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第二部
56話 終わりの始まるきっかけ
――私がシュバルツ様に公然の場である舞踏会場にて離婚話を突きつけられ、私がアルカードへと帰る事になる少し前の事。
「……っち、もう数日後か」
珍しくあのルーフェンが眉間にシワを寄せて頭をくしゃくしゃと掻き乱している。
「こんな唐突にやって来て、一体どうかしたのルーフェン?」
「ああ。どうにも厄介な問題が発生しちまってな……」
王都エリシオンにあるタウンハウス、フレスベルグ邸の応接間にて。
ルーフェンは王都新聞に目を通しながら困った顔をしていた。
「念の為、久々に王都に来てみて正解だったかもな」
「ルーフェン、ちっとも話が見えませんわ。一体なんだって言いますの?」
「いやな、おそらく近々ルヴァイクからの大使がエリシオンへ来るんだが、その時にちっと不味い事になりそうなんだ」
私は愛する旦那様の為に、彼のお母様であるマリーナお義母様から、フレスベルグ家に伝わる家庭料理を教わっていた時。
突然ルーフェンがフレスベルグ邸に単身でやってきて、藪から棒に「今朝の王都新聞の新刊を見せてくれ」と言ってきたのだ。
私はルーフェンを応接間へと案内し、フレスベルグ邸のメイドさんに新聞を持って来てもらうとルーフェンはしばらく黙ったままそれを読んでいた。
「なあ、リフィル姉様。今日シュバルツ兄様とリドル卿はいつ帰ってくるんだ?」
日中はシュバルツ様もリドルお義父様も王宮へとお仕事に出ているので、今お屋敷にいるのは私とマリーナお義母様だけだ。
「いつもなら夕方くらいになればお二人ともお帰りになるけれど……」
「そうか。そんじゃあ兄様たちが戻って来たらまとめて話すわ。それまでちっとばかし俺は王都をぶらついてくるわ。アルカードじゃ手に入らねえ素材とか、魔導具とか買っておきたかったしな」
「え? ちょ、ちょっとルーフェン!?」
そう言い残してルーフェンは落ち着きなく、フレスベルグ邸から出て行ってしまった。
一体なんだと言うのだろう。
なんだか嫌な予感がする。
●○●○●
それからしばらくして。
ルーフェンは素材でパンパンに詰め込まれた皮袋を背負って戻って来たその少し後に、シュバルツ様とリドルお義父様もお仕事から戻られたので、私たちは全員で食堂に集まり、夕食がてらルーフェンの話を聞く事にした。
「三ヶ月ぶりだな、ルーフェン殿。元気そうでなによりだが、なにやら不穏なニュースを抱えていると見える」
「ああ、その通りだシュバルツ兄様。ちっとばかしめんどくせえ話をしなくちゃならねえ」
ルーフェンの顔が苦々しく歪む。
一体何があったと言うのだろう。
「およそ一年とちょっと前。王都エリシオンで開催された英傑選のあった日。ルヴァイク共和国の召喚師がとんでもねえ化け物を召喚して、この王都エリシオンを脅かしたあの事件があったろ?」
「ああ。もう一年以上前だとは思えないほど、あの時の記憶はよく残っている」
シュバルツ様の言葉に同じく、私も当時記憶は色濃く残っている。
はっきり言って、私もシュバルツ様もルーフェンもルーラも、いえ、それだけじゃない。王都に住む多くの人たちがあの事件によって死んでしまってもおかしくはないほどの騒動。
ルヴァイク共和国からの報復として、邪悪な召喚師がマジックデトネイター付きの魔物の大群を呼び寄せてエリシオン王国の中心部である王都エリシオンを襲った事件は、飛躍的に進化したシュバルツ様の力によって大事に至らずに済んだ。
その栄光を讃えられシュバルツ様は英傑の称号を取得し、このエリシオン王国最強と名高い騎士団長へと昇進した。
あの事件を経て、エリシオン国王であるビスマルク陛下は早急に緊急宮廷会議を開き、ルヴァイク共和国に対し通告を出す事を決めた。
その通告内容は、報復の意思表示だ。
ビスマルク陛下はあの事件に対して詳細な説明をルヴァイク共和国に求めた。そしてその内容如何によっては、ルヴァイク共和国に全面戦争を仕掛けざるを得ないと意思表示した。
ルヴァイク共和国はこれに対し、あの事件はアルベスタに住む召喚師の単独行動であり、決してルヴァイクの意思ではないと主張。
その誠意としてルヴァイクはエリシオン王国の南部、つまりはアルカード領の最南端の先、国境を越えた先にある前線基地を撤収させた。
抵抗の意思を下げた事により、ビスマルク陛下はルヴァイク共和国の最北端にあたる小さな領地、アルベスタという地域をエリシオン王国の一部とする事をルヴァイクへ伝え、ルヴァイクもこれに応じた。
こうしてエリシオン王国はその領土を広げたのである。
「アルベスタ領はエリシオン王国の領地となり、領主のドレイアム・アルベスタ伯爵もビスマルク陛下に忠誠を誓った。そうしてしばらくは両国の諍いも大人しくなっていたんだが、最近になって妙な動きが出てきてるんだよ」
ルーフェンが言うには、アルベスタ領内において不審な動きが見られているのだそうだ。
ルーフェンが治めるアルカード領の最南端にはグレイス孤児院と呼ばれる施設がある。
そこには多くの戦争孤児が流れ着いているのだが、ある日を境にその孤児たちを引き取ろうとする者が増えたのだとか。
それがアルベスタ領内に住む者たちなのだそうだ。
「それは戦争が落ち着いたからアルベスタ領の方々が孤児院の子供たちを身請けしてくださってるのではなくて?」
私の問い掛けにルーフェンは首を横に振った。
「俺も当初はそう思った。だが、よくよく調べてみるとアルベスタに孤児たちを身請けするほど裕福な貴族はそう多くねえんだ。それなのに、ここ最近、僅かの間になんと20人もの孤児たちが引き取られていったんだよ」
「20人も……それは確かに多いな」
シュバルツ様も怪訝な表情をしてみせる。
「ああ。孤児院にいる孤児を引き取ろうなんて奴はそう多くない。それで怪しんだ俺は諜報員を数名アルベスタ領へと送った。するとな、妙な事がわかった」
「妙な事、ですの?」
「ああ。引き取られた20人の子供らは全員、領主であるドレイアムに保護されたっていうんだ」
ドレイアム・アルベスタ伯爵はエリシオン王国の管理下のもとアルベスタ領を引き続き管轄する領主。
しかし長年に渡るエリシオン王国とルヴァイク共和国の小競り合いを前線で引き受け続けてきたせいで、領内は各地で荒れ、税収もままならず、はっきり言って以前のアルカードよりも貧乏な貴族だ。
定期的に始まるエリシオン王国とルヴァイク共和国の小規模戦争は、アルカードの南部とアルベスタの国境付近で行われたが、その際、実はアルカード領からの出兵はほとんどしていない。
元々アルカード領はエリシオン王国の中でも特に開発の進んでいない僻地であり、人口密度も高くなく村々も点々としている。アルカードのお屋敷があるカラム村みたいな農産を主軸に生活を営む村ばかりで、戦士や騎士なんてそう多くはいない。
ビスマルク国王陛下もそれをよく理解しており、ルヴァイクとの小競り合いの際にはアルカードの村人たちに徴兵せよとは命じず、王都エリシオンの兵士たちで小隊を作りアルカード南部にある前線基地でアルベスタと交戦していた。
「ビスマルク陛下は国民の事を第一に考えてくれる賢王だ。俺たちアルカード民に戦争の負担が及ばないようにそう配慮してくれたからこそ、俺もお父様もアルカード領をなんとかきりもりしてこれた。しかしルヴァイク共和国は違う。あそこは共和国とは謳っているが、実質は共和国中央部に位置する首都ルヴァイクの一部の特権階級が実権を握る言うなれば独裁国家だ」
ビスマルク国王陛下がルヴァイクを攻めて領地を奪おうとしている原因がこれだ。
ルヴァイク共和国の独裁政権によって様々な非人道的扱いを受けている不幸な人々を少しでも救いたいと考えたビスマルク陛下は、独裁政権を止めて国を見直せとルヴァイクに対し幾度も警告しそして協議したが、ルヴァイクは一向に耳を貸さなかったからである。
「だからルヴァイクはエリシオン王国からの攻撃を牽制しつつもアルベスタをいつでも切り離せるように最低限の物資しか送らなかったし、戦争時における兵士たちもアルベスタの領民だけで出兵させられていたらしいからな」
そうなればアルベスタ領民が疲弊し、領地がどんどんと荒んでいくのは当然だった。
「そんな中、例の英傑選でのイカれた召喚師が起こしたあの事件をきっかけに、ルヴァイクもアルベスタを明け渡してしばらくは小康状態となった。とはいえたった一年ちょっとでアルベスタが急激に裕福になるわけがねぇ」
「なるほど、それなのに20人もの孤児たちを一気に身請けするというのは少し……いえ、相当におかしいですわね」
「ああ、そうだ。そんでもってこんな書簡がつい先日、俺のもとに届いた」
ルーフェンはそういうと一通の書簡を取り出して、食卓の上に広げてみせる。
『アルカード領、領主ルーフェン卿。貴殿の妹君であられるルーラ・アルカード嬢を我が息子の妻として迎えたいと考えている。まずは折を見て一度そちらへお伺いするので、その際に詳しい話をさせて欲しい』
そしてその書簡の送り主はドレイアム・アルベスタ、と綴られていた。
「ええ!? ルーラを!?」
私は思わず声を荒げてしまった。
そんなまさか……どうしてルーラを?
「……っち、もう数日後か」
珍しくあのルーフェンが眉間にシワを寄せて頭をくしゃくしゃと掻き乱している。
「こんな唐突にやって来て、一体どうかしたのルーフェン?」
「ああ。どうにも厄介な問題が発生しちまってな……」
王都エリシオンにあるタウンハウス、フレスベルグ邸の応接間にて。
ルーフェンは王都新聞に目を通しながら困った顔をしていた。
「念の為、久々に王都に来てみて正解だったかもな」
「ルーフェン、ちっとも話が見えませんわ。一体なんだって言いますの?」
「いやな、おそらく近々ルヴァイクからの大使がエリシオンへ来るんだが、その時にちっと不味い事になりそうなんだ」
私は愛する旦那様の為に、彼のお母様であるマリーナお義母様から、フレスベルグ家に伝わる家庭料理を教わっていた時。
突然ルーフェンがフレスベルグ邸に単身でやってきて、藪から棒に「今朝の王都新聞の新刊を見せてくれ」と言ってきたのだ。
私はルーフェンを応接間へと案内し、フレスベルグ邸のメイドさんに新聞を持って来てもらうとルーフェンはしばらく黙ったままそれを読んでいた。
「なあ、リフィル姉様。今日シュバルツ兄様とリドル卿はいつ帰ってくるんだ?」
日中はシュバルツ様もリドルお義父様も王宮へとお仕事に出ているので、今お屋敷にいるのは私とマリーナお義母様だけだ。
「いつもなら夕方くらいになればお二人ともお帰りになるけれど……」
「そうか。そんじゃあ兄様たちが戻って来たらまとめて話すわ。それまでちっとばかし俺は王都をぶらついてくるわ。アルカードじゃ手に入らねえ素材とか、魔導具とか買っておきたかったしな」
「え? ちょ、ちょっとルーフェン!?」
そう言い残してルーフェンは落ち着きなく、フレスベルグ邸から出て行ってしまった。
一体なんだと言うのだろう。
なんだか嫌な予感がする。
●○●○●
それからしばらくして。
ルーフェンは素材でパンパンに詰め込まれた皮袋を背負って戻って来たその少し後に、シュバルツ様とリドルお義父様もお仕事から戻られたので、私たちは全員で食堂に集まり、夕食がてらルーフェンの話を聞く事にした。
「三ヶ月ぶりだな、ルーフェン殿。元気そうでなによりだが、なにやら不穏なニュースを抱えていると見える」
「ああ、その通りだシュバルツ兄様。ちっとばかしめんどくせえ話をしなくちゃならねえ」
ルーフェンの顔が苦々しく歪む。
一体何があったと言うのだろう。
「およそ一年とちょっと前。王都エリシオンで開催された英傑選のあった日。ルヴァイク共和国の召喚師がとんでもねえ化け物を召喚して、この王都エリシオンを脅かしたあの事件があったろ?」
「ああ。もう一年以上前だとは思えないほど、あの時の記憶はよく残っている」
シュバルツ様の言葉に同じく、私も当時記憶は色濃く残っている。
はっきり言って、私もシュバルツ様もルーフェンもルーラも、いえ、それだけじゃない。王都に住む多くの人たちがあの事件によって死んでしまってもおかしくはないほどの騒動。
ルヴァイク共和国からの報復として、邪悪な召喚師がマジックデトネイター付きの魔物の大群を呼び寄せてエリシオン王国の中心部である王都エリシオンを襲った事件は、飛躍的に進化したシュバルツ様の力によって大事に至らずに済んだ。
その栄光を讃えられシュバルツ様は英傑の称号を取得し、このエリシオン王国最強と名高い騎士団長へと昇進した。
あの事件を経て、エリシオン国王であるビスマルク陛下は早急に緊急宮廷会議を開き、ルヴァイク共和国に対し通告を出す事を決めた。
その通告内容は、報復の意思表示だ。
ビスマルク陛下はあの事件に対して詳細な説明をルヴァイク共和国に求めた。そしてその内容如何によっては、ルヴァイク共和国に全面戦争を仕掛けざるを得ないと意思表示した。
ルヴァイク共和国はこれに対し、あの事件はアルベスタに住む召喚師の単独行動であり、決してルヴァイクの意思ではないと主張。
その誠意としてルヴァイクはエリシオン王国の南部、つまりはアルカード領の最南端の先、国境を越えた先にある前線基地を撤収させた。
抵抗の意思を下げた事により、ビスマルク陛下はルヴァイク共和国の最北端にあたる小さな領地、アルベスタという地域をエリシオン王国の一部とする事をルヴァイクへ伝え、ルヴァイクもこれに応じた。
こうしてエリシオン王国はその領土を広げたのである。
「アルベスタ領はエリシオン王国の領地となり、領主のドレイアム・アルベスタ伯爵もビスマルク陛下に忠誠を誓った。そうしてしばらくは両国の諍いも大人しくなっていたんだが、最近になって妙な動きが出てきてるんだよ」
ルーフェンが言うには、アルベスタ領内において不審な動きが見られているのだそうだ。
ルーフェンが治めるアルカード領の最南端にはグレイス孤児院と呼ばれる施設がある。
そこには多くの戦争孤児が流れ着いているのだが、ある日を境にその孤児たちを引き取ろうとする者が増えたのだとか。
それがアルベスタ領内に住む者たちなのだそうだ。
「それは戦争が落ち着いたからアルベスタ領の方々が孤児院の子供たちを身請けしてくださってるのではなくて?」
私の問い掛けにルーフェンは首を横に振った。
「俺も当初はそう思った。だが、よくよく調べてみるとアルベスタに孤児たちを身請けするほど裕福な貴族はそう多くねえんだ。それなのに、ここ最近、僅かの間になんと20人もの孤児たちが引き取られていったんだよ」
「20人も……それは確かに多いな」
シュバルツ様も怪訝な表情をしてみせる。
「ああ。孤児院にいる孤児を引き取ろうなんて奴はそう多くない。それで怪しんだ俺は諜報員を数名アルベスタ領へと送った。するとな、妙な事がわかった」
「妙な事、ですの?」
「ああ。引き取られた20人の子供らは全員、領主であるドレイアムに保護されたっていうんだ」
ドレイアム・アルベスタ伯爵はエリシオン王国の管理下のもとアルベスタ領を引き続き管轄する領主。
しかし長年に渡るエリシオン王国とルヴァイク共和国の小競り合いを前線で引き受け続けてきたせいで、領内は各地で荒れ、税収もままならず、はっきり言って以前のアルカードよりも貧乏な貴族だ。
定期的に始まるエリシオン王国とルヴァイク共和国の小規模戦争は、アルカードの南部とアルベスタの国境付近で行われたが、その際、実はアルカード領からの出兵はほとんどしていない。
元々アルカード領はエリシオン王国の中でも特に開発の進んでいない僻地であり、人口密度も高くなく村々も点々としている。アルカードのお屋敷があるカラム村みたいな農産を主軸に生活を営む村ばかりで、戦士や騎士なんてそう多くはいない。
ビスマルク国王陛下もそれをよく理解しており、ルヴァイクとの小競り合いの際にはアルカードの村人たちに徴兵せよとは命じず、王都エリシオンの兵士たちで小隊を作りアルカード南部にある前線基地でアルベスタと交戦していた。
「ビスマルク陛下は国民の事を第一に考えてくれる賢王だ。俺たちアルカード民に戦争の負担が及ばないようにそう配慮してくれたからこそ、俺もお父様もアルカード領をなんとかきりもりしてこれた。しかしルヴァイク共和国は違う。あそこは共和国とは謳っているが、実質は共和国中央部に位置する首都ルヴァイクの一部の特権階級が実権を握る言うなれば独裁国家だ」
ビスマルク国王陛下がルヴァイクを攻めて領地を奪おうとしている原因がこれだ。
ルヴァイク共和国の独裁政権によって様々な非人道的扱いを受けている不幸な人々を少しでも救いたいと考えたビスマルク陛下は、独裁政権を止めて国を見直せとルヴァイクに対し幾度も警告しそして協議したが、ルヴァイクは一向に耳を貸さなかったからである。
「だからルヴァイクはエリシオン王国からの攻撃を牽制しつつもアルベスタをいつでも切り離せるように最低限の物資しか送らなかったし、戦争時における兵士たちもアルベスタの領民だけで出兵させられていたらしいからな」
そうなればアルベスタ領民が疲弊し、領地がどんどんと荒んでいくのは当然だった。
「そんな中、例の英傑選でのイカれた召喚師が起こしたあの事件をきっかけに、ルヴァイクもアルベスタを明け渡してしばらくは小康状態となった。とはいえたった一年ちょっとでアルベスタが急激に裕福になるわけがねぇ」
「なるほど、それなのに20人もの孤児たちを一気に身請けするというのは少し……いえ、相当におかしいですわね」
「ああ、そうだ。そんでもってこんな書簡がつい先日、俺のもとに届いた」
ルーフェンはそういうと一通の書簡を取り出して、食卓の上に広げてみせる。
『アルカード領、領主ルーフェン卿。貴殿の妹君であられるルーラ・アルカード嬢を我が息子の妻として迎えたいと考えている。まずは折を見て一度そちらへお伺いするので、その際に詳しい話をさせて欲しい』
そしてその書簡の送り主はドレイアム・アルベスタ、と綴られていた。
「ええ!? ルーラを!?」
私は思わず声を荒げてしまった。
そんなまさか……どうしてルーラを?
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