しているようにも見える。
「パワフルで、エネルギッシュで、かわいい人」
底抜けの明るさは、ちょっと怖さすら感じさせた。
「かわいい、ね」
咲也がマグカップを手にして、わずかに口をつけた。
「熱い」
「熱湯でいれたもん」
そういえば、ヨーコさんは紅茶を習っていたと聞いた。ご自宅にお邪魔したときにいれてくれたお茶は確かに美味しかったように思う。今度コツを聞いてみようか。ヨーコさんのことだ、紅茶への愛を込める、なんて馬鹿みたいなコツは言わないだろうーー神崎さんと違って。
「普通、どれくらい知ってるもんなのかな」
咲也は首を捻りながら、独り言のように呟いた。何が、と問うと、咲也の穏やかな目が私を見返してくる。
「躁鬱病なんだ。母」
そううつ。聞き慣れない言葉に、私が首を傾げると、
「うーんと。ハイテンションのときと、どーんと落ち込むときの、差がすごいの」
私は自分が微妙な顔をしたのが分かった。どういう反応をすべきなのか分からず、思わず自分が口にした咲也の母の評を思い返す。
パワフルで、エネルギッシュで、かわいい。ーー
「今日のあれは、ハイテンションのときに近い」
咲也はちょっと目を反らした。
私が感じた底抜けの明るさはーー間違いなく、底抜けだったのかもしれない。ふとそんな風に思う。
「鬱のときは、ほんと、死のうとしたりするから、ちょっと大変」
咲也も考え考え、言葉を口にする。ちょっと、とつけるところに、私への配慮が感じられた。
最近まで実家を出なかったのには理由があったのかと、そのとき気づいて俯いた。非情にも母を放って出て行った私と、咲也は違う。ーー母を置いていくという選択肢すら、きっと彼にはなかったのだろう。
「実家を出たのはね」
咲也は話し始めた。
「前職で潰れそうになったとき、俺も、危なかったから。今の仕事始める前に、叔父から言われたんだ。離れた方がいい、このままだとお前も道連れになるだけだ、って。母の様子は叔父が見るから、って」
咲也は堅いパンを口にして、力いっぱい噛みちぎる。このパンほんと堅い、と咲也は苦笑した。私も軽い笑みを返す。
「母は、すごく不安定な人でーーでも、だからこそ綺麗で、俺の父もそれに惹かれたんだって、叔父は言ってた。じゃあ何で出て行ったの、って聞くと、叔父は何も言わなかったけどーー」
まだ、話には先がある。むしろここからが本題だと、咲也の態度が告げている。
閉じていた幕が開いたようにーーいや、開いていた幕が閉じたように、咲也の顔から表情が失われた。
「父がいなくなってから、俺が母の支えになった」
咲也は静かに話した。淡々と、ほとんど抑揚もなく。
私は黙ったまま、それを聞いている。
「毎日、一緒に風呂に入ってーー毎日、一緒に、裸のまま寝た」
私はくわえたパンが、一気に味を失って行くのを感じた。ぱさぱさとした塊が、口の中の水分を奪っていく。ただその感触だけを感じつつ、無理矢理パンを噛みちぎった。
「小学生から、中学生になり、高校生になって、俺の身体は、子供から男に変わって行った」
私は口内のパンを、機械的にかみ砕き、飲み込もうとする。
「元々俺を抱きしめていた母は、もう俺を包み込み切れなくなると、自分を抱きしめて眠るように、俺に言った。温もりを感じていたいからって」
口にしたパンは少量だったのに、飲み込み切れなかった。私は紅茶を口にする。考え無しに口にして、火傷しそうな熱に本能的にひるんだが、流し込んでしまった液体を無理に飲み込む。
舌先が、喉が、ひりひりと痛んだ。が、それと違う痛みが、私の胸をつつきはじめる。
「朝ーー男の生理現象で」
私は手を止め、俯く。ドキドキと鼓動がうるさい。その先を、聞きたくない。が、咲也をーー咲也の抱えてきたものを、受け止めたい。自分のせめぎ合いを感じながら、黙っている。
「そのーーアレが勃ったときには、母が笑って処理してくれた」
吐き気を感じるのはーー何のせいなのだろうか。私は目が潤んで来るのを感じた。どうして私が泣きそうになるのか、よく分からない。私が泣いて何になるというのだろう。
「俺はね、あきちゃん」
それでも、咲也の声は、静かだった。
心をどこかに置いてきたような、無感情さ。
「怖いんだ。女の人が。ーー母が」
私はようやく、目を上げる。
咲也と目が合った。咲也は穏やかな微笑の仮面を被ったまま、目の奥に哀しみを宿している。
咲也の気持ちは、咲也しか分からない。
ーーでも、
「あきちゃん。泣かないで」
咲也は笑って、顔を覆った私の頭を撫でた。
その手は、女のそれとは違って、大きく、堅い。
男の手。男の身体。
それが、彼を、苦しめてきた。
「ごめん、ごめんねーーごめん」
私が泣いて、どうなるというのだろう。
彼の苦しみが、薄まる訳もないのに。
咲也は黙って、泣きじゃくる私の頭を、肩を、ゆっくりとさすってくれた。
帰宅すると、お湯を沸かしはじめる咲也の横で、私はポットとカップを準備し始めた。
「先に手を洗ってくださーい」
「はーい。咲也先生」
すっかり忘れていた私は、手を挙げて蛇口を捻る。咲也は笑った。
「無事、遠足はおしまいです」
「はい、お疲れさまでした」
二人で言い合って笑うと、咲也はパンを机に出し、私はポットに茶葉を入れ始めた。
咲也のマグカップは白地に黒で猫のシルエットが描いてある。私のマグカップはどこかのオマケでもらったらしい、熊のキャラクターの絵が描いてあるものだ。もちろん自分で準備した訳ではなく、咲也の家にたまたまあったものを使っている。
並んだ二つのマグカップを見たら、コーヒーをいれていた神崎さんを思い出した。この話題ならきっと咲也も喜ぶだろうと、若干の打算と共に口を開く。
「神崎さんってコーヒーいれるの好きなんだって」
突然の話題に、咲也は私の方を見た。
「珍しいね。あきちゃんが自分から政人さんの話するの」
言われてちょっと戸惑った。低迷していた気分から自分を二度も救った人。それに感じた悔しさが、一瞬だけ顔を覗かせる。
が、そんなことは咲也の知る由もない。まあねと適当にごまかしながら続ける。
「昨日、会社でコーヒーいれて、ヨーコさんに進呈してたの」
「え、社内バリスタ?」
咲也は言ってから、咄嗟に口元を押さえた。
「や、ヤバい。想像しちゃった」
その顔が真っ赤である。私は半眼になりながらその様子を見つつ、湧いたお湯をポットに注ぐ。
「どんな」
ちょっとやぶ蛇な気がしながらも、興味本位で聞いてみると、
「え、いや……バリスタっぽい黒いベスト着て、エプロン巻いて、コーヒー差し出してる政人さん」
咲也は照れ臭そうに言って、照れ臭そうに首の後ろを掻いた。でも、嬉しそうである。
とりあえず喜ばせてあげられたことを満足することにして、私はやかんをコンロの上に置いた。
「うわぁ。そんなバリスタいたら日参するわ」
「それコーヒー目的じゃないでしょ」
「そりゃ」
咲也は私の顔を見て、我に返ったらしく目を反らした。
「その話はもうやめとこう」
「そうだね、そうしよう」
多分互いに違う理由で賛同して頷き合うと、向かい合って椅子に腰掛けた。
「これ、咲也。これ私」
「えー。どれもおいしそうじゃん。一口ちょうだいよ」
「えー。いいけど」
結局合計六つ買ってしまったパンは、これで夕飯になりそうである。咲也もお腹すいたら後でカップラーメンでも食べようと言っていたのでそのつもりだろう。薄いビニール袋からパンを取出し、いただきまーすと言いながら食べ始める。
私が紅茶をいれた二つのカップから、白い湯気が立ち上っている。私はパンを食べながら立ち上る湯気を見ていた。
「どんな印象だった?」
不意に、咲也が言った。私は目を上げてその顔を見やる。
「咲也ママのこと?」
「うん」
頷く咲也は、どこか緊張しているようにも見える。
「パワフルで、エネルギッシュで、かわいい人」
底抜けの明るさは、ちょっと怖さすら感じさせた。
「かわいい、ね」
咲也がマグカップを手にして、わずかに口をつけた。
「熱い」
「熱湯でいれたもん」
そういえば、ヨーコさんは紅茶を習っていたと聞いた。ご自宅にお邪魔したときにいれてくれたお茶は確かに美味しかったように思う。今度コツを聞いてみようか。ヨーコさんのことだ、紅茶への愛を込める、なんて馬鹿みたいなコツは言わないだろうーー神崎さんと違って。
「普通、どれくらい知ってるもんなのかな」
咲也は首を捻りながら、独り言のように呟いた。何が、と問うと、咲也の穏やかな目が私を見返してくる。
「躁鬱病なんだ。母」
そううつ。聞き慣れない言葉に、私が首を傾げると、
「うーんと。ハイテンションのときと、どーんと落ち込むときの、差がすごいの」
私は自分が微妙な顔をしたのが分かった。どういう反応をすべきなのか分からず、思わず自分が口にした咲也の母の評を思い返す。
パワフルで、エネルギッシュで、かわいい。ーー
「今日のあれは、ハイテンションのときに近い」
咲也はちょっと目を反らした。
私が感じた底抜けの明るさはーー間違いなく、底抜けだったのかもしれない。ふとそんな風に思う。
「鬱のときは、ほんと、死のうとしたりするから、ちょっと大変」
咲也も考え考え、言葉を口にする。ちょっと、とつけるところに、私への配慮が感じられた。
最近まで実家を出なかったのには理由があったのかと、そのとき気づいて俯いた。非情にも母を放って出て行った私と、咲也は違う。ーー母を置いていくという選択肢すら、きっと彼にはなかったのだろう。
「実家を出たのはね」
咲也は話し始めた。
「前職で潰れそうになったとき、俺も、危なかったから。今の仕事始める前に、叔父から言われたんだ。離れた方がいい、このままだとお前も道連れになるだけだ、って。母の様子は叔父が見るから、って」
咲也は堅いパンを口にして、力いっぱい噛みちぎる。このパンほんと堅い、と咲也は苦笑した。私も軽い笑みを返す。
「母は、すごく不安定な人でーーでも、だからこそ綺麗で、俺の父もそれに惹かれたんだって、叔父は言ってた。じゃあ何で出て行ったの、って聞くと、叔父は何も言わなかったけどーー」
まだ、話には先がある。むしろここからが本題だと、咲也の態度が告げている。
閉じていた幕が開いたようにーーいや、開いていた幕が閉じたように、咲也の顔から表情が失われた。
「父がいなくなってから、俺が母の支えになった」
咲也は静かに話した。淡々と、ほとんど抑揚もなく。
私は黙ったまま、それを聞いている。
「毎日、一緒に風呂に入ってーー毎日、一緒に、裸のまま寝た」
私はくわえたパンが、一気に味を失って行くのを感じた。ぱさぱさとした塊が、口の中の水分を奪っていく。ただその感触だけを感じつつ、無理矢理パンを噛みちぎった。
「小学生から、中学生になり、高校生になって、俺の身体は、子供から男に変わって行った」
私は口内のパンを、機械的にかみ砕き、飲み込もうとする。
「元々俺を抱きしめていた母は、もう俺を包み込み切れなくなると、自分を抱きしめて眠るように、俺に言った。温もりを感じていたいからって」
口にしたパンは少量だったのに、飲み込み切れなかった。私は紅茶を口にする。考え無しに口にして、火傷しそうな熱に本能的にひるんだが、流し込んでしまった液体を無理に飲み込む。
舌先が、喉が、ひりひりと痛んだ。が、それと違う痛みが、私の胸をつつきはじめる。
「朝ーー男の生理現象で」
私は手を止め、俯く。ドキドキと鼓動がうるさい。その先を、聞きたくない。が、咲也をーー咲也の抱えてきたものを、受け止めたい。自分のせめぎ合いを感じながら、黙っている。
「そのーーアレが勃ったときには、母が笑って処理してくれた」
吐き気を感じるのはーー何のせいなのだろうか。私は目が潤んで来るのを感じた。どうして私が泣きそうになるのか、よく分からない。私が泣いて何になるというのだろう。
「俺はね、あきちゃん」
それでも、咲也の声は、静かだった。
心をどこかに置いてきたような、無感情さ。
「怖いんだ。女の人が。ーー母が」
私はようやく、目を上げる。
咲也と目が合った。咲也は穏やかな微笑の仮面を被ったまま、目の奥に哀しみを宿している。
咲也の気持ちは、咲也しか分からない。
ーーでも、
「あきちゃん。泣かないで」
咲也は笑って、顔を覆った私の頭を撫でた。
その手は、女のそれとは違って、大きく、堅い。
男の手。男の身体。
それが、彼を、苦しめてきた。
「ごめん、ごめんねーーごめん」
私が泣いて、どうなるというのだろう。
彼の苦しみが、薄まる訳もないのに。
咲也は黙って、泣きじゃくる私の頭を、肩を、ゆっくりとさすってくれた。
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