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持つべき信念

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城井を殺すことに集中しすぎて、雪子は二人が見えていない。


それに気付いた真治は、震える足に力を込めて地面を蹴って、二毛に迫った。


振り下ろされた大剣が、雪子に接触しようとするその瞬間。


真治の日本刀の先端が二毛の大剣を横に弾いた。


「んなっ!?」


縦方向の力に対して、横から大剣の腹を押され、バランスを崩して雪子の上に落下した二毛。


攻撃を逸らそうと飛び込んだ真治も、二毛に身体を預けるようにして雪子の上に倒れ込んだ。


と、思ったのだが、雪子は真治達の行動に素早く反応して、後方に飛び退いていたのだ。


「ひゅーっ、危ない危ない! 殺しの邪魔するんじゃないよ!」


助けたつもりなのだが、邪魔とは酷いものである。


いつまでも二毛ともつれたまま倒れているわけにはいかない。


地面をゴロゴロと転がり、何とか膝を付き、体勢を整えて日本刀を構えた。


城井は、さきほどの雪子の一撃で薙刀が切断されたようで、刃がなくなった柄を握り締めて呆然としている。


梅原は狙いを定めたままボウガンを構えているが、二毛の様子がおかしい。


地面に倒れて、ビクンビクンと身体を震わせていたのだ。


着地に失敗したのかと思ったが、よく見ると着ている服が赤く染まり始めていた。


梅原が放ったボルトが、もつれて倒れた先にいた二毛に直撃したのだろう。
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