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戦闘行為

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それは圧巻の強さだった。


見た目では明らかに田中の方が強そうだったのに、勝ったのは明らかに弱そうな優男の方だったから。


だが、その横顔を見て真治と明美は顔を見合せた。


高速道路で人の群れに襲われそうになった時に、颯爽と現れて次々と敵を貫いて行ったあの人だったからだ。


「100年早いんだよ。その程度で俺を殺そうなんざな。相手を見て喧嘩を売れ、クソ雑魚が」


円錐状の槍、ランスを取り出したのも見えなかった。


今、動きを止めて手に持っているのを見て、やっと認識出来たくらいに動きが早い。


「あれ、新崎さんに奈央ちゃん。それに……あの時の新人か」


ランスを手から離すと、先程までの荒々しい言葉遣いはどこに行ったのか、優しそうな表情と話し方に戻る。


「なに?  二人は黒井を知ってるの?」


奈央の問いに、小さく頷いた二人を見て、黒井と呼ばれた男は微笑んで見せた。


「ま、成り行きで助けただけさ。新崎さんと奈央ちゃんなら、俺と違ってしっかり新人教育してくれるでしょ。良かったじゃない、仲間が増えてさ」


地面に置いたレジ袋を拾い上げ、通り過ぎようとした黒井に新崎が嬉しそうに声を掛ける。。


「なあ風助、聞いてくれよ。この真治くんは凄いんだ。星5レアの打刀を引き当てたんだよ。もしかしたら……」
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