「彼女は…」

大体元気なTaka

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1話「嫌いな…」

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「失ってから気づく」という言葉が苦手だ。
聞くだけでも心に痛みを感じる。
確かに、失って気づく経験なんてあるから
間違ってはいないけど…
どうしても慣れなくて心がボロボロになる。

僕はいつの日か仕事に
ミスばかりをするようになった
記事を作る仕事だがインクまみれになったり
文字が間違ったり、破れてしまったり…
どうも最近体調が崩れるのが多くなってきた。
いつもインクで薄汚い机と
床に少し散らかってる紙と本があった。
後ろの本棚の本がバラバラだ。
「ジョーアの大騎士 第1巻」の次に第5巻…
その次に第2巻、次に第4巻…
順番が気になってしょうがない。

「…ここ最近ミスばかりじゃないか
体調悪いなら無理はしなくていいからな」

机の前に座っている上司が言った。
優しいけどいつかミス続きの僕を
クビにしてくるだろう。
その時は仕方ない…

「すいません…今日は帰らせていただきます」

僕は服を着替えて
何かを引きずるかのような足で
仕事場から立ち去ろうとした。
すれ違う仕事仲間が心配そうな顔をしてきた。
そんな顔をされると罪悪感が湧いてくる。

ガチャッ…

錆び付いたドアを開けて外を出た
いつの間にか夜になってた。
あたりはもう真っ暗で
照らしてくる街灯が少し眩しい…
 
誰もいない道に自分の足音だけが響いてくる。
月をなんとなく見てると
なんだか懐かしい気持ちになる。
何か忘れてる気がする。
でも、思い出すとなんか嫌な予感がするのは
気の所為なのか。

そんな事を考えながら
ふと気づいた

自分以外の足音がする
しかも後ろからだ

辺りを見渡したが誰もいない
なんだか不気味悪く思えてきた…
体調が悪くなりすぎて
ついに幻覚が聞こえるようになってしまったのか

歩いてるとやはり自分以外の足音が聞こえる
しかも不気味なのが自分が止まると
向こうも足音も止まり
歩くと向こうも歩き出す。
 でも後ろを振り向いても誰もいない…
ただ暗すぎて何も見えないなだけかもしれない

近くにある街灯まで歩いて行き
少し心を落ち着かせ
せーのっで振り向くことにした

せー…!

バッと後ろを振り向いた!
変なタイミングで振り向いちゃったが
少しだけ見えた気がする!
紫色のズキンが少しだけ見えたけど
すぐにいなくなってしまった。

やはり幽霊か何かが付いてきてるのだろうか…
それとも自分の体調の悪さのあまり幻覚なのか…

前を向くとお菓子の入った籠と紙が置いてあった。
さっきまではなかったのに…
疑問に思いながら紙に書いてある文字を読んだ。

あまいもの たべて げんき

…甘い物を食べて元気?
僕が落ち込んでる事に気にかけてくれるのかな?
きっと仕事仲間が仕組んだのかもしれない。

僕は籠の中にあるお菓子を2つだけ持って帰った

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