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第一部
43話 更なる脅威
シュバルツ様が捕らえた召喚師の情報のおかげでこうして大勢の騎士様や衛兵たちが集まり、魔物の大群へ立ち向かう準備が進められてはいた。
しかし、どう対策、対処すれば良いのか、皆困り果てているのである。
下手に攻撃をしても爆発して危険。
かと言って放っておけば人々が襲われる。
無難なのは遠距離で魔法や弓などで潰すのが理想的、なのだが……。
「広範囲で襲われたら、必ず撃ち漏らしができちまう。俺の最大魔力、最大魔法でどこまで対応できるかもわからねえ」
「うむ。いくらエリシオン王国が城塞都市とは言え、マジックデトネイターの魔物たちが何匹も集まって突撃されれば、城塞の大壁すらも破壊されかねん。もしそうなれば……」
ルーフェンやシュバルツ様の想定が現実のものとなってしまった場合、このエリシオン王国の王都はとてつもない大災害となりうるだろう。
私もそれを想像して震えてしまう。
「……リフィルさん」
そんな私を見て、シュバルツ様がぽんっと肩に手を当ててくれた。
「安心してくれ。何があろうと私はキミを守る。必ずだ」
「シュバルツ様……」
私がここにいるのはわけがある。
本当はルーフェンもシュバルツ様も私にはフレスブルグのお屋敷に避難していてくれと言われたが、私は断固それを拒否した。
こんな大変な時に、何もせず待っているなんて私には我慢できない。
それにシュバルツ様には私がいれば更に力を与えて差し上げられるのだから。
だから私は二人の反対を押し切って、ここに共にいるのである。
「シュバルツ殿! 我らも微力ながらお手伝い致します!」
そう言ったのはエリシオン王国の衛兵や騎士、魔導師たち、更にはギルドの腕に覚えのある実力者たち。彼らも大正門前にて、敵の大群を迎え撃つ準備をしていた。
シュバルツ様の活躍に心打たれた王国の戦士たちや冒険者たちがこうして集まってくれたのである。
「まさかあのフレスブルグの坊ちゃんがこんなにすげぇ魔導師になってるなんて思わなかったよ」
「ええ、ほんとね。私も貴方の第一試練の結果は半信半疑だったから、第二試練でパーティを組まされた時は正直言ってハズレくじを引かされたと思ったけれど、とんでもない勘違いだったわ、ありがとうシュバルツ」
そう言っているのは、シュバルツ様と共に先程まで同じ試練でパーティを組んでいた、ドイルとカレンと言う男剣士と女魔導師であった。
私の愛するシュバルツ様がこんな風に讃えられるのは、私としても鼻が高い。
「ねえ、シュバルツ。貴方さえよければこの魔物の大群を退けられたら、私とデートしない? 貴方、顔は悪くないし、私って強い男が好きなのよね。どう? 私も自分の顔とスタイルは悪くないと思うけど?」
私はスッとカレンとかいう女とシュバルツ様の間に割り込んで、
「初めまして、カレンさん。シュバルツ様の妻のリフィルです。以後お見知りおきを」
ニコっと笑いながら彼女を威圧した。
「あ、そうなのね。ごめんなさいリフィルさん。貴女の事、てっきり妹さんか何かかと思ったのよ」
い、妹ですって……この女狐めぇ。
などと思いつつも、
「自己紹介が遅れて申し訳ありませんわ。さあ、シュバルツ様、向こうでルーフェンが呼んでいますわよ」
「あ、ああ」
私はそう言って強引にその女からシュバルツ様を引き離したのだった。
全く、油断も隙もないですわね。
それにしてもシュバルツ様も、もっと早く私の事を言ってくださってもいいですのに。
「リフィルさん」
あら、もしかして私の思ってる事、伝わってしまったかしら?
「やはりキミは私の屋敷に先に帰っていた方が良い。ここは間違いなく戦場になる。それも大規模な……」
そうか、シュバルツ様はずっと私の身を案じていて……。
「キミが傍にいてくれるのは嬉しい。でも、キミに万が一何かあったら私は……」
「シュバルツ様」
私は彼の顔を両手で押さえ、
「私はただ待つだけなんてのは耐えられません。前にも言った、私は真に愛する人と必ず幸せになる力があります。それは、愛する方が私のすぐ近くにいるほど絶大な効果が及ぶ、と言われています。だから、私は貴方の為に、そして貴方を失いたくない私の為に、絶対に貴方の傍を離れませんわ」
私は頑なな意志をその瞳に灯し、彼の目を見据える。
「リフィルさん……。わかった。ずっと私の傍にいてくれ。そして何があっても私が必ずキミを守ろう。命を賭す、なんてセリフではキミに怒られてしまう。だから、命など賭けずに、二人で……皆で必ず生き延びる為に全力を尽くすと誓おう」
彼の言葉を聞いて、私は笑顔で頷く。
そして私たちは互いの目を見つめ合う。
「あー……シュバルツ兄様、リフィル姉様。そういうのはこの戦いが終わったら、存分にやってくれ。今はマジでどうにか考えようぜ」
ルーフェンがまた呆れ気味に私たちへとそう突っ込んだ。
「あれ……ルーフェン兄様ぁー。ここで縛られてたあの召喚師、どこかに連れて行ったんです?」
ルーラが誰もいなくなった地面を指差してそんな事を聞いてきた。
「いや? 俺は知らないが……」
ルーフェンがそう言った直後。
「うわあぁぁぁぁーーーッ!!?」
大勢のエリシオン兵たちの中から、叫び声が響く。
「ば、化け物! 化け物が現れたーッ! 全員離れろぉッ!」
その叫び声のする方を私たち全員が注目する。
そして私は絶句した。
一体アレはなんなの……?
人の何倍もの大きさをして、その背には漆黒の翼を、そして頭には山羊の角みたいな物を生やした、まるで悪魔。
「ば、馬鹿な……ありゃあグレーターデーモンじゃねえか……!? なんであんな化け物が突然!?」
それを見て、そうルーフェンが驚愕としていた。
しかし、どう対策、対処すれば良いのか、皆困り果てているのである。
下手に攻撃をしても爆発して危険。
かと言って放っておけば人々が襲われる。
無難なのは遠距離で魔法や弓などで潰すのが理想的、なのだが……。
「広範囲で襲われたら、必ず撃ち漏らしができちまう。俺の最大魔力、最大魔法でどこまで対応できるかもわからねえ」
「うむ。いくらエリシオン王国が城塞都市とは言え、マジックデトネイターの魔物たちが何匹も集まって突撃されれば、城塞の大壁すらも破壊されかねん。もしそうなれば……」
ルーフェンやシュバルツ様の想定が現実のものとなってしまった場合、このエリシオン王国の王都はとてつもない大災害となりうるだろう。
私もそれを想像して震えてしまう。
「……リフィルさん」
そんな私を見て、シュバルツ様がぽんっと肩に手を当ててくれた。
「安心してくれ。何があろうと私はキミを守る。必ずだ」
「シュバルツ様……」
私がここにいるのはわけがある。
本当はルーフェンもシュバルツ様も私にはフレスブルグのお屋敷に避難していてくれと言われたが、私は断固それを拒否した。
こんな大変な時に、何もせず待っているなんて私には我慢できない。
それにシュバルツ様には私がいれば更に力を与えて差し上げられるのだから。
だから私は二人の反対を押し切って、ここに共にいるのである。
「シュバルツ殿! 我らも微力ながらお手伝い致します!」
そう言ったのはエリシオン王国の衛兵や騎士、魔導師たち、更にはギルドの腕に覚えのある実力者たち。彼らも大正門前にて、敵の大群を迎え撃つ準備をしていた。
シュバルツ様の活躍に心打たれた王国の戦士たちや冒険者たちがこうして集まってくれたのである。
「まさかあのフレスブルグの坊ちゃんがこんなにすげぇ魔導師になってるなんて思わなかったよ」
「ええ、ほんとね。私も貴方の第一試練の結果は半信半疑だったから、第二試練でパーティを組まされた時は正直言ってハズレくじを引かされたと思ったけれど、とんでもない勘違いだったわ、ありがとうシュバルツ」
そう言っているのは、シュバルツ様と共に先程まで同じ試練でパーティを組んでいた、ドイルとカレンと言う男剣士と女魔導師であった。
私の愛するシュバルツ様がこんな風に讃えられるのは、私としても鼻が高い。
「ねえ、シュバルツ。貴方さえよければこの魔物の大群を退けられたら、私とデートしない? 貴方、顔は悪くないし、私って強い男が好きなのよね。どう? 私も自分の顔とスタイルは悪くないと思うけど?」
私はスッとカレンとかいう女とシュバルツ様の間に割り込んで、
「初めまして、カレンさん。シュバルツ様の妻のリフィルです。以後お見知りおきを」
ニコっと笑いながら彼女を威圧した。
「あ、そうなのね。ごめんなさいリフィルさん。貴女の事、てっきり妹さんか何かかと思ったのよ」
い、妹ですって……この女狐めぇ。
などと思いつつも、
「自己紹介が遅れて申し訳ありませんわ。さあ、シュバルツ様、向こうでルーフェンが呼んでいますわよ」
「あ、ああ」
私はそう言って強引にその女からシュバルツ様を引き離したのだった。
全く、油断も隙もないですわね。
それにしてもシュバルツ様も、もっと早く私の事を言ってくださってもいいですのに。
「リフィルさん」
あら、もしかして私の思ってる事、伝わってしまったかしら?
「やはりキミは私の屋敷に先に帰っていた方が良い。ここは間違いなく戦場になる。それも大規模な……」
そうか、シュバルツ様はずっと私の身を案じていて……。
「キミが傍にいてくれるのは嬉しい。でも、キミに万が一何かあったら私は……」
「シュバルツ様」
私は彼の顔を両手で押さえ、
「私はただ待つだけなんてのは耐えられません。前にも言った、私は真に愛する人と必ず幸せになる力があります。それは、愛する方が私のすぐ近くにいるほど絶大な効果が及ぶ、と言われています。だから、私は貴方の為に、そして貴方を失いたくない私の為に、絶対に貴方の傍を離れませんわ」
私は頑なな意志をその瞳に灯し、彼の目を見据える。
「リフィルさん……。わかった。ずっと私の傍にいてくれ。そして何があっても私が必ずキミを守ろう。命を賭す、なんてセリフではキミに怒られてしまう。だから、命など賭けずに、二人で……皆で必ず生き延びる為に全力を尽くすと誓おう」
彼の言葉を聞いて、私は笑顔で頷く。
そして私たちは互いの目を見つめ合う。
「あー……シュバルツ兄様、リフィル姉様。そういうのはこの戦いが終わったら、存分にやってくれ。今はマジでどうにか考えようぜ」
ルーフェンがまた呆れ気味に私たちへとそう突っ込んだ。
「あれ……ルーフェン兄様ぁー。ここで縛られてたあの召喚師、どこかに連れて行ったんです?」
ルーラが誰もいなくなった地面を指差してそんな事を聞いてきた。
「いや? 俺は知らないが……」
ルーフェンがそう言った直後。
「うわあぁぁぁぁーーーッ!!?」
大勢のエリシオン兵たちの中から、叫び声が響く。
「ば、化け物! 化け物が現れたーッ! 全員離れろぉッ!」
その叫び声のする方を私たち全員が注目する。
そして私は絶句した。
一体アレはなんなの……?
人の何倍もの大きさをして、その背には漆黒の翼を、そして頭には山羊の角みたいな物を生やした、まるで悪魔。
「ば、馬鹿な……ありゃあグレーターデーモンじゃねえか……!? なんであんな化け物が突然!?」
それを見て、そうルーフェンが驚愕としていた。
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