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持つべき信念

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ポーンの手が握り締められる。


上空から地面に叩き付けるようなパンチが放たれたが、それを横に回避して西軍へと走る。


次のポーンが、右前方から口を開いたまま真治に迫った。


「食われてたまるかよ!」


迫った口に合わせるように、その鼻に日本刀を突き刺して、手を放して再び日本刀を抜く。


鼻を押さえて悶えるポーンが地面に転がり、後方から追い掛けて来る他のポーン立ちを巻き添えにして転ばせたのだ。


後二匹をどうにかすれば、西軍に駆け込める。


後方のポーン達との距離が離れているから、もう追い付かれる事はないと判断したが油断は出来ない。


残り20メートル。あと少しとなった時、三匹目のポーンが飛び掛かる。


上背を利用した上方から迫るものではなく、低く下半身に飛び掛かるように手を伸ばした。


予期せぬポーンの行動に焦りの表情を浮かべたが、真治は冷静に飛び上がってその腕を回避し、ポーンの頭部を踏み付けてさらに西軍へと向かう。


後一匹だと思い、ほんの少しだけ気が抜けたのかもしれない。


最後の一匹はいつの間にか接近していて、飛び上がった真治を待ち構えるように大口を開いて立っていたのだ。


本能で生きているような化け物なのに、まさか連携紛いのことまでするとは予想外。


わざと真治を、身動きの取れない空中に飛び上がらせて、もう一匹が口を開いて待ち構える。


この状況を打開する考えが浮かばないまま、真治は日本刀を構えてポーンの口に迫った。
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