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罪と罰

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合図などない。お互いに武器を構えて高速接近する。


ただ一つ違ったのは、真治の左手には先程引いたばかりの武器が持たれていて、それを日本刀に溶け込ませながら接近していたことだ。


池田はそれに気付いてはいたが、止めようにも攻撃の前にそうされては止めようがない。


「ここから休みはねぇ! お前は俺のマシンガンパンチに撃たれるだけだぜ!」


真治に攻撃を受け止められないようにする為にはスピード重視の攻撃しかないと判断した池田。


その言葉通り、凄まじいまでの高速パンチが真治に放たれた。


お互いに最接近して最初の一撃。


それを武器同士で弾き、二撃目に移ろうとしたが池田の方が圧倒的に早い。


迫る拳を防ごうと、手首を回転させて刃の向きを変え、ギリギリの所で防いだが次はどうだ。


防戦一方で、言葉通りマシンガンのように襲い来る拳の連撃に、攻撃に転じる余裕が全くない。


「はっはーっ! よく防いでいるが、攻撃しないと勝てねぇんだぜ! 攻撃が出来ねぇってことはお前は負ける! 勝つのは俺ってことだ!」


「くっ! 復活したばかりで死んでたまるかっ! 俺にはやらなければならないことがあるんだ!」


「知るかよ! 死ね、死ねっ!」


調子良く連続で放たれる池田の拳は、真治をジリジリと後退させて行く。


池田の読み通り、現状では真治よりも池田の方が、力は僅かながら上と言わざるを得ないだろう。
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