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89.多くの人質
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「あぁ!? なんなの、コレ……ふざけんなよ!!」
「あー、うるせぇな……俺の耳は繊細なんだぞ」
犬舎の二階の木戸の部屋に美智の怒号が響く。そばにいた木戸が耳の穴に指を入れて耳を塞ぐと嫌そうな顔をした。
木戸はモニターの前に陣取っていた美智を部屋の端に押しやると再びキーボードを叩き始めた。
木戸のパソコンデスクの上にはなぜかモニターが三つもある。さらに訳の分からないコードが山盛りのイカ墨パスタのように床に置かれている。美智には理解できないが、仕事をする上で必要な設備ばかり揃っているらしい。元ハッカーの基準なのであてにはならない。
モニターには田村から奪った情報が映し出されている。美智はその内容に憤慨しきりだ。
「あの野郎……やっぱり排気ガス責めすれば良かったね……悪党め」
「よせよせ、どうせあいつは今頃地獄を味わってるから気にすんな。しっかし……まさか俺たちの事で脅されてたなんてな……なんで誠大さま黙ってんだよ……」
おそらくこの情報を元に西園寺から脅迫されている。その条件が誠大と花蓮の結婚のはずだと木戸は考えていた。真守が絡んでいることから跡継ぎに関しても何か要求があったはずだ。
美智は自分のせいで誠大が苦しんでいる事を知り心を痛めた。自分たちを切り捨てて解雇すれば一件落着なはずだ。それなのに誠大は一人抱え込んだままだ。
「なんで私たちの為にこんな事まで? 警察に言えば……」
「俺たちだけのためじゃない。東郷グループのスキャンダルだ……代償が大きくなる。何万人もの人間の生活がかかっているんだぞ」
木戸は誠大がいつでも東郷グループの事だけを考えて生きている事を知っていた。多くを守る為に自分を犠牲にする方が最善と計算したはずだ。
この脅迫のことを警察に言おうものならすぐさま情報が公開されるだろう。向こうの弱点を探そうにも時間が足りない。訴訟問題に繋がるリスクの高い製薬会社とあって、そのあたりのリスク回避は見事だ。前回の賄賂事件でも上手く処理していた。
木戸が激しくエンターキーを押すと正面のモニターに田村が持っていた写真が一覧で映し出された。今よりも幼い美智が他の少女たちと笑顔でピースサインをしている写真や、街で偶然目撃された白狐の頭として先頭を走る美智の写真……そして亡くなった木戸の婚約者の写真と、その事故現場の写真……そして木戸がとある豪邸の前で騒ぎを起こしている様子を捉えた監視カメラの映像の写真だった。さらに簡易ではあったが雫の家族に関しての資料もあった。
木戸は婚約者の写真を見つめた。頭の中に描いていた姿よりもずっと幼かった。
「こんな顔だったか……?」
「写真、ないの?」
「ない。燃やしちまった。指輪だけだ」
そう言う木戸の瞳はモニターを見ていなかった。その奥にある遠い記憶を見ていた。美智は何も言えなくなり黙り込んだ。木戸の部屋のドアがノックされた。郡司が足早に部屋に入ると待ちきれない様子でモニターの前に立った。
「どうでしたか? 何が分かったんです? 誠大さまにどんな事を──」
「ちょいちょい……郡司さん落ち着けって……ほら、これだよ」
モニターに映る写真に目を向けると郡司の表情が消えていく。モニターに次々と映し出される写真たちに視線を移す。一枚の写真が映し出された時に郡司が小さな声を出した。消え入りそうなその声に木戸は一瞬聞き間違えたかと思ったぐらいだ。モニターには傷だらけの誠大が茶色い毛布に包まれていた。その表情は虚ろだった。その隣で泣き崩れる少年がいた。その少年もまた口元が赤く腫れていた。その少年は郡司だった。
「この写真は……」
「ああ……誘拐事件の時のだな。警察資料まだ見てないんだけど……記録も確か一緒にあった……これだ」
木戸が別のフォルダを開くと縦書きの捜査記録が映し出された。郡司が食い入るようにその文字を追う。美智は郡司の様子がおかしい事に気がついて郡司に声を掛ける。モニターを指差す郡司の手が震えていた。
「郡司さま……大丈夫ですか?」
「え……、あ、はい。すみません──封筒の中身は、これだったんですね?」
郡司は眼鏡をずり上げると鋭い視線を木戸に向けた。
「そうらしい……俺と美智、雫ちゃんの家族が人質だったんだな。でも……なんで誠大さまは俺たちに隠してるんだ?」
「そうだよね……、私の過去も知ってるはずだから、雫や木戸さんにこの事を知られたくなかったのかな?」
「……誠大さまは私たちに言いたくないんじゃなくて、言えないんです。このことを、私の耳に入れたくなかったのでしょう……私を、守るために」
木戸と美智は黙って郡司の話を聞いていた。郡司の声は疲れ切ったように掠れていた。郡司はモニターに映る幼い誠大の表情を見つめると、過去の記憶が走馬灯のように頭の中を駆け巡った。
真っ白な壁とピアノ……誠大を待つ幼い自分と青空……叫ぶ誠大に自分……三角巾で腕を吊った誠大が雷の雷光を背にゴルフクラブを振り上げる姿に鳴り響く乱れたピアノの音──。
誠大さまっ──!
郡司は耐えかねたようにその場に崩れ落ちた。木戸が慌てて郡司の体を支えた。
「うわ!……おい、大丈夫か!? どうしちまったんだよ……平気か?」
「……申し訳ありません……」
か弱く微笑んだ郡司の顔色は真っ青だった。郡司の心のバランスが崩れた。美智がマウスを使って操作資料を拡大し、写真を改めて見た……。木戸も操作資料を読み出すと眉間にシワを寄せた。
◇
誠大は父親であるフランスにいる秋生と通話中だった。取引の一件以来忙しさに拍車がかかっていた。婚約の話から多くの人間から仕事の話が入ってきていた。そんな中珍しい時間帯に秋生から連絡があった。誠大は秋生の覇気のある声を聞き、自分が弱い子供の頃に戻ってしまったように感じた。実際、今の自分は西園寺に屈している情けない男だった。
だが、今だけだ……。必ず、思い通りにはさせない。
誠大は諦めていなかった。真守にバレないように東郷の名を出さずに西園寺花蓮の事を調べていた。下手に動いていることがバレてしまうと多くの人間が傷つく事になる。誠大は慎重に慎重を重ねていた。
電話口で秋生が珍しく優しく声をかけた。
「お前が幸せならいいんだ。サイオン製薬だから良かったと言っているんじゃないんだぞ。確かに東郷グループ的には良いが、お前はその為に結婚を決めたんじゃないのか? あのパーティの彼女は、本当に良かったのかい? この間の無理やり婚約させる話を──」
「いや、その事は関係ないんだ……ありがとう、父さん。大丈夫だ。まだ決めたわけじゃないけど……父さんが日本に帰ってきてくれたら話を進める。まだ、少し掛かるんだろ?」
「そうだな。まだ戻れそうもない……。先方の方にも帰国後に正式に婚約の話をしようと返事をしておいた。少し待っててくれ、すまないな」
秋生の言葉に誠大は気持ちが引き締まった。タイムリミットまでにこの状況を変えなければいけない……。桔梗の間のドアがノックされた。誠大は秋生に別れを告げると通話を切った。ドアが開くと郡司と木戸が立っていた。誠大はいつものように無言でソファーに腰掛けるが、なぜか郡司はドアのそばに立ったまま動こうとしなかった。その横にいる木戸も誠大を見下ろしたままじっとしていた。気味が悪いほど沈黙が続いた。
「……どうしたんだ? 何か──」
「また、ですか?」
郡司がゆらりと体を揺らしながら誠大に近付く。郡司の顔が歪み銀縁眼鏡の奥の瞳が潤んでいることに気づいた。郡司の泣き顔など数えるほどしか見たことがない……最後にはっきりと見たのはあの日だ。あれから時が経ち大人になったが、幼い頃の郡司と重なって見えた。誘拐犯から解放された後、郡司と再会した時のことを思い出した。
「また、私を守ろうと……無理をなさっているのですか?」
「郡司……、お前、記憶が──」
郡司がソファーに座る誠大の頭を抱えるように抱きしめた。眼鏡をつけたまま静かに涙を流す郡司に誠大は辛そうに眉間にしわを寄せる。木戸は田村の情報を印刷したものをテーブルに並べた。
「俺や美智の過去や、雫ちゃんの事をネタに脅されてるんでしょ?」
「お前……これを、どうして……」
「俺たちに脅迫のことを言わなかったのは、郡司さんに知られたらマズかったからだ。脅迫のネタは郡司さん本人が知らない事だから。誠大さま、俺たち、もう全部知ってるんだぜ……話してくれよ、頼むから」
誠大は郡司の眼鏡を外すとハンカチを手渡した。そしてゆっくりと木戸に頷き返した。
「あー、うるせぇな……俺の耳は繊細なんだぞ」
犬舎の二階の木戸の部屋に美智の怒号が響く。そばにいた木戸が耳の穴に指を入れて耳を塞ぐと嫌そうな顔をした。
木戸はモニターの前に陣取っていた美智を部屋の端に押しやると再びキーボードを叩き始めた。
木戸のパソコンデスクの上にはなぜかモニターが三つもある。さらに訳の分からないコードが山盛りのイカ墨パスタのように床に置かれている。美智には理解できないが、仕事をする上で必要な設備ばかり揃っているらしい。元ハッカーの基準なのであてにはならない。
モニターには田村から奪った情報が映し出されている。美智はその内容に憤慨しきりだ。
「あの野郎……やっぱり排気ガス責めすれば良かったね……悪党め」
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おそらくこの情報を元に西園寺から脅迫されている。その条件が誠大と花蓮の結婚のはずだと木戸は考えていた。真守が絡んでいることから跡継ぎに関しても何か要求があったはずだ。
美智は自分のせいで誠大が苦しんでいる事を知り心を痛めた。自分たちを切り捨てて解雇すれば一件落着なはずだ。それなのに誠大は一人抱え込んだままだ。
「なんで私たちの為にこんな事まで? 警察に言えば……」
「俺たちだけのためじゃない。東郷グループのスキャンダルだ……代償が大きくなる。何万人もの人間の生活がかかっているんだぞ」
木戸は誠大がいつでも東郷グループの事だけを考えて生きている事を知っていた。多くを守る為に自分を犠牲にする方が最善と計算したはずだ。
この脅迫のことを警察に言おうものならすぐさま情報が公開されるだろう。向こうの弱点を探そうにも時間が足りない。訴訟問題に繋がるリスクの高い製薬会社とあって、そのあたりのリスク回避は見事だ。前回の賄賂事件でも上手く処理していた。
木戸が激しくエンターキーを押すと正面のモニターに田村が持っていた写真が一覧で映し出された。今よりも幼い美智が他の少女たちと笑顔でピースサインをしている写真や、街で偶然目撃された白狐の頭として先頭を走る美智の写真……そして亡くなった木戸の婚約者の写真と、その事故現場の写真……そして木戸がとある豪邸の前で騒ぎを起こしている様子を捉えた監視カメラの映像の写真だった。さらに簡易ではあったが雫の家族に関しての資料もあった。
木戸は婚約者の写真を見つめた。頭の中に描いていた姿よりもずっと幼かった。
「こんな顔だったか……?」
「写真、ないの?」
「ない。燃やしちまった。指輪だけだ」
そう言う木戸の瞳はモニターを見ていなかった。その奥にある遠い記憶を見ていた。美智は何も言えなくなり黙り込んだ。木戸の部屋のドアがノックされた。郡司が足早に部屋に入ると待ちきれない様子でモニターの前に立った。
「どうでしたか? 何が分かったんです? 誠大さまにどんな事を──」
「ちょいちょい……郡司さん落ち着けって……ほら、これだよ」
モニターに映る写真に目を向けると郡司の表情が消えていく。モニターに次々と映し出される写真たちに視線を移す。一枚の写真が映し出された時に郡司が小さな声を出した。消え入りそうなその声に木戸は一瞬聞き間違えたかと思ったぐらいだ。モニターには傷だらけの誠大が茶色い毛布に包まれていた。その表情は虚ろだった。その隣で泣き崩れる少年がいた。その少年もまた口元が赤く腫れていた。その少年は郡司だった。
「この写真は……」
「ああ……誘拐事件の時のだな。警察資料まだ見てないんだけど……記録も確か一緒にあった……これだ」
木戸が別のフォルダを開くと縦書きの捜査記録が映し出された。郡司が食い入るようにその文字を追う。美智は郡司の様子がおかしい事に気がついて郡司に声を掛ける。モニターを指差す郡司の手が震えていた。
「郡司さま……大丈夫ですか?」
「え……、あ、はい。すみません──封筒の中身は、これだったんですね?」
郡司は眼鏡をずり上げると鋭い視線を木戸に向けた。
「そうらしい……俺と美智、雫ちゃんの家族が人質だったんだな。でも……なんで誠大さまは俺たちに隠してるんだ?」
「そうだよね……、私の過去も知ってるはずだから、雫や木戸さんにこの事を知られたくなかったのかな?」
「……誠大さまは私たちに言いたくないんじゃなくて、言えないんです。このことを、私の耳に入れたくなかったのでしょう……私を、守るために」
木戸と美智は黙って郡司の話を聞いていた。郡司の声は疲れ切ったように掠れていた。郡司はモニターに映る幼い誠大の表情を見つめると、過去の記憶が走馬灯のように頭の中を駆け巡った。
真っ白な壁とピアノ……誠大を待つ幼い自分と青空……叫ぶ誠大に自分……三角巾で腕を吊った誠大が雷の雷光を背にゴルフクラブを振り上げる姿に鳴り響く乱れたピアノの音──。
誠大さまっ──!
郡司は耐えかねたようにその場に崩れ落ちた。木戸が慌てて郡司の体を支えた。
「うわ!……おい、大丈夫か!? どうしちまったんだよ……平気か?」
「……申し訳ありません……」
か弱く微笑んだ郡司の顔色は真っ青だった。郡司の心のバランスが崩れた。美智がマウスを使って操作資料を拡大し、写真を改めて見た……。木戸も操作資料を読み出すと眉間にシワを寄せた。
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誠大は父親であるフランスにいる秋生と通話中だった。取引の一件以来忙しさに拍車がかかっていた。婚約の話から多くの人間から仕事の話が入ってきていた。そんな中珍しい時間帯に秋生から連絡があった。誠大は秋生の覇気のある声を聞き、自分が弱い子供の頃に戻ってしまったように感じた。実際、今の自分は西園寺に屈している情けない男だった。
だが、今だけだ……。必ず、思い通りにはさせない。
誠大は諦めていなかった。真守にバレないように東郷の名を出さずに西園寺花蓮の事を調べていた。下手に動いていることがバレてしまうと多くの人間が傷つく事になる。誠大は慎重に慎重を重ねていた。
電話口で秋生が珍しく優しく声をかけた。
「お前が幸せならいいんだ。サイオン製薬だから良かったと言っているんじゃないんだぞ。確かに東郷グループ的には良いが、お前はその為に結婚を決めたんじゃないのか? あのパーティの彼女は、本当に良かったのかい? この間の無理やり婚約させる話を──」
「いや、その事は関係ないんだ……ありがとう、父さん。大丈夫だ。まだ決めたわけじゃないけど……父さんが日本に帰ってきてくれたら話を進める。まだ、少し掛かるんだろ?」
「そうだな。まだ戻れそうもない……。先方の方にも帰国後に正式に婚約の話をしようと返事をしておいた。少し待っててくれ、すまないな」
秋生の言葉に誠大は気持ちが引き締まった。タイムリミットまでにこの状況を変えなければいけない……。桔梗の間のドアがノックされた。誠大は秋生に別れを告げると通話を切った。ドアが開くと郡司と木戸が立っていた。誠大はいつものように無言でソファーに腰掛けるが、なぜか郡司はドアのそばに立ったまま動こうとしなかった。その横にいる木戸も誠大を見下ろしたままじっとしていた。気味が悪いほど沈黙が続いた。
「……どうしたんだ? 何か──」
「また、ですか?」
郡司がゆらりと体を揺らしながら誠大に近付く。郡司の顔が歪み銀縁眼鏡の奥の瞳が潤んでいることに気づいた。郡司の泣き顔など数えるほどしか見たことがない……最後にはっきりと見たのはあの日だ。あれから時が経ち大人になったが、幼い頃の郡司と重なって見えた。誘拐犯から解放された後、郡司と再会した時のことを思い出した。
「また、私を守ろうと……無理をなさっているのですか?」
「郡司……、お前、記憶が──」
郡司がソファーに座る誠大の頭を抱えるように抱きしめた。眼鏡をつけたまま静かに涙を流す郡司に誠大は辛そうに眉間にしわを寄せる。木戸は田村の情報を印刷したものをテーブルに並べた。
「俺や美智の過去や、雫ちゃんの事をネタに脅されてるんでしょ?」
「お前……これを、どうして……」
「俺たちに脅迫のことを言わなかったのは、郡司さんに知られたらマズかったからだ。脅迫のネタは郡司さん本人が知らない事だから。誠大さま、俺たち、もう全部知ってるんだぜ……話してくれよ、頼むから」
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