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死神と荒獅子
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あれから何時間経っただろう。
豪雨の音が窓の外から聞こえていたのも昔、今は爽やかな陽の光が窓から射し込んで、真治が寝ているソファを照らして、ゆっくりと意識を覚醒させる。
あの後、奈央に一緒にベッドで寝ようと誘われ、一応ベッドに入りはしたが、興奮で眠れなかった為にソファに移動したのだった。
童貞にはハードルが高かったということだろう。
「う……ん。朝か。ここは……俺の部屋じゃない。夢じゃなかったか」
「そ。夢じゃないし、私と一緒に寝てたのに、いつの間にかこんなところにいるんだから。そういうところまで似なくても良いのに」
ゆっくりと身体を起こした真治に、向かい合っているソファに座っていた奈央が不機嫌そうに睨んでいた。
「あ、お、おはようございます奈央さん」
「おはようございますじゃないわよ。まあ良いけどさ。真治くんが恋愛チキンだってわかったから。さ、早く準備して。アジトに帰って一馬と合流しないとね」
怒っているのかと、真治は内心ビクビクしていたが、どうやらそうではないようで安心していた。
と、同時に腹が鳴り、思えば昨夜から何も食べていないことをこの時点で思い出したようだ。
「お腹がすきましたね。途中でコンビニに寄っても良いですか?」
「……性欲は表に出さないくせに、食欲には正直なんだから。何となく理解出来たよ。真治くんがさ」
そう言って、呆れたように笑った奈央を見て、真治も作り笑いをして見せた。
真治からしてみれば、何が何だかわからなかったが、奈央の機嫌が悪いようではなさそうだったから。
豪雨の音が窓の外から聞こえていたのも昔、今は爽やかな陽の光が窓から射し込んで、真治が寝ているソファを照らして、ゆっくりと意識を覚醒させる。
あの後、奈央に一緒にベッドで寝ようと誘われ、一応ベッドに入りはしたが、興奮で眠れなかった為にソファに移動したのだった。
童貞にはハードルが高かったということだろう。
「う……ん。朝か。ここは……俺の部屋じゃない。夢じゃなかったか」
「そ。夢じゃないし、私と一緒に寝てたのに、いつの間にかこんなところにいるんだから。そういうところまで似なくても良いのに」
ゆっくりと身体を起こした真治に、向かい合っているソファに座っていた奈央が不機嫌そうに睨んでいた。
「あ、お、おはようございます奈央さん」
「おはようございますじゃないわよ。まあ良いけどさ。真治くんが恋愛チキンだってわかったから。さ、早く準備して。アジトに帰って一馬と合流しないとね」
怒っているのかと、真治は内心ビクビクしていたが、どうやらそうではないようで安心していた。
と、同時に腹が鳴り、思えば昨夜から何も食べていないことをこの時点で思い出したようだ。
「お腹がすきましたね。途中でコンビニに寄っても良いですか?」
「……性欲は表に出さないくせに、食欲には正直なんだから。何となく理解出来たよ。真治くんがさ」
そう言って、呆れたように笑った奈央を見て、真治も作り笑いをして見せた。
真治からしてみれば、何が何だかわからなかったが、奈央の機嫌が悪いようではなさそうだったから。
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