虹色小判

しまたろす

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第1章 学生編

17 最後の1人

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お茶をしばきながら、ダラダラと3人で過した。
空海くんと染次郎くんは、口は悪いが
なんだかんだで、じゃれ合ってる感じだった。

「あー腹減ったー。もう飯じゃね?空海どうすんの?」

「普段は適当に食ってるが、たまにはわちゃわちゃするか。オススメは?」

「さすが空海!寮の食堂行こーぜ。澪音も知ってるし。」

「あ、いいですね!もしかしたら炎帝くんと琥珀さんも、いるかもしれませんし!」

「炎帝のとこに住んでんだな。どうせなら誘えばいいじゃねーか。お嬢様ならウキウキでくるだろ。」






「そんな楽しそうな場所、僕らも呼んでくれないと~」

「本当よ~。仲間外れしないで欲しいわ~。」






ドアが開いた向こうにいたのは、
雷牙くんと葉月さんだった。


こっちにくるなんて、珍しいじゃねぇーか、しかも2人揃って。商談か?」

「まあそんな感じかな。それはさておき、僕たちもその楽しそうなお昼ご飯に入れてよ。ちょっとした、澪音ちゃんの歓迎会ってことで。」

「え!そんなわざわざいいですよ。普通にみんなでお昼にしましょうよ!」

「まあ普通にお昼するだけなんだけどね。それに1人紹介したい人がいるから。」

「そ~ね~。あの子にも声かけないと、絶対不貞腐れるわね~」

「その前に雷牙がキレられるに1票。」

「それなら、まずど突かれるに1票。」

「空海も染次郎もやめてくれよ。なんで僕が…って言いたいけど、心当たりがありすぎるや。あれはあれで可愛い所があるんだぜ?」

「「しらねぇーよ」」




その辺のまとめ役は雷牙くんらしく、
琥珀さんに連絡して、オッケーを貰ったとのこと。
まあ今の面子の場合は葉月さんとの2択だもんね。


「おうおう、おめぇも言うようになったじゃねか。」

「おうおう、そんなにかまって欲しいのか?」


口に出してないのに、2人に絡まれる。
でもこんな気さくな会話が出来るのは嬉しい。


「「気持ち悪っ。」」


『うるせーよ』と2人に返すと、プロレス技をかけられました。




そして更に電話をかける雷牙くん。


「あーもしもし、今日の昼にみんなでご飯にするから来てね。場所は炎帝の寮の食堂になります~。じゃあ。」 ブチッ

「相変わらず要件人間ね。すみれちゃんが可愛そうだわ。」

「すみれだけが特別なんだよ~。おかんみたいな所があるから、ついつい甘えちゃうんだよね~」

「尚更大切にしなさい。お姉ちゃんも怒るわよ?」

「そんな家庭絶対嫌だわ。」


こちらでもプロレス技の応酬が繰り広げられていた。





お決まりのお決まりの車で移動し、食堂へ入ると
琥珀さんと炎帝くんが、既に待っていた。


「ほんと君たち急だよね。それでも僕は嬉しいけど。」

「そうですよ炎帝くん!こんな大人数でしかも一緒の学校でお昼を食べれるなんて、これ以上の青春はなんてないですわ♪」

「いや、もっとあると想いますよ。お嬢。」

「今はこれが1番ですの!」

「そうですね。お嬢。」


炎帝くんの同意の後、みんなの口元が緩む。


「琥珀ちゃん可愛い♡ナデナデ そう考えると全員集まるのは初めてかしらね?」

「かもね。学校側も問題児ぼくたちが集まることは、基本良しとしないからね。」

「そうよね。私ですら嫌になるときあるものね。とくにそこの馬鹿二人。」


細めで眺められ、片割れの染次郎くんが言い返す。


「こんな機会滅多にないだ。だからこそものにするのが商人だろ?」

「あんたに言われるのはムカつくけど、それもそうね、楽しみしょうか。」






僕達も席についたとき、豪快にドアが開いた。
そして小走りで少女が入ってきて、雷牙くんの首元を掴んで揺すった。


「雷牙あんたね!いっつもいっつもいっつも勝手すぎなのよ!なんなのよあの素っ気ない電話!こっちの話しぐらいききなさいよ!」




馬鹿ふたりの賭けはドローとなった。

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