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罪と罰

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『あぁ? 首が千切れたかよ。これだからデブは困るよな。でも安心しなお前ら! 今回はまだ後二人いるからよ!』


とても見ていられない。何なんだこいつらは。


「新崎さん! 何とかして止めさせられないですか!? こんなの、人がすることじゃないですよ!」


「ああ……うん。連れて行く……って! え!? な、何!?」


新崎は誰かと通信していたようで、真治の言葉に驚いた様子で声を上げた。


明美の説得に出て来て、このショーを止めるのが目的ではなかったが、これはあまりにも酷すぎる。


「し、真治くん。明美さんはどうやらあのビルにいるようだ。屋上で……早く来てくれって。早く来てくれないと殺されるって」


「ま、まさか……嘘でしょ? あと二人殺すって言ってたうちの一人は……もしかして明美さん!?」


こうしてはいられないと、新崎と一緒に向かったビル。人混みを掻き分けて入口に到達すると、エレベーターを待っている時間が惜しいと、階段を駆け上がった。


殺されると言うなら、屋上にいるに違いない。


そんな思いで走った階段。


屋上に辿り着くと、10人ほどの男女が一斉に真治の方に視線を向けたのだ。


「んだテメェは! 今は取り込み中だ! 殺されたくなかったらさっさと消えろ!」


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