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持つべき信念

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西軍に入った真治達は、両国橋を渡って歩いていた。


目指すは、雪子達がアジトにしているビルがある大通り。


恵梨香は呆れたように、光の壁の近くを拠点にしている人なんていないと言うが、真治にもその理由はわかった。


総力戦が始まって、一番被害に遭うのは光の壁の近くだからだ。


休んでる最中に総力戦が始まったら、寝ている間に殺される可能性がある。


それを避ける為にも、拠点は光の壁から離れた場所にするのが基本だと恵梨香が説明を続ける。


「さて、吹雪の姉はどうにかなるとして、問題はその沼沢という男だな。賞金首ランキング一桁か。まだひよっこの分際で、良くもまあこんなやつに戦いを挑んだものだ」


恵梨香の言葉が真治の胸に深々と突き刺さる。


だが、真治にとってもあれほど強い男が現れるとは思ってもいなかったから仕方のないことと言える。


「運が悪かっただけだよねー。西軍で有名なやつって、沼沢と池上くらいかな? あ、あと姉ちゃんね」


雪子のことを話す時は、凄く嬉しそうな顔をする吹雪。


よほど雪子のことが好きなのだろう。


しかしそのおかげで、吹雪と恵梨香を西軍に連れて来ることが出来たのだ。


もしも嫌いなら、一人で行けと言われていたに違いないだろう。
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