古風な女です。

鬼龍院美沙子

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寝付けない日々。

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私は60代後半の独身女性だ。
旦那は20年前に亡くなった。
そこそこの金を残してくれて私はタワーマンションに住んでいる。
最上階から観る夜の夜景は最高だ。
しかし夜が寝れない。
クーラーを一定温度にしても枕も最新にしてもベッドも掛け布団もどうもしっくり来ない。
それにこのタワーマンションどうも住みにくい。
でも仕方ない。
友人が久しぶりに私を呼んだ。彼女は大阪の堺市に住んでいる。
彼女の家は昔ながらの木造の家で畳の部屋ばかりで廊下もある。
壁も土壁だ。
なんだか本当に落ち着く。昔、子供の頃の懐かしさでいっぱいになる。彼女も独身になった。
私は最近のことやあれこれと話して笑ってた。
お酒も入り私は彼女の家に泊まることにした。
友人は押し入れからふとんを出し秋だからと綿の掛け布団を出した。重たくないからねと言う。敷き布団も綿のふとんだ。
シーツを敷き詰めてパットをひいてくれた。
枕も昔ながらのそば枕。
本当に昔に戻った。
クーラーも一定温度にして二人でふとんを並べて話して寝た。
久しぶりにゆっくりとたっぷりと寝て体が頭がスッキリした。
私は彼女にこんなふとんどこにあるの?と尋ねた。
彼女は知り合いにふとん屋があると言う。
彼女の生活は昭和時代そのものだ。
打ち直しもするし冬はそこに頼んで軽くって直ぐに暖かくなる羽毛を選別して作ってくれると言う。カバーもそれに合うカバーを選別していつも注文すると言う。
それに夜は彼氏がたまにくるらしい。
あらゆる動きをしても汗だくになってもベトベトしないと言う。
もう70近いからベッドから運動の最中落ちたら大変だからと
笑って言う。
確かにそれは言える。
今いる彼氏の話題で話しが弾み結局2日間泊まった。
家に帰るとやっぱり寝付けない。
あらゆることをしても寝付けない。
私は友人に連絡してそのふとん屋を紹介してもらった。
二人でそのお店に行くと綿のふとんが沢山陳列されている。
奥からカッターシャツを着て黒のスラックスを履いて眼鏡をしてる男性が相手をしてくれた。
その男性はどこか見覚えある。
私より年下で社会人アスリート柔道選手だった主人に小さな体で当時大学生の彼が主人と互角の試合をして引き分けになり延長二回して判定で主人が勝ちを決めた相手だった。
主人は君の勝ちや!
いえいえありがとうございましたと丁寧に頭を下げて主人は彼を何度か食事に誘ってたからだ。
山下君?はいそうですが?
私は主人の名前を言うと先輩の奥さんですかと話しが弾んだ。
彼も還暦を過ぎているが当時のままの体型で懐かしい。
彼は父親が急死してこの店を継いだらしい。
独身でいる。
一時期はタレントとして映画やテレビにも出てたこともあり主人はテレビで彼を応援してた。
この店で店長として働いてから誰とも付き合いはないらしい。
彼は丁寧に色々と説明してくれた。
私は彼に注文をして帰った。
知り合い?昔、主人が試合した相手なの。
主人は体重85キロで彼は60キロ。それでも互角に試合したから主人は彼を食事に連れて行くは柔道を教えるわで弟みたいに可愛いがってたよ。
主人が亡くなった時に紫色の座布団持ってきて先輩と言って仏壇の前に置いて帰るから私泣いてしまったのよ。
彼のお店だったんだ。
二週間ほどしてから注文した敷き布団と掛け布団がきた。
彼にお願いして目の前でカバーを着けてもらいその時は彼は帰った。
その夜は彼が勧めた寝具で不思議にぐっすりと眠りに入った。
次の日も確かに寝やすい!
昔の感覚だ。
私は友人にそのことを話すと彼女も同じ事を言う。
ぐっすり寝れる!
ふとんの作り方も違うからだと言う。
私はフローリングの部屋に畳を敷き詰め畳の生活に戻した。
い草の香りが落ち着く。
友人を呼ぶとやっぱり昔ながらの生活やよねと言う。
彼氏がたまにくるが寝やすいと誉めてくれた。
これからは昔ながらのふとんで良いからと言う。
私は常に着てる肌着も綿の物にしていくと体調も段々良くなってきてる気もする。
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