虹色小判

しまたろす

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第2章 天界編

29 潜在的なスキル

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「先ずは魔素を摂り込んで、潜在するスキルを引き出さしてもらいます。」


メルさんに言われみんな外へと向かい、横一列に並ぶ。


「あ、あの!痛みとかってないんですか!?」


すみれさんの質問に、メルさんが答える。


「安心してください。痛みは伴いません。少し違和感を覚えるくらいです。」


『手、繋いどく?』と葉月さんが歩み寄って行く。


「それでは皆さんよろしいでしょうか?」


各々OKのサインをだす。


『はぁっ』とメルさんが呟くと、光が全員を包み込む。




「終わりました。頭の中で思い浮かべればスキルのことが、なんとなくわかるはずです。」



「「「「「「「「おぉ~」」」」」」」」


「じゃあみんなでどんな能力か確認しようか!これから頼れるのは当面この8人だけだし。何より気になるよね!てことでメルちゃんちょっと時間いいかな?」


「わかりました。私自身もどんな能力か確認したいのでお願いします。」


『では、僕からいきましょうか。』と炎帝くんから申告していく。


「僕の能力は『創意工夫クリエイター』でした。ざっくり言うとスキルを融合したり、スキル自体を新たに生み出すスキルですかね。器用貧乏になりそうですね。」


『異世界でも天才かよ』『チートじゃん』と声があがる。
確かに限度はわからないが、どんなスキルでも手に入れれるってやばいよね。


「じゃあ次は私しで。私しの能力は『神出鬼没テレポーテーション』ですわね。範囲はありますが瞬間移動ができるのと、空間からの物の出し入れも出来ますわね。」


武器えものを出し入れできるとなると、お嬢に最適の能力かもしれませんね。」


「炎帝くんのスキルで魔法がつかえる武器を、造ってもらうのも素敵ですわね。」


「そうですね。そう言われると僕のスキルは、戦闘以外でも役に立ちそうですね。」


早速相談し合う琥珀さんと炎帝くん。
『瞬間移動はいいな~』『物も出せるし猫型ロボットじゃん』
などの言葉も飛び交う。


「んじゃ次は俺かな。僕は男のロマンを手に入れた。見て驚かないでよ。『変身ショータイム』」


雷牙くんの掛け声と同時に、戦隊物みたいな赤いスーツを身に纏う。


「僕の能力は『勧善懲悪スーパーヒーロー』さ。色ごとの変身により色んな能力が使えるようになる。」


「「「かっけぇー!」」」


染次郎くんと空海くん、そして俺のテンションが上がる。


「男というより少年こどもね。」


葉月さんの言葉が突き刺さるが、それでも羨ましい。
憧れるよね。変身できるって。


「そのまま次は私かしら。私の能力は『曖昧模糊ファンタスティック』分身をを出せたり、姿を変えたり消したりができるわね。」


「「そっちがあったか。」」


と崩れ落ちる雷牙くんと空海くん。
絶対最後の能力を聞いてだと思う。
これは正真正銘、男の憧れだよね。


「ほんと馬鹿共ね。私はすみれちゃんしか興味ないわ。」


「え、私?どういうこと?」


「透明人間がやることと言った覗きしかないべ。」



立ち直った雷牙くんの発言に『最低!』っと、
すみれさんの拳が放たれる。


「あいつらほんと飽きないよな。次は俺の番か!雷牙ちょっとこっち来てみろ。」


『へいへい』と言いながら雷牙くんが空海くんに近づくと、
途中で見えない何かにぶつかった。


「痛っ。…これは…もしかして…」


「そうさ俺の能力は『絶対防御バリア』さ!変身も捨てがたいが、これも男の浪漫!」


『先がおもいやられるわね。』『今に始まったことではないですよ。』
とため息をつく葉月さんと炎帝くんを他所に、
2人は肩を組んで喜びを分かち合っている。


「次は俺だ!俺の能力は『弱肉強食ナチュラリー』だ。食べたものの力を少し能力として、使うことが出来る。異世界の飯が楽しみだぜ♪」


これにはみんな納得の表情だ。
でも染次郎くんの食欲に能力が比例すると思うと
ある意味チートかもしれない。


「…私の能力は『一蓮托生ヒロイン』だった。仲間と色んな力や情報を共有したり、譲渡できたりする能力らしい。……ヒロインなんて恥ずかしい。メルヘンチックの乙女みたいじゃん。」


真っ赤な顔がとうとう俯いてしまう。
『えー!すみれちゃんにピッタリじゃん!似合うよ~』
と葉月さんがなでなでする。
確かに俺も『勇者』とか『暗殺者』とかだったら
恥ずかしいかも。


「最後は俺か。俺も少し恥ずかしいというか使いづらいというか。」


『勿体ぶらず早くしろよ!』『お前も浪漫こっち側か?』
と野次が飛んでくる。


「俺の能力は『抱腹絶倒ユーモラス』。駄洒落を言って、笑えば現実になる能力。」
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