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死神と荒獅子

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清澄公園から離れ、東軍の方へと移動を始めた四人。


死神の指示で、学生服を女の子に着せてパンツ一枚で街を歩く真治。


全裸の女の子を保護する為とは言え、実に情けない姿に涙が出そうになっていた。


「ご、ごめんね。でもありがとう。南軍に、キミみたいに優しい人がいるとは思わなかったよ」


「俺も、東軍の人達は人の命を奪うことに何の抵抗もない戦闘狂ばかりかと思ってたけど……そうじゃないみたいだね」


「あはは。お互い勘違いしてたみたいだね。そりゃそうだよね。元の世界では、皆普通に暮らしてたんだからさ」


女の子の言葉は、この街に来たばかりの真治の心を締め付けた。


そうだ、戦うことは普通ではないのに、武器レベルが上がるにつれ、戦うことが苦痛では無くなっていた。


戦うこと、人を殺すことが当たり前になりすぎて、どんどんこの街に染まっていると気付いてしまったから。


「楽しく話をしている中悪いが、永峰優。お前は東軍のどの派閥に属している?  まさかフリーではあるまい」


吹雪と話していた死神だったが、話しながら優をサーチしたのだろう。首だけ横に向けて女の子に尋ねた。


「え?  一応入れてもらってるグループは津堂派ですけど……それが何か」


「そうか。悪いことは言わん。早く抜けて狩野か名鳥にでも保護してもらえ。あの二人なら自分の手の届く範囲なら保護してくれるだろうからな」
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