転生した平凡顔な捨て子が公爵家の姫君?平民のままがいいので逃げてもいいですか

青波明来

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手から真っ赤な血が滴り落ちるのを見て思わず息を呑む
まだ幼い子供であろう目の前の男の子はなんのためらいもなく手の甲を切って治して見ろと言っている
傍らにいるお母様であろうご婦人はその様子を呆気にとられたまま彼を見つめていて一瞬我に返ると急いで彼に駆け寄った

「レイ!!何をしているの?!ああっなんてこと」

「母上大丈夫ですよこんなのかすり傷です」

「でもこんなに血が!!「母上彼女が治してくれますよ偶然会った彼女が何故かこんなにも似ていた・・・・・もし彼女がわたしの妹であるならばこんな傷治せて当然です」

レイアンヌ様と言われている彼はあたしを見つめたままそう言い切った
あたしにその傷を治せと?本当に出来る?
まだ魔法なんて師匠に本格的に教わってもいないのに・・・・・何故なら魔力の属性も魔力量もわからないのに魔法を覚えるのは危険だし師匠の許しもないのに魔法を使うなんてあたしには出来ない
ぱっと見たところ傷はそんなに深そうには見えないけど・・・・この間急遽イザベラ様のところで使ってしまったけれどあたしはまだ未熟だしこの人と兄妹であることを証明するからって魔法を使うこともないのでは?
それにこの世界ってDNA鑑定みたいなのないの?そんなことを思いながらあたしは自分のシャツの裾を引き裂くと彼の元へと小走りに駆け寄った

「な・・・・・何をする!?」

「何って傷の手当ですよ」

「ま・・・・待て!聖魔法を使って治すのではないのか?」

「傷は見たところそれほど深くはないようですし魔法を使うほどでもないと思って」

その言葉に呆気にとられたまま手に巻かれた布を見つめている彼
そして傍にいる心配そうな顔を浮かべているお母様であろう彼女を見てなんだかとても羨ましくなった
と、同時になんだか少し腹が立った、自分の身体を傷つけ母親をこんなにも心配させた彼に・・・・

「なんでもかんでも魔法で治すのはよくないですそれにまだあたしは今日魔力の属性と魔力量がわかったばかりの半人前です出来るはずがない」

「そんな・・・・・だったらこんなにも似ているのをどう説明する?」

「そ、そうよ!あなたはきっとあたしの娘なんだわ!行方不明になってしまった愛おしい娘に決まってるわ」

「行方不明・・・・?」

「詳しい事情は言えないけれどこんなに似ているんですものきっと・・・・「違うと思います」

「どうしてそう言い切るんだ?」

「だって世の中には自分と似ている人間が必ずいる・・・・そう言われてるの聞いたことないですか?」

「そうなのか・・・・?」

「師匠がそんなこと言ってました「師匠・・・・?君にはもしかして魔法の先生がいるのか?名前は?」

「ライラさんです知ってますか?」

「ライラさんって・・・・・あの方か!」

彼はあたしの言葉に目を見開いて驚いていたようだでもそのあと彼の測定の時間が迫っていたのでこの場ですぐ解散となった、お母様である彼女はあまり納得していないようだったけど・・・・・
もう会うこともないと思っていたあたしの予想を裏切ってすぐ会うことになろうとは思わなかった











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