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罪と罰

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「!?」


その勢いに身体が弾かれて後方に飛んだ。


目の荒い、ヤスリのような床に転がって、真治は動きを止めた。


「ひゃははははっ! 見たかよ今の! 馬鹿じゃねぇのか!? どうだよ、大切な仲間に殺られる気持ちってのはよ!」


池田が笑うと、他の人達も笑い始める。


明美も嬉しそうに笑い、池田の隣に駆け寄ると、身を寄せるようにして頬を寄せたのだ。


「だから言ったでしょ? こいつはね、私のことを狙ってるから助けに来るって。ずっと私をチラチラ見ててさ、気持ち悪かったんだよね」


「マジかよ、それはキモいな。いつかやれると思って良いとこ見せようとしたのか? 残念だったなぁガキ。明美は俺の女になったんだよ」


そう言って池田は、明美の服の中に手を入れて胸を揉みしだいた。


「あ、あの……池田さん! 言われた通り真治くんを連れて来ました。だから俺のことは助けてくれるんですよね。俺も池田派に入れてくれるんですよね?」


そんな二人に駆け寄ったのは新崎。すがるような目で池田を見て懇願したが……いやらしい笑みを浮かべた池田は、指をパチンと鳴らした。


男達が駆け寄り、新崎の両脇を抱えると、ビルの縁まで連れて行ったのだ。


「え!? え! ちょ、は、話が違う! 真治くんを連れてきたら仲間にしてくれるって! や、やめてくれ! 俺にはもうソウルが!」
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