虹色小判

しまたろす

文字の大きさ
上 下
30 / 33
第2章 天界編

30 出陣

しおりを挟む
「まあ形にはなってきたな。及第点ってとこか。」


「ハァハァ…」




あれから何日たっただろうか。いや何ヶ月か。
この空間にはカレンダーどころか時計すら無いため、
知る術がない。

そんな空間で俺はひたすら戦闘技術を身につける。
倒されど倒されど身につけるいる。
魔法やスキルのおかげで強くなる!
と思ったが現実は甘くなかった。
俺の最強のスキルは『抱腹絶倒ユーモラス』。
駄洒落が現実になる力。
しかも笑わないと現実にならない。

例えば敵が剣で切り込んできたとしよう。
そこで俺が『サイ・・を切り裂い・・た』と洒落まほうを唱えたとしよう。
相手が笑えば相手は魔法で現れたサイを切り裂くだろう。
笑わなければ何も起こらないのだ。
なので戦闘ではほぼ使えないのだ。

しかしこれが非戦闘になると、とても便利なのだ。
が現れた、びっくり!』と
唱え、
俺が笑えばそこに魚が現れるのだ!

しかも魔法は消費する魔素が多いほど、規模が大きくなる。
逆にいえば規模が大きくなるほど、消費が激しくなる。
だが俺の場合は駄洒落の内容関係無く、1回分の消費となる。
どんな現象が起きようが魔素の消費は一定なのだ。

そのため俺は今、後天的に得ることの出来る魔法を駆使して、
化物達と戦闘くんれんをしている。


今日の対戦相手の染次郎くんは、基本『身体強化』という、
一時的に身体能力を向上させる魔法しか使わない。
が、元が元のため鬼に金棒状態。
しかも長時間『身体強化』をかけていることによって、
常に違和感なく戦えるまでたどり着いてる。
どこぞの戦闘民族だよ。
他のみんなも魔法を使えることによって、更に強くなっていた。
炎帝くんと雷牙くんと空海くんで、最強のロボットを創ろうとして、
葉月さんの横やりが入り、結果
見た目と行動は本物の猫と見分けがつかないが、
毛はは鋼の様に固く、口からレーザーを吐く、
AI猫型ロボット『タマ』を完成させた時はメルさんもドン引きだった。




今日も今日とて午前中の訓練を終え、
いつも通りみんなで昼食を取っていると、
雷牙くんがテーブルのみんなに問いかける。


「みんな十分準備はできたかな?そろそろ行っちゃう?」


全員OKの意思表示を返す。



「そうですか。今のみなさんなら十分やっていけると思います。どうかよろしくお願いします。」





食事を終え、各自1時間で準備をして外に集合となった。



「んじゃ、メルちゃんよろしく~」


みんなが揃ったため、雷牙くんが軽く出発の合図を出す。



「転生先は、目立たないように人が全くいない森の中になります。みなさんお気をつけて。良い旅を。」


とみんなを確認したメルさんが言い終えると、
僕達は最初の様に光りだした。


そして俺達の異世界生活サバイバルが始まった。
しおりを挟む

処理中です...