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死神と荒獅子

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二人がシャワーを浴び、寝るまでの間リビングでPBMを取り出して疑問点の整理を始める。


「でね、人を殺せばお金とソウルが手に入るってことは知ってるよね?  でもね、武器レベルによって敵を倒した時に入るお金は違うの」


「と言うと、俺と奈央さんでは同じ敵を倒しても稼ぎが違うってことですね」


「そういうこと。私が星2だから、同じレアリティの敵を倒せば300円貰えるんだけど、星3の敵を倒せたら600円。星4の敵を倒せたら1200円で、万が一星5を倒せたら2400円も貰えるってわけ」


PBMのヘルプを開きながら奈央の説明を聞いているが、真治の場合ほとんどがレアリティの低い敵となる為、金額の減少は深刻だった。


「……俺は星5だから、星4を倒しても150円しか貰えなくて、星3なら70円になるわけですか」


「人の命を金額で計算するのは良くないけど、そういうことだよね。私達の命なんてさ、この街ではこれくらいの価値しかないってことだよね」


確かに、あれほど簡単に命の光が消え、人が人を道具として使っているかのような扱いだと、そう思ってしまっても無理はない。


死神や荒獅子なんて呼ばれ方をするには、特別な存在になるしかないということなのだろうと、真治はため息をつかずにはいられなかった。


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