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第一部
24話 止まらない涙
言ってしまった。
勢いに任せて。魔法を言い訳にして。
でも告白は以前にもしている。
その返事はまだ何も受け取っていない。
だからもし、これで彼からの返事が無ければ、それはそういう事なのだろうと諦めよう。
私はそう決心して、全ての思いを話したのだから。
「リフィルさん」
しばらくお互いに無言で顔を見つめ合っていた私たちだったが、ようやく彼の方から言葉を紡いでくれた。
「本当にすまない」
ああ。そうなんだ。
でも、わかっていた。
私はブスだもの。彼は私の事が好きなのではなくて、私の事をただ心配で案じてくれていただけなのだから。
だから、私の事が好きだなんてありえないのだ。
薄々わかっていた事だ。
ショックなんてない。
まだ泣くなリフィル!
目頭が熱くなっても、堪えろリフィル!
私は失恋したって良い覚悟で想いを全てぶつけたのだから。
彼の真摯さを信じて。
だから。
だから、だから!
彼に愛されない世界であったとしても――。
「それを何度もキミの口から言わせてしまっている私自身にずっと情けないと、不甲斐ないと、感じていた。心が脆弱すぎると自分を呪っていた。リフィルさんの方が……全てにおいて何倍も強い」
「……そんな」
駄目。
これ以上声を出したら私、涙が止まらなくなっちゃう。
正気でいられなくなりそう。
だからシュバルツ様。早く私を残酷に突き放して。
もう、耐えられそうにない。
「私は自分の弱さを言い訳にして、それを前置きしておかなければキミに本当の事を何も伝えられない臆病者なのだ……。だからこそ、キミばかりに勇気を出させてしまった事。それについて謝らせてほしい。すまない、リフィルさん」
「……」
シュバルツ様の言いたい事の意味がいまいちよくわからない。
だから私はジッと彼の言葉に耳を傾ける。
「聞いて、欲しい」
彼はそう言うと、一際大きく深呼吸をして、
「リフィルさん。私は……シュバルツ・フレスベルグは、リフィル・アルカードの事を世界で一番愛している」
と、告げた。
……。
……。
……?
???
私は耳をしっかり彼へと傾けていた、はずだ。
だから、これは私の聞き間違いではない、はずだ。
でも、これはありえない答えの、はずだ。
え?
彼は何を言ったの? なんて言ったの?
だって、だって。
こんなブスな女を愛する?
そんなわけ、あるはずが。
「リフィルさん。私もキミが好きだ。キミの愛らしい笑顔、美しい髪、大きな瞳、小さく可憐な鼻、可愛らしい口元、容姿、少し変わったセンス、無邪気に走り回る姿、その心優しさ。そしてそれ以外の全ても。キミのその全てが私を虜にしていた。ずっと、ずっと前から。出会った頃から」
「……ッ……ッ」
言葉が出ない。
「キミほど可愛らしくて、美しくて、そして心優しい女性に出会った事などない。いや、今後生涯においても存在し得ない。何故なら私にとってキミ以外の女性と愛を育むなど、欠片も考えられないからだ。それなのに、こんなにも、こんなにも……返事を遅れさせてしまった事に深く謝りたい」
「……ッ」
ずっと言葉が出せない。何も話せない。
「すまなかった。勇気がなくて、怖くて、言い出せなくて、嫌われてしまうんじゃないかって怯えていて。だけど、キミの勇気がようやく私にも火をつけてくれた。こんな愚鈍で臆病な男の心を」
「……ッ! ……ッ!!」
「リフィルさん。キミが好きだ。私と恋仲同士に……将来を誓い合える仲になってもらえるだろうか?」
言葉が出ない。
ううん。
前すらも見えないんですの。
何もかもがぼやけてしまって。
全身が水の中に浸かってしまっているようで。
シュバルツ様のお顔さえも、満足に見れない。
そんなくらいに、止まらない。涙が。
枯れてしまうのではないかと思うくらいに、涙が滝のように溢れて止まらない。
悲しさよりも嬉しさの方が涙ってたくさん出るんだって、私は今、この時、初めて知った。
嬉しい。
嬉しい。
嬉しいッ。
嬉しいッ!
それ以外の感情全てが無くなっていた。
そして次に生まれたのは、好きという気持ち。
好き。
好き。
大好き。
彼の事が本当に大好き。
思えば思うほど、その愛はまるで割れない風船の如く膨らみ続ける。
彼の事が、好き。
「シュ……シュバ、ルツ……さまぁ……ひっく……ぐす……」
やっと出せたのは情けない声。
震えながら搾り出した声。
涙と鼻水を吸い込みながら、ぐしゅぐしゅになった顔で、彼を見た。
そんな私を見て、彼は柔らかい笑顔でそっと涙を拭ってくれた。
「……はは。私もキミも、今日は泣いてばかりだ」
「うぅ……ひっ……ひっく……ぐす、ずず……ッ」
涙が止まらなくて、うまく返事ができない。
とめどなく流れ続けて。
それでも私は頑張って彼の問い掛けに対し、
「……あ……い」
かなり遅れてから、そう返事をした。
「リフィルさん。以前はキミからもらってしまった。キミからさせてしまった。だから、今宵は私から奪わせて欲しい」
「……へ?」
私が理解する前に彼はやや強引に、私の顎をすっと持ち上げて。
「……ッ!」
そっと、私の唇に口づけを交わしたのだった。
勢いに任せて。魔法を言い訳にして。
でも告白は以前にもしている。
その返事はまだ何も受け取っていない。
だからもし、これで彼からの返事が無ければ、それはそういう事なのだろうと諦めよう。
私はそう決心して、全ての思いを話したのだから。
「リフィルさん」
しばらくお互いに無言で顔を見つめ合っていた私たちだったが、ようやく彼の方から言葉を紡いでくれた。
「本当にすまない」
ああ。そうなんだ。
でも、わかっていた。
私はブスだもの。彼は私の事が好きなのではなくて、私の事をただ心配で案じてくれていただけなのだから。
だから、私の事が好きだなんてありえないのだ。
薄々わかっていた事だ。
ショックなんてない。
まだ泣くなリフィル!
目頭が熱くなっても、堪えろリフィル!
私は失恋したって良い覚悟で想いを全てぶつけたのだから。
彼の真摯さを信じて。
だから。
だから、だから!
彼に愛されない世界であったとしても――。
「それを何度もキミの口から言わせてしまっている私自身にずっと情けないと、不甲斐ないと、感じていた。心が脆弱すぎると自分を呪っていた。リフィルさんの方が……全てにおいて何倍も強い」
「……そんな」
駄目。
これ以上声を出したら私、涙が止まらなくなっちゃう。
正気でいられなくなりそう。
だからシュバルツ様。早く私を残酷に突き放して。
もう、耐えられそうにない。
「私は自分の弱さを言い訳にして、それを前置きしておかなければキミに本当の事を何も伝えられない臆病者なのだ……。だからこそ、キミばかりに勇気を出させてしまった事。それについて謝らせてほしい。すまない、リフィルさん」
「……」
シュバルツ様の言いたい事の意味がいまいちよくわからない。
だから私はジッと彼の言葉に耳を傾ける。
「聞いて、欲しい」
彼はそう言うと、一際大きく深呼吸をして、
「リフィルさん。私は……シュバルツ・フレスベルグは、リフィル・アルカードの事を世界で一番愛している」
と、告げた。
……。
……。
……?
???
私は耳をしっかり彼へと傾けていた、はずだ。
だから、これは私の聞き間違いではない、はずだ。
でも、これはありえない答えの、はずだ。
え?
彼は何を言ったの? なんて言ったの?
だって、だって。
こんなブスな女を愛する?
そんなわけ、あるはずが。
「リフィルさん。私もキミが好きだ。キミの愛らしい笑顔、美しい髪、大きな瞳、小さく可憐な鼻、可愛らしい口元、容姿、少し変わったセンス、無邪気に走り回る姿、その心優しさ。そしてそれ以外の全ても。キミのその全てが私を虜にしていた。ずっと、ずっと前から。出会った頃から」
「……ッ……ッ」
言葉が出ない。
「キミほど可愛らしくて、美しくて、そして心優しい女性に出会った事などない。いや、今後生涯においても存在し得ない。何故なら私にとってキミ以外の女性と愛を育むなど、欠片も考えられないからだ。それなのに、こんなにも、こんなにも……返事を遅れさせてしまった事に深く謝りたい」
「……ッ」
ずっと言葉が出せない。何も話せない。
「すまなかった。勇気がなくて、怖くて、言い出せなくて、嫌われてしまうんじゃないかって怯えていて。だけど、キミの勇気がようやく私にも火をつけてくれた。こんな愚鈍で臆病な男の心を」
「……ッ! ……ッ!!」
「リフィルさん。キミが好きだ。私と恋仲同士に……将来を誓い合える仲になってもらえるだろうか?」
言葉が出ない。
ううん。
前すらも見えないんですの。
何もかもがぼやけてしまって。
全身が水の中に浸かってしまっているようで。
シュバルツ様のお顔さえも、満足に見れない。
そんなくらいに、止まらない。涙が。
枯れてしまうのではないかと思うくらいに、涙が滝のように溢れて止まらない。
悲しさよりも嬉しさの方が涙ってたくさん出るんだって、私は今、この時、初めて知った。
嬉しい。
嬉しい。
嬉しいッ。
嬉しいッ!
それ以外の感情全てが無くなっていた。
そして次に生まれたのは、好きという気持ち。
好き。
好き。
大好き。
彼の事が本当に大好き。
思えば思うほど、その愛はまるで割れない風船の如く膨らみ続ける。
彼の事が、好き。
「シュ……シュバ、ルツ……さまぁ……ひっく……ぐす……」
やっと出せたのは情けない声。
震えながら搾り出した声。
涙と鼻水を吸い込みながら、ぐしゅぐしゅになった顔で、彼を見た。
そんな私を見て、彼は柔らかい笑顔でそっと涙を拭ってくれた。
「……はは。私もキミも、今日は泣いてばかりだ」
「うぅ……ひっ……ひっく……ぐす、ずず……ッ」
涙が止まらなくて、うまく返事ができない。
とめどなく流れ続けて。
それでも私は頑張って彼の問い掛けに対し、
「……あ……い」
かなり遅れてから、そう返事をした。
「リフィルさん。以前はキミからもらってしまった。キミからさせてしまった。だから、今宵は私から奪わせて欲しい」
「……へ?」
私が理解する前に彼はやや強引に、私の顎をすっと持ち上げて。
「……ッ!」
そっと、私の唇に口づけを交わしたのだった。
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