上 下
40 / 682
戦闘行為

system_0040

しおりを挟む
一本隣の清洲橋通りに、とんでもない数の人が侵入して来たのが、その轟音と気配で感じ取ることが出来る。


気をしっかり保っていなければ、その気に当てられてしまいそうなほど強く、狂おしい念が渦巻いている。


『来たよ。四人組。一馬、真治くん、準備して!』


新崎のPBMから聞こえた声に、真治の心臓が激しく動き始める。


今からしようとしているのは、人に喧嘩を売るとかそう言ったレベルの話ではない。


物陰に隠れて、人を殺そうとしているのだ。


「だだ、大丈夫……強いやつらは清洲橋通りみたいな大通りを行く。路地に入って来るやつらは皆弱いと相場が決まっているんだ」


生垣から少し顔を出して、東軍側の道路を確認すると、そこには遊び歩いてそうな若者の集団が。


男三人、女一人で、威嚇するように武器で民家の塀を叩いて派手な音を立てていた。


「ったくよぉ、なんで大通りを行かねぇんだよ。もたもたしてると、獲物を全部取られちまうぞ?」


「わかってねぇなぁ大輝は。大通りは腕に自信のあるやつが待ち構えてるに決まってるだろ?  こういう、『大通りから一本外れた道』にこそ、カモが潜んでるってもんだぜ」


「キャハッ!  そんなチキンホントにいんのぉ?  どうせそんなやつ、陰キャのキモメンだから遠慮なく殺せるよね」
しおりを挟む

処理中です...