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死神と荒獅子

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道中で服屋を見付け、その中で優の服を見繕って着てもらい、やっと真治は服を着ることが許された。


そしてやって来た東軍側の光の壁。


「良いか優よ。元々の服は破損してから24時間経過すればまたPBMから取り出すことが出来る。今の服が気に入ったなら、それを登録することも出来るから、覚えておくといい」


「にゃはは。また調子に乗って変なのに捕まっちゃダメだよ?  今度は助けが来るとは限らないんだからね」


死神と吹雪が口々に優に話しているが、その視線はチラチラと真治の方を見ていた。


「吹雪さんも恵梨香さんもありがとう。他軍の人って頭がおかしいやつらしかいないと思ったけど、そうじゃなかったんだね。それに……少年も、ありがとうね」


真治に駆け寄った優は、その手を取ってにこやかに微笑んで見せた。


「え?  いや、俺は何もしてないよ。キミを助けたのだってあの二人だし、俺は何も……」


「違うよ。助けてくれたよ。だからありがとうね」


その言葉と同時に、優の顔が真治に近付いた。


柔らかい唇が頬に触れて、真治の心臓は激しくドクンと音を立てたのだ。


「ひゅー」


吹雪の口笛など聞こえずに、何が起こったのかわからずにただ固まって立ち尽くすだけ。


「じゃあ、もう行くね。知ってると思うけど、私は永峰優。覚えておいてよ」


「え、あ、お、俺は高山真治……」


「知ってる。じゃあね、少年」
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