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第二部
54話 【閑話】ルーラの将来【sideルーフェン】
一体こいつのどこに殿下は惚れ込んだんだ……?
「はーん? なんですか兄様? ルーラの事、そんな怖い目で見て! このお茶菓子、ルーラばっかり食べてるから怒ってるですかー?」
こんな食い意地だけの大馬鹿のどこがそんなにいいんだ……。
「ほ、本当にいいんですか殿下? ルーラですよ? こいつのどこがそんなにいいんですか?」
「私はエリシオン王国の王太子という立場だ。父上はエリシオン王国を支える王として、次期国王となる私の正妃や子孫について深く考えなければならない。それは国交問題にも深く通ずる。ゆえに私は生まれた時から自分の意思決定で女性を愛する事は許されなかったんだ。全て国の為に、そして父上や母上が考える政治の為にパートナーもいざと言う時の側室も、その全てが決められていた」
そりゃエリシオンなんて大国を治める王様ともなりゃ当然か。
俺たち貴族間だって政略結婚なんて横行しているのが当たり前だし。
俺なんかこんなど田舎のアルカード領を管理管轄するだけでヒイヒイ言ってるんだ。国を考えるとなれば結婚も大変な深慮がいるのだろうな。
「しかし私はルーラと出逢って、ルーラと会話を重ねていくうちに抑えきれない気持ちが膨らんでいくのがわかってしまった。私はルーラを心から愛しているんだ」
「それがわからねえっす。ルーラのどこを好きになったのか……」
「ルーラのその容姿は言わずもがな、無垢で裏表のないその性格にどんどん惹かれたんだ。それでいて彼女はとても優しくて分け隔てない。私の事を色眼鏡で見ようとせず、接してくれる。そして私の事を好きだと言ってくれる。こんな素直で無垢で純粋な心を持った女性は他にはいないだろう」
殿下の赤く透き通るその瞳は微塵にも嘘を感じさせない。
なんというベタ惚れっぷりなんだと俺はむしろ気圧されてしまった。
「その……殿下。俺の妹のルーラはこんな感じだし、王族の仲間入りしたとしてもお妃教育なんか絶対に覚えられないっすよ? むしろ無礼の極みを突っ走り続けるような奴ですよ? 絶対やめといた方がいいです」
「いいんだ。お妃教育はある程度受けてもらうようになるかもしれないが、少しくらい破天荒な妃がいる国があっても、いいと思わないかい?」
レオガルド殿下がここまで言うならそりゃこっちとしても願ってもない話だが、当のルーラはどうなんだろうか。
「……おい、ルーラ。真面目な話しをするぞ。お前、本当にレオガルド殿下の妃になるつもりはあんのか?」
「ありますよ? だってレオガルド様、ルーラの事好きだって言ってくれますもん」
「いや、お前はどうなんだよ」
「ルーラもレオガルド様好きですよ? ルーラに優しいですし、お金もお菓子もたくさんくれます!」
「はあ……。あのなルーラ。今はそれでいいかもしれなくても、お前が本格的にレオガルド殿下と婚約するなら今のままじゃ駄目なんだよ。お前の嫌いなお勉強とかもたくさんして、外で暴れ回ったりなんかもできなくなるんだぞ?」
こう言えばさすがのルーラも殿下とは結婚したくない、と言うだろう。
しかし殿下は異様なほどルーラに御執心だからな……。ルーラが殿下との結婚を嫌がったとしても無理やり結婚してこようとするかも。
などと俺が考えていると。
「そうなんですか。でもルーラ、レオガルド様とけっこんするですよ」
と、俺の予想を180度ひっくり返してきた反応をする。
「は? ルーラお前わかってんのか? 殿下と結婚するって事はお前は将来王妃になるんだぞ。お前の苦手な文字や算数の勉強以外にたくさんたくさん覚える事が増えるんだぞ?」
「ルーラ、頑張りますです!」
「ええ……だってお前、いつも家庭教師からの勉強とかも全然やらなかったし、俺やお父様が勉強を見てやるって言っても何にも聞かなかったじゃねーかよ」
「ルーラ、勉強嫌いですもん」
「だったらやっぱり無理だろ」
「できます。ルーラ、レオガルド様の為になるならやりますよ」
「は? え?」
「ルーラ、レオガルド様のこと、アルカードの家族みんなと同じくらい大好きです。ルーラは馬鹿だからまだよくわかってないかもしんないですけど、ルーラはレオガルド様以外とちゅーとかしたくないですもん」
「な、なに?」
「ルーラ、他の男は友達になれますですけど、レオガルド様とは違います。レオガルド様だけはルーラにとってもなんか特別なんです。だからレオガルド様が望むならルーラはちょっとぐらい勉強とか辛いのとかも我慢しますですよ」
ルーラ、こいつ……。
「お前、それだったらお見合いとか受けるって言うなよ」
「だってルーラもレオガルド様みたいにたくさんこんやくしゃいれば、リフィル姉様みたいに綺麗になれるし、お金持ちの人いればけっこんしてお金をアルカードに支援してもらえると思ったんですもん」
「結婚ってお前……そうしたらレオガルド様はどうするつもりだっだんだよ?」
「レオガルド様、ルーラが16歳になるまでけっこんは待つって言ってくれました。だからルーラは16歳までにたくさんけっこんして、りこんして、お金ぶんどろうと考えてたんですよ!」
ふふん、とルーラは胸を張っているがなんつーとんでもない事を考えてやがったんだ。
「ルーラ、お前は何を言っているんだ。そもそも結婚は16歳にならないとできないんだぞ……」
「何言ってるはそっちですよ兄様。だって兄様たち、元々ルーラの事を16歳の体裁にしてお見合いさせるつもりだったですよね?」
こいつ、そこは理解してんのか。
確かに俺はそのつもりだったが、実際に結婚させるかどうかは相手が理解ある家族の場合だけと考えていたんだけどな。
とはいえ、こいつはなんか変にずる賢いところがあるな。
「だからルーラはレオガルド様とちゃんとけっこんする本当の16歳になるまで、兄様たちのオススメしてきたお見合いをして、ルーラも綺麗になって、お金持ちからお金たくさんもらおうと思ったですよ。それで8年後の本当の16歳になったらレオガルド様とけっこんするつもりでした!」
「……ルーちゃんは優しいもんねぇええ」
それまで黙ってたリアナお母様が急に涙ぐんでそんな事を言い出した。
「母様はちゃあんとわかっていますからね。ルーちゃんが私たちの事を思ってお金を稼いで楽にさせようとしてくれてる事をねえぇぇ」
「さすが母様なのです! ルーラ、レオガルド様のところ行っちゃったらアルカードの為に出来る事が減っちゃうと思ったです。だからレオガルド様のところ行く前に、できる事たくさんしようと思ったです!」
「ルーちゃぁぁああん……! あなたはなんて良い子なのぉぉぉ……ぎゅううううっ!」
「えへへへ! 母様ぁー!」
なるほど、そういう事か。
こいつはこいつなりに俺たちの心配をしていたのか。
確かにアルカード家はルーラの仕事によって支えられている点も多い。ギルドの報酬、狩りによる食料の確保。領地内の警備等々。
自分がレオガルド殿下に嫁げば、そういう収入が無くなる事を見越してそんな事を言い出したってわけか。
「……馬鹿ルーラが。そんな事、お前は気にしなくていいんだよ。今はエリシオン王国からの援助やリフィル姉様たちからの仕送りもあるし、アルカード領は以前よりも随分と楽な暮らしができてる。お前の稼ぎくらいなくたって何でもねぇんだからよ」
ったく、ルーラの奴め。
あれか。リフィル姉様がフレスベルグ家に嫁いじまってから、余計に俺たちに心配をかけたくなかったのもあったのかもな。
「ではルーフェン殿、フリック殿、リアナ殿。私とルーラの婚約を認めてもらえるだろうか?」
ここまで言われて認めないわけにはいかない。
俺たちはレオガルド殿下とルーラの婚約を認める事にした。
――それからおよそ一週間後。
レオガルド殿下より、話がまとまったとの通達を受け、俺とフリックお父様とリアナお母様、それとルーラを連れて久方ぶりにエリシオン王国の王宮へと赴いた。
そして改めてビスマルク・エリシオン国王陛下、エリザベス・エリシオン国王妃陛下、そしてレオガルド王太子殿下に謁見し、王宮の食堂をお借りして、両家で会食を行なった。
「我が愚息のわがままを聞いてもらい、心より感謝する」
両陛下は俺たちにそう言って頭を下げてくれた。
俺たちもこちらこそ馬鹿な妹をよろしくお願いしますと深く頭を下げ、こうしてレオガルド殿下とルーラは晴れて公認の婚約関係となった。
ただ殿下はこれまでの婚約関係者たちに頭を下げに行かなくてはならないし、陛下たちとも散々に揉めているらしいのでしばらくは混乱が続きそうだと言っていた。
王家の方が落ち着いたらルーラは宮殿で住む事となり、それからお妃教育を始める事に決まった。
会食を終え、王都エリシオンからの帰りの馬車の中。
「父様、母様。それとルーフェン兄様。色々ありがとです。ルーラ、今までいっぱい迷惑かけてごめんなさい」
と、ルーラは唐突に珍しく殊勝な言葉を吐いた。
こいつもこいつなりにレオガルド殿下との結婚が大変な事であるのを多少は理解したのかもしれない。
なんにせよ、俺としてはルーラにも無事パートナーができた事を素直に嬉しく思った。
「んふふ。ルーちゃんの次はルーくんね。母様、ルーくんにお似合いのお姫様を探すわねえ」
「そうだねえ。私の足のせいでルーフェンには大変な気苦労を掛けた。今度こそ私たちは責任をもってお前のパートナーを探してあげないとだね」
と、リアナお母様とフリックお父様が言っていたが、俺はしばらくそういうのはいいや、と思った。
リフィル姉様とルーラが幸せになってくれれば俺はそれで十分幸せだしな。
こうして俺たちアルカード家は数奇な運命によって、王家との深い繋がり持つ事となったのであった。
「はーん? なんですか兄様? ルーラの事、そんな怖い目で見て! このお茶菓子、ルーラばっかり食べてるから怒ってるですかー?」
こんな食い意地だけの大馬鹿のどこがそんなにいいんだ……。
「ほ、本当にいいんですか殿下? ルーラですよ? こいつのどこがそんなにいいんですか?」
「私はエリシオン王国の王太子という立場だ。父上はエリシオン王国を支える王として、次期国王となる私の正妃や子孫について深く考えなければならない。それは国交問題にも深く通ずる。ゆえに私は生まれた時から自分の意思決定で女性を愛する事は許されなかったんだ。全て国の為に、そして父上や母上が考える政治の為にパートナーもいざと言う時の側室も、その全てが決められていた」
そりゃエリシオンなんて大国を治める王様ともなりゃ当然か。
俺たち貴族間だって政略結婚なんて横行しているのが当たり前だし。
俺なんかこんなど田舎のアルカード領を管理管轄するだけでヒイヒイ言ってるんだ。国を考えるとなれば結婚も大変な深慮がいるのだろうな。
「しかし私はルーラと出逢って、ルーラと会話を重ねていくうちに抑えきれない気持ちが膨らんでいくのがわかってしまった。私はルーラを心から愛しているんだ」
「それがわからねえっす。ルーラのどこを好きになったのか……」
「ルーラのその容姿は言わずもがな、無垢で裏表のないその性格にどんどん惹かれたんだ。それでいて彼女はとても優しくて分け隔てない。私の事を色眼鏡で見ようとせず、接してくれる。そして私の事を好きだと言ってくれる。こんな素直で無垢で純粋な心を持った女性は他にはいないだろう」
殿下の赤く透き通るその瞳は微塵にも嘘を感じさせない。
なんというベタ惚れっぷりなんだと俺はむしろ気圧されてしまった。
「その……殿下。俺の妹のルーラはこんな感じだし、王族の仲間入りしたとしてもお妃教育なんか絶対に覚えられないっすよ? むしろ無礼の極みを突っ走り続けるような奴ですよ? 絶対やめといた方がいいです」
「いいんだ。お妃教育はある程度受けてもらうようになるかもしれないが、少しくらい破天荒な妃がいる国があっても、いいと思わないかい?」
レオガルド殿下がここまで言うならそりゃこっちとしても願ってもない話だが、当のルーラはどうなんだろうか。
「……おい、ルーラ。真面目な話しをするぞ。お前、本当にレオガルド殿下の妃になるつもりはあんのか?」
「ありますよ? だってレオガルド様、ルーラの事好きだって言ってくれますもん」
「いや、お前はどうなんだよ」
「ルーラもレオガルド様好きですよ? ルーラに優しいですし、お金もお菓子もたくさんくれます!」
「はあ……。あのなルーラ。今はそれでいいかもしれなくても、お前が本格的にレオガルド殿下と婚約するなら今のままじゃ駄目なんだよ。お前の嫌いなお勉強とかもたくさんして、外で暴れ回ったりなんかもできなくなるんだぞ?」
こう言えばさすがのルーラも殿下とは結婚したくない、と言うだろう。
しかし殿下は異様なほどルーラに御執心だからな……。ルーラが殿下との結婚を嫌がったとしても無理やり結婚してこようとするかも。
などと俺が考えていると。
「そうなんですか。でもルーラ、レオガルド様とけっこんするですよ」
と、俺の予想を180度ひっくり返してきた反応をする。
「は? ルーラお前わかってんのか? 殿下と結婚するって事はお前は将来王妃になるんだぞ。お前の苦手な文字や算数の勉強以外にたくさんたくさん覚える事が増えるんだぞ?」
「ルーラ、頑張りますです!」
「ええ……だってお前、いつも家庭教師からの勉強とかも全然やらなかったし、俺やお父様が勉強を見てやるって言っても何にも聞かなかったじゃねーかよ」
「ルーラ、勉強嫌いですもん」
「だったらやっぱり無理だろ」
「できます。ルーラ、レオガルド様の為になるならやりますよ」
「は? え?」
「ルーラ、レオガルド様のこと、アルカードの家族みんなと同じくらい大好きです。ルーラは馬鹿だからまだよくわかってないかもしんないですけど、ルーラはレオガルド様以外とちゅーとかしたくないですもん」
「な、なに?」
「ルーラ、他の男は友達になれますですけど、レオガルド様とは違います。レオガルド様だけはルーラにとってもなんか特別なんです。だからレオガルド様が望むならルーラはちょっとぐらい勉強とか辛いのとかも我慢しますですよ」
ルーラ、こいつ……。
「お前、それだったらお見合いとか受けるって言うなよ」
「だってルーラもレオガルド様みたいにたくさんこんやくしゃいれば、リフィル姉様みたいに綺麗になれるし、お金持ちの人いればけっこんしてお金をアルカードに支援してもらえると思ったんですもん」
「結婚ってお前……そうしたらレオガルド様はどうするつもりだっだんだよ?」
「レオガルド様、ルーラが16歳になるまでけっこんは待つって言ってくれました。だからルーラは16歳までにたくさんけっこんして、りこんして、お金ぶんどろうと考えてたんですよ!」
ふふん、とルーラは胸を張っているがなんつーとんでもない事を考えてやがったんだ。
「ルーラ、お前は何を言っているんだ。そもそも結婚は16歳にならないとできないんだぞ……」
「何言ってるはそっちですよ兄様。だって兄様たち、元々ルーラの事を16歳の体裁にしてお見合いさせるつもりだったですよね?」
こいつ、そこは理解してんのか。
確かに俺はそのつもりだったが、実際に結婚させるかどうかは相手が理解ある家族の場合だけと考えていたんだけどな。
とはいえ、こいつはなんか変にずる賢いところがあるな。
「だからルーラはレオガルド様とちゃんとけっこんする本当の16歳になるまで、兄様たちのオススメしてきたお見合いをして、ルーラも綺麗になって、お金持ちからお金たくさんもらおうと思ったですよ。それで8年後の本当の16歳になったらレオガルド様とけっこんするつもりでした!」
「……ルーちゃんは優しいもんねぇええ」
それまで黙ってたリアナお母様が急に涙ぐんでそんな事を言い出した。
「母様はちゃあんとわかっていますからね。ルーちゃんが私たちの事を思ってお金を稼いで楽にさせようとしてくれてる事をねえぇぇ」
「さすが母様なのです! ルーラ、レオガルド様のところ行っちゃったらアルカードの為に出来る事が減っちゃうと思ったです。だからレオガルド様のところ行く前に、できる事たくさんしようと思ったです!」
「ルーちゃぁぁああん……! あなたはなんて良い子なのぉぉぉ……ぎゅううううっ!」
「えへへへ! 母様ぁー!」
なるほど、そういう事か。
こいつはこいつなりに俺たちの心配をしていたのか。
確かにアルカード家はルーラの仕事によって支えられている点も多い。ギルドの報酬、狩りによる食料の確保。領地内の警備等々。
自分がレオガルド殿下に嫁げば、そういう収入が無くなる事を見越してそんな事を言い出したってわけか。
「……馬鹿ルーラが。そんな事、お前は気にしなくていいんだよ。今はエリシオン王国からの援助やリフィル姉様たちからの仕送りもあるし、アルカード領は以前よりも随分と楽な暮らしができてる。お前の稼ぎくらいなくたって何でもねぇんだからよ」
ったく、ルーラの奴め。
あれか。リフィル姉様がフレスベルグ家に嫁いじまってから、余計に俺たちに心配をかけたくなかったのもあったのかもな。
「ではルーフェン殿、フリック殿、リアナ殿。私とルーラの婚約を認めてもらえるだろうか?」
ここまで言われて認めないわけにはいかない。
俺たちはレオガルド殿下とルーラの婚約を認める事にした。
――それからおよそ一週間後。
レオガルド殿下より、話がまとまったとの通達を受け、俺とフリックお父様とリアナお母様、それとルーラを連れて久方ぶりにエリシオン王国の王宮へと赴いた。
そして改めてビスマルク・エリシオン国王陛下、エリザベス・エリシオン国王妃陛下、そしてレオガルド王太子殿下に謁見し、王宮の食堂をお借りして、両家で会食を行なった。
「我が愚息のわがままを聞いてもらい、心より感謝する」
両陛下は俺たちにそう言って頭を下げてくれた。
俺たちもこちらこそ馬鹿な妹をよろしくお願いしますと深く頭を下げ、こうしてレオガルド殿下とルーラは晴れて公認の婚約関係となった。
ただ殿下はこれまでの婚約関係者たちに頭を下げに行かなくてはならないし、陛下たちとも散々に揉めているらしいのでしばらくは混乱が続きそうだと言っていた。
王家の方が落ち着いたらルーラは宮殿で住む事となり、それからお妃教育を始める事に決まった。
会食を終え、王都エリシオンからの帰りの馬車の中。
「父様、母様。それとルーフェン兄様。色々ありがとです。ルーラ、今までいっぱい迷惑かけてごめんなさい」
と、ルーラは唐突に珍しく殊勝な言葉を吐いた。
こいつもこいつなりにレオガルド殿下との結婚が大変な事であるのを多少は理解したのかもしれない。
なんにせよ、俺としてはルーラにも無事パートナーができた事を素直に嬉しく思った。
「んふふ。ルーちゃんの次はルーくんね。母様、ルーくんにお似合いのお姫様を探すわねえ」
「そうだねえ。私の足のせいでルーフェンには大変な気苦労を掛けた。今度こそ私たちは責任をもってお前のパートナーを探してあげないとだね」
と、リアナお母様とフリックお父様が言っていたが、俺はしばらくそういうのはいいや、と思った。
リフィル姉様とルーラが幸せになってくれれば俺はそれで十分幸せだしな。
こうして俺たちアルカード家は数奇な運命によって、王家との深い繋がり持つ事となったのであった。
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