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.第2章 高校2年、夏休み
41 続・イトコ会(1)
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祖父母のプレゼントを買いに従兄姉で集まったのは、私の夏休みが終わる直前だ。私は午前中を体育祭の準備に費やし、午後からみんなと合流した。
待ち合わせたのは高校の最寄でもある横浜駅。都内という案もあったけれど、みんなが行き慣れていて集まりやすいところをと選んでくれた。
人の多い駅のどこに集まるか、みんなでやりとりした結果、駅地下にある本屋に集合することになった。本屋であれば時間を潰せる、というやりとりに、イトコたちらしいなと笑う。それにしても、狭くはない書店の中で、ちゃんと合流できるものだろうか。
そう思って歩いて行くと、朝子ちゃんから連絡が入った。着きました、と告げるメッセージに、【俺ももういる】と翔太くんの返信が繋がる。
それに対して【マジ? 俺と悠人兄も着いてるよ】と健人兄が反応するのを見ながら呆れた。
男たちは互いに連絡を取り合う気がなかったのか。
【お前ら合流する気あんのか。仕事長引いたから今から駅行くわ。三十分足らずで着くよって、どっかで待っとって】
栄太兄のメッセージを見ながら、書店の前で足を止める。「礼奈ちゃん」と声をかけられて振り向くと、朝子ちゃんが立っていた。
長い髪をアップにしてバレッタで留め、薄紫色のマキシワンピースを着ている。
背がすらりと高いから、足首丈のスカートがよく似合っていた。
「朝子ちゃん、可愛い」
「え、そうかな。礼奈ちゃんも制服だ。午前中、学校行ってたの?」
「うん、体育祭の準備」
「あー、うちもあったあった、それ」
苦笑混じりの反応が返ってくる。ということは、朝子ちゃんはそうしたイベントを楽しむたちではなかったのかもしれない。
「さて、男どもを探しましょうか」
「どこにいるんだろ」
「とりあえず、うちのお兄ちゃんは学術書んとこ」
朝子ちゃんが迷いなく指差して、私は笑う。
「健人兄は多分、漫画雑誌」
「悠人くんは?」
「文庫本のとこだと思う」
互いに顔を見合わせて笑った。
「捜索開始」
「見つけたらここに連れ戻るね」
書店へ足を踏み入れる。先に見つけたのは健人兄だ。耳にイヤホンを突っ込んでいたので、前から回り込んで顔を覗き込む。
「お兄ちゃん、行くよ」
「へいへい」
健人兄が雑誌を手にしたまま「ちょっと買ってくる」とレジへ行く。呆れ顔でため息をつき、ひとまず悠人兄を探した。
どこかなぁ、なんて思う前に、棚からひょこりととびぬけた頭が見える。女性客の視線を感じながら、スタスタと近づいた。
「悠人兄、行くよ」
「あ、礼奈」
悠人兄は手にしかけた文庫を棚にしまい直し、おとなしく私について来た。「健人は?」と問われて「レジ」と指差したとき、健人兄がレジから歩いて来る。高身長の男二人に、周囲の視線が自然と集まる。
「翔太くんは?」
「いたみたい」
朝子ちゃんと翔太くんは、書店の前で私たちを待っていた。健人兄が手を振って合流すると、「さて」と手を合わせる。
「サテン行こうぜ、サテン」
「え?」
「栄太兄は? 待たないの?」
「サテンで待つの。こんだけ暑いとこ待たせるんだから、飲み物一杯分くらい、おごってくれるっしょ」
健人兄の言葉に、悠人兄が苦笑する。
「健人……」
「てーか、そもそも礼奈、飯まだだろ?」
「えっ、あ、うん……まあそうだけど」
「んじゃ、行こうぜ。ファミレスで勘弁してやるか」
「勘弁って……」
みんなは呆れながらも、さっさと歩きはじめる健人兄の後ろに従った。
***
駅前のファミレスに入ると、健人兄に勧められるままに昼食を選んだ。「一人で食ってんの気まずいだろ」とさも気を利かせたように健人兄が言い、ポテトの盛り合わせと全員分のドリンクバーも頼む。
「買い物、どこのお店に行こうか。おじいちゃんのプレゼントとおばあちゃんのプレゼント、それぞれ担当分ける?」
飲み物を手にして、朝子ちゃんが言った。ちゃんと作戦会議をする生真面目さは叔母そっくりだ。
「先に品物何にするか決めた方がいいんじゃね」
「て言って、何がいいか浮かぶ?」
「浮かばなーい」
私はスパゲティをモグモグしながら、実のないやりとりを聞いていた。
話している内、みんなのスマホが揺れた。
「あ、栄太兄じゃね?」
【着いたで。店のどの辺?】
「着いたみたいーー」
振り向こうとした健人兄の後ろに、スーツ姿の長身。
「ーー見ィつけた」
現れた栄太兄は健人兄の頭をくしゃりと掻き混ぜた。
声を耳にした瞬間、私の心臓がどきんと高鳴る。同時に、電話越しでない栄太兄の声は久々に聞くのだと気づいた。
「お疲れ、栄太兄」
「ほんま疲れたわ。はぁー」
6人掛けの席で、男3人が並んで座っていたから、栄太兄は空いていた私の右横にどっかと腰を降ろした。ふわり、とミント系の香りがする。
机に置かれた水を「これ、もらってもええ?」と手にして、一気に煽った。
「はー。あっつ」
栄太兄がネクタイを緩める。頬に浮かんだ汗がゆるりと首筋を伝った。
「……お疲れ、栄太兄」
スパゲッティを飲み込みながら言うと、栄太兄は苦笑気味の笑顔を浮かべた。
「スーツ、脱げば」
「脱いだら脱いだで荷物になるし、型崩れすんねん。お前、代わりに着とくか」
「マジか。勘弁してくれよ」
健人兄と栄太兄がテンポのいい会話をしている。朝子ちゃんがくすくす笑った。
「暑い中、大変だね。お疲れ」
「せやな……俺も大学生に戻りたいわ」
栄太兄の前に、健人兄がメニューを差し出す。
「栄太兄、飯まだっしょ? 頼めば?」
「あーおおきに……」
栄太兄は受け取ってから、健人兄に半眼を向ける。
「で、あれやろ。ここの会計俺持ちにしようって魂胆やろ」
「あ、バレた?」
「バレバレやで。ったく……お前はほんと、調子ええなぁ」
栄太兄がブツブツ言いながらメニューを開く。半分くらい食べ終えた私のお皿をちらりと見て、「それは?」と確認された。
「……和風めんたいパスタ」
「ええなぁ」
言って、栄太兄はメニューを見比べる。
「うーん、でもこっちも捨てがたい……」
「礼奈から一口もらえば」
健人兄の提案に、私は「えっ」と眉を寄せる。一方の栄太兄は「いい案やな」と笑った。私は慌てる。
「いや、あの。食べたいなら、両方頼めば。誰か食べるだろうし……」
「ええやん、一口くらい。ケチやなぁ」
「いや、あの別にいいんだけど、よくなくて」
左隣にいる朝子ちゃんは、どんな表情をしているだろう。ちらりと横目で見やると、楽しそうに笑っていた。
え、気にしてないの? 気にしてないなら、まあ……
戸惑いつつ栄太兄の方へ向き直ろうとしたとき、
「隙ありっ」
栄太兄がいつの間にか出したフォークで一口かっさらって行った。
「あっ」
「ん、美味い」
栄太兄は口をもぐもぐさせながら、「あー腹減った。やっぱ定食やな、定食。翔太、ボタン押して」と朝子ちゃんの前にいる翔太くんに声をかける。翔太くんは長い指を一本伸ばして、店員呼出ボタンを押した。ぴんぽーん、とのんきな音が店内に響く。
なんだかイラッとして、唇を引き結んだ。
「なんや、礼奈。俺のも一口やるよって、そんなむくれへんで。可愛い顔がだいなしやでー」
「うるっさい。黙って。栄太兄、やだ。嫌い」
「うわ、えらいストレートやなぁ。傷つくわぁ」
私は唇を尖らせたまま、スパゲッティを口に運ぶ。朝子ちゃんが左隣で笑っていた。栄太兄も笑いながら、店員さんに定食を頼む。
バイトらしい女性店員さんは注文を確認しながら、栄太兄の顔をちらちら見ていた。栄太兄はいつも通りの愛想のよさで「頼んます」と笑う。店員さんの頬に朱が走る。
またしても、なんとなくイラッとした。フォークにがっつりスパゲッティを巻付け、口に運ぶ。
「礼奈、もう横から取ったりせぇへんで。そんな急がんでも」
不思議そうに言う栄太兄に何も答えることなく、私はもくもくとスパゲッティを平らげた。
待ち合わせたのは高校の最寄でもある横浜駅。都内という案もあったけれど、みんなが行き慣れていて集まりやすいところをと選んでくれた。
人の多い駅のどこに集まるか、みんなでやりとりした結果、駅地下にある本屋に集合することになった。本屋であれば時間を潰せる、というやりとりに、イトコたちらしいなと笑う。それにしても、狭くはない書店の中で、ちゃんと合流できるものだろうか。
そう思って歩いて行くと、朝子ちゃんから連絡が入った。着きました、と告げるメッセージに、【俺ももういる】と翔太くんの返信が繋がる。
それに対して【マジ? 俺と悠人兄も着いてるよ】と健人兄が反応するのを見ながら呆れた。
男たちは互いに連絡を取り合う気がなかったのか。
【お前ら合流する気あんのか。仕事長引いたから今から駅行くわ。三十分足らずで着くよって、どっかで待っとって】
栄太兄のメッセージを見ながら、書店の前で足を止める。「礼奈ちゃん」と声をかけられて振り向くと、朝子ちゃんが立っていた。
長い髪をアップにしてバレッタで留め、薄紫色のマキシワンピースを着ている。
背がすらりと高いから、足首丈のスカートがよく似合っていた。
「朝子ちゃん、可愛い」
「え、そうかな。礼奈ちゃんも制服だ。午前中、学校行ってたの?」
「うん、体育祭の準備」
「あー、うちもあったあった、それ」
苦笑混じりの反応が返ってくる。ということは、朝子ちゃんはそうしたイベントを楽しむたちではなかったのかもしれない。
「さて、男どもを探しましょうか」
「どこにいるんだろ」
「とりあえず、うちのお兄ちゃんは学術書んとこ」
朝子ちゃんが迷いなく指差して、私は笑う。
「健人兄は多分、漫画雑誌」
「悠人くんは?」
「文庫本のとこだと思う」
互いに顔を見合わせて笑った。
「捜索開始」
「見つけたらここに連れ戻るね」
書店へ足を踏み入れる。先に見つけたのは健人兄だ。耳にイヤホンを突っ込んでいたので、前から回り込んで顔を覗き込む。
「お兄ちゃん、行くよ」
「へいへい」
健人兄が雑誌を手にしたまま「ちょっと買ってくる」とレジへ行く。呆れ顔でため息をつき、ひとまず悠人兄を探した。
どこかなぁ、なんて思う前に、棚からひょこりととびぬけた頭が見える。女性客の視線を感じながら、スタスタと近づいた。
「悠人兄、行くよ」
「あ、礼奈」
悠人兄は手にしかけた文庫を棚にしまい直し、おとなしく私について来た。「健人は?」と問われて「レジ」と指差したとき、健人兄がレジから歩いて来る。高身長の男二人に、周囲の視線が自然と集まる。
「翔太くんは?」
「いたみたい」
朝子ちゃんと翔太くんは、書店の前で私たちを待っていた。健人兄が手を振って合流すると、「さて」と手を合わせる。
「サテン行こうぜ、サテン」
「え?」
「栄太兄は? 待たないの?」
「サテンで待つの。こんだけ暑いとこ待たせるんだから、飲み物一杯分くらい、おごってくれるっしょ」
健人兄の言葉に、悠人兄が苦笑する。
「健人……」
「てーか、そもそも礼奈、飯まだだろ?」
「えっ、あ、うん……まあそうだけど」
「んじゃ、行こうぜ。ファミレスで勘弁してやるか」
「勘弁って……」
みんなは呆れながらも、さっさと歩きはじめる健人兄の後ろに従った。
***
駅前のファミレスに入ると、健人兄に勧められるままに昼食を選んだ。「一人で食ってんの気まずいだろ」とさも気を利かせたように健人兄が言い、ポテトの盛り合わせと全員分のドリンクバーも頼む。
「買い物、どこのお店に行こうか。おじいちゃんのプレゼントとおばあちゃんのプレゼント、それぞれ担当分ける?」
飲み物を手にして、朝子ちゃんが言った。ちゃんと作戦会議をする生真面目さは叔母そっくりだ。
「先に品物何にするか決めた方がいいんじゃね」
「て言って、何がいいか浮かぶ?」
「浮かばなーい」
私はスパゲティをモグモグしながら、実のないやりとりを聞いていた。
話している内、みんなのスマホが揺れた。
「あ、栄太兄じゃね?」
【着いたで。店のどの辺?】
「着いたみたいーー」
振り向こうとした健人兄の後ろに、スーツ姿の長身。
「ーー見ィつけた」
現れた栄太兄は健人兄の頭をくしゃりと掻き混ぜた。
声を耳にした瞬間、私の心臓がどきんと高鳴る。同時に、電話越しでない栄太兄の声は久々に聞くのだと気づいた。
「お疲れ、栄太兄」
「ほんま疲れたわ。はぁー」
6人掛けの席で、男3人が並んで座っていたから、栄太兄は空いていた私の右横にどっかと腰を降ろした。ふわり、とミント系の香りがする。
机に置かれた水を「これ、もらってもええ?」と手にして、一気に煽った。
「はー。あっつ」
栄太兄がネクタイを緩める。頬に浮かんだ汗がゆるりと首筋を伝った。
「……お疲れ、栄太兄」
スパゲッティを飲み込みながら言うと、栄太兄は苦笑気味の笑顔を浮かべた。
「スーツ、脱げば」
「脱いだら脱いだで荷物になるし、型崩れすんねん。お前、代わりに着とくか」
「マジか。勘弁してくれよ」
健人兄と栄太兄がテンポのいい会話をしている。朝子ちゃんがくすくす笑った。
「暑い中、大変だね。お疲れ」
「せやな……俺も大学生に戻りたいわ」
栄太兄の前に、健人兄がメニューを差し出す。
「栄太兄、飯まだっしょ? 頼めば?」
「あーおおきに……」
栄太兄は受け取ってから、健人兄に半眼を向ける。
「で、あれやろ。ここの会計俺持ちにしようって魂胆やろ」
「あ、バレた?」
「バレバレやで。ったく……お前はほんと、調子ええなぁ」
栄太兄がブツブツ言いながらメニューを開く。半分くらい食べ終えた私のお皿をちらりと見て、「それは?」と確認された。
「……和風めんたいパスタ」
「ええなぁ」
言って、栄太兄はメニューを見比べる。
「うーん、でもこっちも捨てがたい……」
「礼奈から一口もらえば」
健人兄の提案に、私は「えっ」と眉を寄せる。一方の栄太兄は「いい案やな」と笑った。私は慌てる。
「いや、あの。食べたいなら、両方頼めば。誰か食べるだろうし……」
「ええやん、一口くらい。ケチやなぁ」
「いや、あの別にいいんだけど、よくなくて」
左隣にいる朝子ちゃんは、どんな表情をしているだろう。ちらりと横目で見やると、楽しそうに笑っていた。
え、気にしてないの? 気にしてないなら、まあ……
戸惑いつつ栄太兄の方へ向き直ろうとしたとき、
「隙ありっ」
栄太兄がいつの間にか出したフォークで一口かっさらって行った。
「あっ」
「ん、美味い」
栄太兄は口をもぐもぐさせながら、「あー腹減った。やっぱ定食やな、定食。翔太、ボタン押して」と朝子ちゃんの前にいる翔太くんに声をかける。翔太くんは長い指を一本伸ばして、店員呼出ボタンを押した。ぴんぽーん、とのんきな音が店内に響く。
なんだかイラッとして、唇を引き結んだ。
「なんや、礼奈。俺のも一口やるよって、そんなむくれへんで。可愛い顔がだいなしやでー」
「うるっさい。黙って。栄太兄、やだ。嫌い」
「うわ、えらいストレートやなぁ。傷つくわぁ」
私は唇を尖らせたまま、スパゲッティを口に運ぶ。朝子ちゃんが左隣で笑っていた。栄太兄も笑いながら、店員さんに定食を頼む。
バイトらしい女性店員さんは注文を確認しながら、栄太兄の顔をちらちら見ていた。栄太兄はいつも通りの愛想のよさで「頼んます」と笑う。店員さんの頬に朱が走る。
またしても、なんとなくイラッとした。フォークにがっつりスパゲッティを巻付け、口に運ぶ。
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