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持つべき信念

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完全に回復して、武器の強化も終えてビルを出て、沼沢がいる小学校へと歩を進めた。


「……言わなくてもわかってると思うけど、沼沢の方が圧倒的に有利だからね。自軍だから回復も早い。真治が勝つ可能性は、一撃必殺しかないよ。まあ、万に一つの可能性もないかもしれないけど」


不機嫌だった雪子が、流石に不利な戦いに挑もうとしている真治を心配しているのか、アドバイスを呟いた。


勝てる可能性が低い戦いだというのは最初からわかっていることだ。


油断すれば、すぐにあの分銅にやられてしまうだろう。


あれから真治がどれだけ強くなったか、どれだけ沼沢の想像を上回れるかにかかっている。


「……緊張してるね? 大丈夫。ほら、恵梨香と黒井の戦いを思い出しなよ。恵梨香だって敵軍で戦って、黒井に降参させたんだよ?」


笑いながら吹雪が言うが、あの戦いはハイレベル過ぎて真治には参考にならないだろう。


僅かな手数で戦いは終わるという、とてつもなく高度な戦いだったから。


「やれるだけ……なんて弱気じゃダメですね。少なくとも、奈央さんだけは助けます」


自分を過大評価も、過小評価もしていない正直な想いを口にしたが、それが一番難しいことはわかっていた。


勝てない戦いの中で、どう戦うかを必死に考え続けるしかないのだ。


そして、小学校のグラウンドの前に移動した。
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