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戦闘行為

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尻もちをついて、地面に散乱した弁当を集めている被害者がいる。


「あー……せっかくの弁当が台無しになっちゃったじゃないか。弁当一つ買う金を稼ぐのも大変だってのにさ」


田中を無視して、弁当をレジ袋に入れ直すその行為は、田中の神経を刺激するには十分なものだった。


「田中さん、こいつ舐めてますよ。すり潰した方がいいんじゃないですか!?  やっちゃってくださいよ!」


「おうお前、もう詫びを入れても遅いからな!  弁当を置いていけ!  そして死ね!」


その巨体に隠れるようにして、二人の取り巻きが好き勝手に声を上げる。


当たった現場を見ていない真治でも、どちらが悪いのかは雰囲気でわかるほどだったが、周囲の人間は誰も止めようとしない。


それどころか、ニヤニヤしながら成り行きを見ているようで気持ちが悪かった。


「ん?  あれは……あーあ、可哀想に」


野次馬の間から現場を見た新崎が、首を小さく横に振って呟いた。


「てんめぇ!  シカトとはいい度胸だ!  決闘だコラ!  まさか断るとか情けねぇこと言わねぇよな!  ギッタンギッタンのメッタメタにして、テメェの肉を喰らってやるぜ!  準備しろ!」


何が始まるというのか、田中はPBMを取り出して画面を操作すると、PBMを被害者に向けたのだ。


白い光が田中のPBMから伸び、被害者の前で止まる。
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