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死神と荒獅子

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~清澄公園~


近くにやって来ただけで、明らかに人の数が増えているのがわかる。


誰もがこのイベントを楽しみにしているようで、開始を今か今かと待ち望んでいるという雰囲気だった。


公園の真ん中にはステージのような物が作られ、早くもその周囲には人集りが出来ていたのだ。


「凄いな……この街でもこんなことが出来るなんて。ここにいる人達、皆これを楽しみにしているのか」


ろくでもないことだとわかってはいるが、祭りにも似た雰囲気に少し心躍る。


人を殺し、殺されを繰り返すこの街で楽しみがあるのならと、期待をしていたのかもしれない。


真治が公園に着いてから10分程経過すると、周囲にいた人がゾロゾロとステージの周辺に集まり始めた。


見学のつもりで来た真治は、その波に飲まれないように外側に移動して、離れた位置でステージが見られる位置を陣取る。


そんな中で一人、スーツにサングラスといういかにも胡散臭い男がステージに上がり、PBMに向かって話し始めたのだ。


『ヘイヘイ!  元気かクソ野郎共!  今日もやって来たぜ洗浄日明けのオークション!  ソウルが足りない雑魚野郎に、性奴隷がほしい変態共め!  池田派に感謝をして、お気に入りを是非とも見付けてくれよ!  それじゃあ早速行くぜ!  まずはこの死ぬ以外価値のない中年からだ!  300円から行こうか!』
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