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戦闘行為

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敵地だと言うのに、大声を出しながら歩いている集団に、新崎の様子がどんどんおかしくなっているのがわかる。


本当に大丈夫なのかこの人はと不安になり、真治は肩を叩いた。


すると、それに驚いた新崎は、何を考えているのかナイフを握り締めたまま道路に飛び出してしまったのだ。


「うひっ!  って……あ」


話しながら歩いていた東軍の集団が、不用意に飛び出した新崎を見て一瞬動きを止めた。


事情を知っている真治からすれば、それはただのミスだったが、相手からしてみればどんな罠かもわからないと思われたのだろう。


四人とも武器を構えたが、警戒するように新崎を睨み付けている。


「……新崎一馬。武器は星2のナイフ。賞金額は6710円。ぷっ!  弱っ!  何?  もしかして待ち伏せしてたけど、緊張に耐えられなくなって先走っちゃった!?  ガチ早漏じゃん!  確かに童貞臭い顔してるわ!」


集団の中の女性が新崎をサーチして、その内容に思わず笑ってバカにする。


それに釣られて、他の三人も緊張が解れたのか笑い始めたのだ。


「なんだよ、お前らビビってんじゃねぇよ!  だから言っただろ、大通りから一本外れたらこういうカモがいるってよ!  ヒャハハハッ!」


「しかも6710円ってなんだよ!  笑わせてくれるぜ!  俺ら全員20000超えだってのによ!  アハハハハハッ!」
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