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戦闘行為

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『総力戦が開始されました。皆さん、キングを破壊する為に頑張ってください』



その音声が頭の中に響いた瞬間、街の空気が一気に変わったのが真治にはわかった。


日が沈みかけている、薄暗くなり始めたこのタイミングで始まった殺し合いに、口の中が渇き始める。


「だ、大丈夫……大丈夫さ。俺だってやれるんだ……かっこ悪いところは見せられないぞ」


ブツブツと、自分に言い聞かせるように何かを唱えている新崎はガチガチに固まっていて、真治以上に緊張しているのが誰の目にも明らかだ。


『一馬、落ち着いて。今日から仲間がいるから気負わなくてもいいよ。ダメなら逃げればいいんだから、そんなに緊張しないで』


新崎のPBMから奈央の声が聞こえ、ハッと我に返って肩の力が抜けた。


そして振り返って、民家のベランダから顔を出す奈央に頷いて深呼吸をする。


「今、奈央さんの声が聞こえましたけど……わかった、通信機能を使ったんですね?」


PBMの画面にそんな項目があったと思い出して、少しでも気を紛らわせようと尋ねると、新崎はフフッと笑って見せた。


「正解。フレンド登録した人や、同じグループの人達と会話が出来る機能だよ。この戦いが終わったら、俺ともフレンド登録しようか」


新崎のその声が、遠くから迫って来るような轟音にゆっくりと飲み込まれて行く。


怒り、狂気、罵声や怒号、人の群れと共に放たれる感情や声が、東軍から押し寄せて来たのだ。
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