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罪と罰

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こうも先手を取られてばかりでは防戦一方で、攻撃をするタイミングが全くないではないか。


確かに攻撃を防ぐことは出来ているが、防ぐだけでは勝てない。


そう考えてパンチを日本刀で受け止めた真治に、さらなる絶望が襲い掛かったのだ。


パンチが日本刀に当たった瞬間、素早く拳を引いて左のパンチが飛んで来る。


先程と同じだと日本刀の頭で弾いたが、その時にはすでに再び右の拳が迫っていたのだった。


慌てて刃を滑り込ませるように、ギリギリのところで防いだが、今度は左の拳が。


攻撃の回転速度がさらに上がり、今度はそれを処理し切れず、日本刀を持つ右手に直撃してボキッという骨が砕けた音と共に、激痛が身体中を駆け抜ける。


「俺様の強さに絶望しろ! テメェはまだまだ殺さねぇぞ! 土下座して許しを乞うまでいたぶってやるぜ!」


高速の四連撃の後は、飛び上がって回転しながら足底で蹴る技、ローリングソバット。


それが真治の背中に直撃し、屋上の中心方向へと押し戻すように吹っ飛ばしたのだった。


荒い床に身体中が擦られ、転がって動きを止めたが、すぐに真治は立ち上がった。


右腕の骨が砕かれたか、肘から先が動かせない。


だが、攻撃の回転速度を上げたおかげで一発一発の威力が落ちたのか、致命傷ではないだけマシかもしれない。


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