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西の地で

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決して余裕の攻撃ではない。


全力で、意識を全て目の前の女性に向けた結果だ。


自分の力とは言い難い、武器の力に頼った攻撃。どうしてもそれが自分とは違う力のような気がして、がむしゃらに振るったのだ。


上空から迫る三人の男女はまだ着地すら出来ていない状態。


ビルの窓ガラスを割って飛び出した人達も空中に留まっていると、ほんの一瞬だが真治の目にはそう見えていた。


少しずつ、黒井と恵梨香によってこじ開けられた世界が見え始めるようになっていたのだ。


真治目掛けて飛び降りた三人にとって、着地地点にターゲットがいないというのは予想外だっただろう。


星3レア程度の相手ならば、これで確実に仕留められていたかもしれないが、相手が悪かったと言えよう。


三人同時に着地し、地面の一点に武器を突き付けていたが、そこにターゲットはいない。


すぐさまに真治の方に顔を向けたが、三人が見たのは自分の頭部に日本刀の刃が横一文字に滑り込む光景だった。


三人を同時に仕留めて、次だと顔を上げた真治の目に、空中で四散する光の粒が目に入ったのだ。


「後ろは任せろって言っただろう? しかしナイスな動きだったぞタカピー」


内藤と奈央が、窓ガラスを割って飛び出した人達を仕留めていたようで。ほんの一瞬の出来事だったが、待ち伏せという罠を乗り切ることが出来たようだ。
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