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西の地で
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「ゆ、雪ちゃん!? この子は私達を助けてくれたんだよ!? それなのに沼沢に差し出すの!?」
慌てて里奈が声を上げたが、雪子は顔をしかめて頭をボリボリと搔くだけ。
「仕方ないでしょうが。私達は西軍で、この子は南軍。ここで下手に庇って敵だと思われてみなよ。私はどんなやつが来ても追い払えるけどさ、里奈ちゃんと三葉ちゃんを四六時中守ってやれはしないんだよ。自軍にいても安らがないし、1円の得にもならない戦いを永遠に続けることになる。そんな生活をあんた達にさせるわけにはいかないんだ」
この雪子という女性は信用出来る。吹雪の姉ということもあるが、それよりも理由を聞いてすぐに武器を納め、真治を受け入れた。
これだけではなく、仲間を守る為に出来る最善の策を考えられる人だと感じたから。
たとえそれが真治本人を差し出すという結果になっても、この状況では無理からぬことだった。
「……ありがとうございます。奈央さんをよろしくお願いしますね。俺の為に皆が危険な目に遭う必要はないですから。だから、雪子さんの提案に乗ります」
立ち上がって深呼吸を一つ。心臓の動きが早くなっているのがわかる。この状況に不安を感じ、緊張しているのだと。
だが、それと同時に奈央を保護してもらえることに安心も感じていた。
慌てて里奈が声を上げたが、雪子は顔をしかめて頭をボリボリと搔くだけ。
「仕方ないでしょうが。私達は西軍で、この子は南軍。ここで下手に庇って敵だと思われてみなよ。私はどんなやつが来ても追い払えるけどさ、里奈ちゃんと三葉ちゃんを四六時中守ってやれはしないんだよ。自軍にいても安らがないし、1円の得にもならない戦いを永遠に続けることになる。そんな生活をあんた達にさせるわけにはいかないんだ」
この雪子という女性は信用出来る。吹雪の姉ということもあるが、それよりも理由を聞いてすぐに武器を納め、真治を受け入れた。
これだけではなく、仲間を守る為に出来る最善の策を考えられる人だと感じたから。
たとえそれが真治本人を差し出すという結果になっても、この状況では無理からぬことだった。
「……ありがとうございます。奈央さんをよろしくお願いしますね。俺の為に皆が危険な目に遭う必要はないですから。だから、雪子さんの提案に乗ります」
立ち上がって深呼吸を一つ。心臓の動きが早くなっているのがわかる。この状況に不安を感じ、緊張しているのだと。
だが、それと同時に奈央を保護してもらえることに安心も感じていた。
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