虹色小判

しまたろす

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第1章 学生編

3 いざ!学校へ!

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「店長ー。すみませんが次の土曜のバイトは休ませて欲しいです。」

「ん!何かあったのか?大丈夫かい?」

「いや、じいちゃんと旅行でも行こうかと思って!」

「あーそういうことかい。なら全く構わないよ。」

「ありがとございます。助かります!」

「いつも助かってるのは店の方だから気にしないで。もし何かあったら公私関係なく、いつでも連絡してくれれば良いから。」

「わかりました。ありがとございます。」


店長さんは僕の家庭事情を知っている。
じいちゃんに何かあったとき
直ぐに向かいたいため、面接のときに事情を話した。
そしたら返ってきた言葉が

『よし。君、採用!何かあったら店長の僕に言うように。ただし無理せず必ず伝えること。真面目に働いてくれそうだし、慣れたら何でも相談してね。』


だった。迷惑かける前提だし何故そこまで!?
と思い、つい何故と聞き返してしまったら

『まあ簡単に言うと応援したくなっちゃった。かな。』

と返された。
この人の店だからすぐ馴染んでしまい、
バイト以外でも甘えさせて貰ってる。


「では、そういうことなのでよろしくお願いします。」

「あいよー」







その後周辺のお店などを調べ、旅行当日を迎えた。
学校の目の前に駅があるため、
のんびり行くことにした。
いつもより少し違う会話を交えて、
電車に揺られながら街へと向かった。
元々旅行気分だったため自由できる時間は
だいぶ取ってあった。
昔、父さんが仲良かった店に行ったり、
じいちゃんがばあちゃんと行ったことのある店を
色々探してみたりした。




さあさあやって参りました、
本日の第二の目的である学校に!
門には警備員の人達と守衛さんぽい人が居た。

「すみません。こんな手紙が届いたのですが。」

「あー。久々に来ましたねー。少し前に流行ったんですよねー。こういった悪戯がー。酷い人は『俺は当選者だ!』って言い切るのもいましたねー。」

守衛の事務的なふわふわした
お姉さんが教えてくれた。
やっぱり悪戯だったか。

「でもー。今日はちゃんと接待しろって、上から言われたんですよねー。ではご案内いたします。黒蜂様。」

「「本物かい!」」

じいちゃんとハモった。
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